施工方法ガイド

LEDテープの配線を配線モール(ワイヤーモール)で隠す露出配線の施工方法

壁や天井を開けられない後施工で配線を隠す——モールサイズの決め方・下地処理・角の曲げ方・電源やコネクタの逃がし方・剥がれ防止まで、施工業者が失敗しない実務を解説

公開: 2026-07-05 | カテゴリ: LEDテープ施工方法ガイド

この記事の結論:壁裏に通す隠蔽配線ができない現場では、配線モール(ワイヤーモール)で露出配線を隠すのが定番です。モールはケーブル断面の7割で収まる号数を選び、下地の油分・埃を除去してから貼るのが剥がれ防止の要。角は無理に一本で曲げず出隅・入隅部材を使い、電源・コネクタはモール端で逃がして放熱と点検性を確保します。

配線モールを使うのはどんな現場か

LEDテープの引き回しケーブルは、本来は壁裏・天井裏に通す隠蔽配線が最もきれいです。しかし改装や賃貸、コンクリート躯体、既存内装をそのまま使う現場では、壁を開けられず配線が露出してしまいます。そこで使うのが配線モール(ワイヤーモール/プラモール)です。断面がコの字型のカバーで、壁面に沿ってケーブルを隠しながら這わせられます。LEDテープ本体はアルミフレームで見せ、電源からテープまでのケーブルだけをモールで隠すのが現実的な構成です。

壁を開けない

後施工・賃貸・躯体現場で壁を壊さず配線を隠せる。原状回復が必要な物件にも向く。

意匠を整える

白・アイボリー・木目調を壁色に合わせ、露出ケーブルの雑然さを消す。

保護する

ケーブルを踏み・引っ掛け・擦れから守る。什器裏や人の動線でも安全。

増設に対応

カバーを外せば後から系統追加・交換が容易。点検性を確保できる。

モールの種類とLEDテープ配線での選び方

配線モールは幅・高さ(号数)と、直線を繋ぐ役物(出隅・入隅・T字・エンド)で構成されます。LEDテープの低電圧ケーブルは細いので細身でも足りますが、将来の増設を見込むなら余裕をもたせます。

号数の目安 内寸(幅×高さ)の目安 収まるケーブル 用途
0号(細身) 約10×8mm前後 2芯・細径1〜2本 短い引き回し・什器裏
1号 約15×10mm前後 2〜4芯を数本 一般的な間接照明の給電
2号 約17×12mm前後 複数系統をまとめる 調光線・複数テープの集約
3号以上 約20×15mm以上 電源2次側を束ねる 増設余地・幹線的な引き回し
よくある失敗:「ケーブルを詰め込みすぎてカバーが閉まらない・浮く」

モール断面いっぱいにケーブルを入れると、カバーが浮いて剥がれ・見た目の悪化を招きます。ケーブルは断面の7割までを目安にし、迷ったら一回り大きい号数を選びます。調光線や増設分を見込むなら特に余裕を持たせてください。

モールサイズの決め方

必要なモール内寸の考え方

モール内寸断面積 ≧ ケーブル断面積の合計 × 1.4 例)2芯ケーブル(外径 約4mm)を2本  断面積 ≒ (π×2²)×2 ≒ 25mm²  必要内寸 ≒ 25 × 1.4 ≒ 35mm² 以上  → 1号モール(内寸 約15×10)で余裕 迷ったら「一回り大きい号数」を選ぶ  → 増設・交換・納まりに効く

本数と外径から必要断面積を出し、7割で収まる号数を選びます。電源の位置と引き回し長は 電源レイアウトガイド、延長は 延長ケーブルガイド を参照してください。

施工手順(露出配線をモールで隠す流れ)

電源・コネクタはモールに閉じ込めない:発熱する電源やスイッチング機器をモール内に密閉すると熱がこもります。中継ボックスや露出しない什器内に逃がし、モールは細いケーブルの通り道に徹するのが安全です。接続は端子台・WAGOで戻せる形にしておくと保守が楽になります。

下地別の固定方法と剥がれ対策

モール施工のトラブルはほぼ剥がれで、原因の大半は下地処理不足です。下地の性質に合わせて固定方法を変えます。テープ本体の粘着トラブルは 粘着剥がれの原因と対策 も参考になります。

下地 推奨固定 注意点
平滑なビニルクロス 強力両面テープ 脱脂・乾燥を徹底。相性良
塗装・化粧板 両面テープ 塗膜が弱いと塗装ごと剥離に注意
砂壁・繊維壁 ビス固定 両面テープは効きにくい。要ビス
コンクリート・タイル ビス(アンカー) 下穴+アンカー。両面併用も可
直射日光・暖房近く 耐熱強粘着/ビス 温度で粘着が弱る。通常粘着NG

角・分岐をきれいに納めるコツ

出隅(凸角)

部材出隅役物を使用
NG一本もので曲げ
理由反発で浮く

入隅(凹角)

部材入隅役物を使用
納まり突き付けを揃える
端部隙間を作らない

分岐・終端

分岐T字部材
終端エンドキャップ
固定端は確実に押さえる

施工チェックリスト

よくある質問

Q. 壁を開けられない現場でLEDテープの配線を隠すにはどうすればいいですか?
壁や天井の裏に配線を通す隠蔽配線ができない後施工の現場では、配線モール(ワイヤーモール)で露出配線を納めるのが定番の方法です。配線モールは断面がコの字型のカバーで、ベース(土台)を壁面に両面テープやビスで固定し、その中にケーブルを収めてカバーをはめ込みます。壁紙に近い白やアイボリー、木目調のモールを選べば目立ちにくく、直線・角・分岐に対応した部材(出隅・入隅・T字・エンド)を組み合わせて壁面に沿ってきれいに配線を隠せます。LEDテープ本体はアルミフレームやカバーで見せ、電源からテープまでの引き回しケーブルだけをモールで隠す構成が現実的です。賃貸や既存内装で壁を傷つけたくない場合は、ビスを使わず強力両面テープで施工します。
Q. 配線モールのサイズはどう選べばいいですか?
通すケーブルの本数と太さの合計に対して、断面に7割程度で収まる内寸のモールを選びます。ケーブルをぎゅうぎゅうに詰めるとカバーが浮いたり閉まらなくなるため、余裕を見て一回り大きい号数を選ぶのが安全です。LEDテープの引き回しに使う2芯や4芯の低電圧ケーブルは細いので、細身のモール(0号〜1号相当)でも足りることが多いですが、将来の増設や複数系統をまとめる場合は幅の広いモールにしておくと後が楽です。太さの目安として、モールの内寸断面積がケーブル断面積の合計の1.4倍以上あると無理なく収まります。角や分岐が多い現場では、対応する出隅・入隅・T字部材が揃っているシリーズを選ぶと納まりがきれいになります。
Q. 配線モールが後で剥がれてこないようにするコツは?
剥がれの原因はほぼ下地処理不足なので、貼る前に接着面の油分・埃・結露をしっかり除去することが最重要です。壁面をアルコールや中性洗剤で拭き、完全に乾かしてから貼ります。砂壁・繊維壁・凹凸のあるクロスなど両面テープが効きにくい下地では、ビス固定を併用するか、ベースをビスで留めてからカバーをはめます。長い直線区間は中間を数十センチおきにビスや両面テープで押さえ、端部(エンド)は最も剥がれやすいので確実に固定します。温度変化で粘着が弱る場所(直射日光の当たる窓際・暖房近く)は耐熱・強粘着タイプを選びます。曲げた角の部分は反発で浮きやすいので、専用の出隅・入隅部材を使い、無理に一本もので曲げないことがきれいに保つコツです。

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