アルミフレームにLEDテープを正しく取り付けると、接着剤なしでテープが固定でき・放熱性が確保でき・光が均一に拡散します。しかし「カット面のバリが光を遮る」「エンドキャップが浮いて隙間から光漏れする」「コーナーで継ぎ目が目立つ」といった失敗は施工手順の順番を間違えるだけで起こります。本ガイドでは金属用ノコギリでのカット・壁/天井へのネジ固定・45度マイターカット・エンドキャップ取り付け・シリコンシール処理の全手順を施工業者向けに解説します。

1. 取り付け前に揃える工具と材料

金属用ノコギリ(鉄鋸)
アルミ切断の基本工具。替刃式が便利。電動丸ノコでも可(非鉄金属用チップソー使用)。
マイターボックス(留め切り台)
90度・45度の正確なカットに必須。ずれると継ぎ目の隙間や光漏れの原因になる。
ヤスリ(金属用・平・半丸)
カット後のバリ取り用。バリを残すとエンドキャップが入らず、カバーに傷がつく。
電動ドリル+ビット(3mm下穴)
フレームのネジ穴加工用。アルミは柔らかいが、下穴なしでねじ込むとフレームが変形する。
ステンレスネジ(M3×8mm〜12mm)
アルミとの異種金属腐食を防ぐためステンレス指定。鉄ネジは錆びてフレームが汚れる。
メジャー・鉛筆・スコヤ
正確な寸法出しに必要。スコヤで直角を確認してからカットライン(ケガキ)を引く。
シリコーン接着剤(中性型)
エンドキャップの固定・コーナー継ぎ目のシール処理用。酢酸型はアルミを腐食させるため不可。
石膏ボード用アンカー
石膏ボード壁への固定用。直接ネジを打つと抜けるため必須。
フレームの種類と本ガイドの適用範囲

本ガイドは一般的なアルミ押出フレーム(Uチャンネル・Tチャンネル・コーナー型・面取り型)に共通する施工手順を解説しています。COBテープ・SMDテープのどちらにも適用できます。フレームの形状選定(通常型 vs 埋込型)については別記事「LEDアルミフレームの選び方」を参照してください。

2. 寸法測定とカット長さの計算

正確なカット長さを計算しないと、エンドキャップが入らない・フレームが壁に収まらないといった問題が起きます。以下の手順で測定してください。

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取付箇所の実寸を測定する

壁・天井の溝や段差の内寸を測る。既存の建材(石膏ボード・木板等)の端から端まで正確に測定し、メモしておく。

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エンドキャップの厚みを差し引く

閉鎖型エンドキャップは通常2〜3mm厚。両端にキャップを付ける場合は実寸から4〜6mm引いた長さがフレームのカット長さになる。ケーブル穴付きエンドキャップも同じ厚みで計算する。

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コーナー処理がある場合は45度マイターを考慮する

コーナー(入隅・出隅)でフレームをL字に接続する場合、2本のフレームそれぞれを45度カットして突き合わせる。このとき外側の長さと内側の長さが異なるため、「外寸法(長い辺)」でカット位置を決める。詳細は「5. コーナーの45度マイターカット」を参照。

3. アルミフレームのカット方法

3-1. 金属用ノコギリでの直角カット(90度)

1

マイターボックスにフレームをセット

フレームをマイターボックスの溝に差し込み、90度スロットにノコギリをセット。フレームが動かないようバイス(万力)または手でしっかり押さえる。

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ケガキ線に合わせてノコを当てる

鉛筆で引いたカットラインにノコ刃を当て、最初の数ストロークは軽く引いて「引き込み溝(ガイド溝)」を作る。勢いよく引き始めるとノコが跳ねてズレる。

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アルミ粉が出たらペースダウン

アルミを切ると白い粉(アルミ切粉)が出る。目に入らないよう保護メガネを着用。ノコを細かく動かすと切粉が詰まるので、ゆっくり大きなストロークで切る。切削油(潤滑スプレー)を少量つけると滑りが良くなる。

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バリをヤスリで除去する

カット面のバリ(鋭いエッジ)を平ヤスリで削り落とす。バリを残すとエンドキャップが入らず、拡散カバーが傷つき、手を切る危険がある。カット面を指で触れて引っかかりがなくなるまでヤスリをかける。

電動丸ノコを使う場合の注意点

4. 壁・天井へのネジ固定

4-1. 下地(木材・鉄骨)への固定

石膏ボードの裏に木材の下地(間柱・胴縁)がある場合は、下地に直接ネジを打つのが最も強固な固定方法です。

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下地センサーで間柱の位置を確認

壁面をスタッドファインダー(下地センサー)でスキャンし、間柱(通常303mm または 455mm ピッチ)の位置をマスキングテープでマークする。

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フレームの背面ネジ穴を下地に合わせる

フレームを取付位置に当て、背面のネジ穴が下地位置と重なるよう調整する。重ならない場合はフレームに3mmドリルで新たな穴を開ける(150mm〜300mmピッチが目安)。

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石膏ボードにM3×2.5mm程度の下穴を開ける

フレームを仮固定した状態で下穴ドリルを通し、石膏ボード・下地材(木材なら2〜3mm穴)に下穴を開ける。下穴なしで打ち込むとフレームが変形する。

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ステンレスネジ(M3×12mm)で本固定

下穴にステンレスネジを手回しドライバーで締める(電動ドリルは締めすぎてアルミを変形させるリスクがある)。ネジのトルクは「フレームが動かず・沈み込みが発生しない」程度が適正。

4-2. 石膏ボード(下地なし)への固定

アンカー種別 対応ボード厚 最大荷重(引抜) 特徴
ボードアンカー(トグル式) 9.5〜25mm 約30〜50kg 最も信頼性が高い。フレームの長辺施工(5m以上)に推奨。取り外し不可。
モーリーアンカー(ナイロン傘型) 9.5〜12.5mm 約15〜25kg 施工が簡単。軽量フレーム(3m以下)に適用。引抜荷重は低め。
金属製カリーナアンカー 9.5〜25mm 約40〜60kg 金属製で耐荷重大。屋外・湿気環境にも対応。コストは高め。
両面テープ(厚み付き)のみ 約2〜5kg(製品依存) 非推奨:フレームが重くなる長尺施工では剥落リスクあり。軽量用途の仮固定のみ。

4-3. コンクリート・タイル面への固定

コンクリート・タイル・レンガ面には通常のネジは入りません。振動ドリル(ハンマードリル)+コンクリートドリルビット+プラグアンカー(樹脂打込みアンカー)の組み合わせで固定します。穴径はアンカーの指定サイズ(一般的にM5アンカーなら6mm穴)で開け、プラグを打ち込んだ後にネジで固定します。

5. コーナーの45度マイターカット(L字接続)

壁面のコーナー(入隅・出隅)でフレームをL字に接続する場合、2本のフレームを45度カットして突き合わせると継ぎ目が最も目立ちません。

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外寸でカット長さを決める

L字の「外側の長さ」(コーナーの外端から次のコーナーまで)を基準にカット長さを計算する。内寸で計算すると短くなりすぎて隙間ができる。

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マイターボックスの45度スロットにセット

フレームをマイターボックスの45度スロットに当て、カットラインがノコ刃の位置に来るよう調整する。外隅(出隅)か内隅(入隅)かによって切る向きが変わるため、乾合わせしてから本カットする。

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バリ取り後に乾合わせして確認

カット後はヤスリでバリを取り、2本を合わせて角度と隙間を確認する。0.5mm以下の隙間ならシリコーンシーラントで埋められる。1mm以上の隙間はカットし直し。

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コーナー部分をシリコーンでシール

フレームを固定後、コーナー継ぎ目にシリコーンシーラント(中性型・クリアまたはアルミ色)を細く盛り、指またはシール整形ヘラでならす。乾燥(目安:24時間)後に拡散カバーを挿入する。

コーナー専用接続パーツを使う方法

フレームメーカーによっては「コーナーコネクター」「L字ジョイント」を別売りしている場合があります。これを使うとマイターカット不要でL字接続ができ、施工時間が短縮できます。ただしコネクターの厚み分だけ継ぎ目に段差が生じるため、視線が集まる場所(リビング・店舗など)では45度マイターカットの方が仕上がりが綺麗です。

6. LEDテープの貼り付け

フレームを固定した後、LEDテープを貼り付けます。テープの向きと粘着面の扱いに注意が必要です。

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フレーム溝内を乾拭きする

フレーム固定中についた油分・切粉・ほこりを乾いた布で拭き取る。粘着力が低下するため、水拭きは避け乾燥させてから貼り付ける。

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テープの向き(発光面)を確認してから剥がす

COBテープは片面発光のため、発光面が拡散カバー側(開口部側)を向くよう確認してから粘着離型フィルムを剥がす。裏返しに貼ると光が壁面に当たって無駄になる。

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フレーム端から少しはみ出して貼り始める

テープの先端をフレーム端から2〜3mm出した状態で押し付け、そのまま奥に向かって引っ張りながら溝底面に均一に圧着する。途中で剥がして貼り直すと粘着力が大幅に低下するため、一度で貼る。

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指で全面を強く押さえる

貼り付け後、テープ全面を指で均一に押さえて密着させる。特に端部(切断端)は剥がれやすいため重点的に押さえる。COBテープは剛性があるため折れないよう注意。

7. エンドキャップの取り付け

エンドキャップはフレームの端面を保護し、内部への粉塵・水分の侵入を防ぎます。取り付けが甘いと隙間から光漏れが発生します。

エンドキャップの種類 用途 取り付け方法
閉鎖型(ブランクキャップ) ケーブルが出ない側(末端) フレーム端に差し込んで押し込む。緩い場合はシリコーン接着剤で固定。
ケーブル穴付き(1穴・2穴) ケーブルが出る側(電源側) 穴にケーブルを通してからフレームに差し込む。ケーブルは穴径より細いもの(Φ3〜5mm対応が多い)を使用。
コーナー用エンドキャップ L字接続なしのコーナー処理 フレームをフラットに終わらせたい場合の端末処理。45度マイター不要。

エンドキャップの固定手順

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ケーブルをエンドキャップの穴に通す(電源側)

LEDテープから出るケーブルをエンドキャップの穴に先に通しておく。フレームにテープを貼った後では通しにくくなるため、この順番を守る。

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エンドキャップをフレームの溝に合わせて差し込む

エンドキャップの突起(ツメ)をフレームの溝レールに合わせ、まっすぐ押し込む。斜めに押すとツメが折れる。入りにくい場合は「ゴム製ハンマーで軽く叩く」または「指の腹で均等に押す」。

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シリコーン接着剤で固定(緩い場合)

エンドキャップがガタつく場合は中性シリコーン接着剤をエンドキャップの側面に薄く塗布してから差し込む。接着剤が乾燥する前に位置を修正し、24時間後に拡散カバーを挿入する。

よくある失敗:エンドキャップを先に付けてからテープを貼る

エンドキャップを先に取り付けてしまうと、テープをフレーム端まで正確に貼り込めず、端部に光量差(暗い部分)が生じます。必ず「フレーム固定→テープ貼り付け→エンドキャップ取り付け→拡散カバー挿入」の順番を守ってください。

8. 拡散カバーの挿入と点灯確認

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拡散カバーをフレームの溝に差し込む

拡散カバー(乳白色または透明の樹脂パネル)をフレームの開口部に合わせ、端からスライドして挿入する。無理に押し込むとカバーが白化(応力白化)するため、抵抗があったら止める。

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カバーの長さをフレームに合わせてカット

拡散カバーはプラスチック用ノコギリまたはカッターナイフで切断できる。カット面はヤスリで軽く整えると挿入がスムーズになる。カバーは通常フレームより5〜10mm長い状態でカットする(エンドキャップに乗り上げないよう)。

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点灯して輝度ムラ・光漏れを確認

電源を入れて全体を点灯する。以下を目視確認:①コーナー継ぎ目からの光漏れ②エンドキャップからの光漏れ③テープ貼り付け不良による暗点(ドット見え)④フレーム浮きによるカバーのたわみ。問題がなければ施工完了。

ドット見え(ホットスポット)が気になる場合

点灯時にLEDのドット(粒)が見える場合は、拡散カバーの透過率が高すぎる可能性があります。乳白色カバー(光透過率40〜60%)に交換するか、フレームとカバーの間に追加の拡散フィルムを挟む方法があります。COBテープはSMDに比べてドット見えが少ない構造ですが、フレームとテープの距離が近すぎる(テープ貼り付け面とカバー開口の距離が10mm未満)場合は完全に隠れないことがあります。

9. 施工前チェックリスト

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