LEDテープの仕上がりは、貼る前の採寸と割付でほぼ決まります。実測したミリ単位の寸法をそのまま使おうとすると、テープはカットマークの位置でしか切れないため寸法が合わず、継ぎ目が増えたり末端が余ったりします。さらに割付を電源・給電位置と切り離して考えると、施工後に「末端だけ暗い(電圧降下)」が起きます。本記事では、採寸 → 割付(カット位置の確定) → 必要数量(リール本数)の計算 → 電源・給電計画という段取りを、現場の拾い出し目線で手順化します。

先に結論: 割付の肝は(1)実測をカット単位で割り切れる長さに丸める(2)出隅・入隅・フレーム端の逃げ寸法を引いてから丸める(3)総延長にロス率(目安10%)を足してリール本数を切り上げる(4)1系統の連結長が最大連結長以内か・電源容量が足りるかを同時に確認するの4点です。

割付・採寸の全体手順

段取りの順番を間違えると拾い出しが二度手間になります。次の流れで進めます。

ステップやること確認・成果物
1. 実測施工面・什器・フレーム内寸を実測。図面寸法を鵜呑みにしない各区間の実寸(mm)
2. 逃げを引く出隅・入隅・エンドキャップ・配線取り出し分を控除有効長(mm)
3. カット割付有効長をカット単位で割り切れる長さ(コマ数)に丸める割付図(長さ・コマ数)
4. 数量計算総延長×(1+ロス率)÷リール長を切り上げリール本数
5. 電源・給電系統の連結長・合計W・給電位置・電源容量を確定電源台数・給電点・送り線ルート

カット位置の決め方 — カットマークで割り切る

LEDテープは基板上のカットマーク(ハサミ印)でしか切れません。カット単位はテープごとに異なるため、まず製品のカット単位を確認し、有効長をその単位で割り切れる長さに丸めます。

テープタイプカット単位の目安割付での扱い
SMD(一般)約2.5cm/5cm/10cm刻み5cm単位なら有効長を50mmの倍数に丸める
COB(高密度)製品により約1〜5cm刻み細かい刻みほど寸法を詰めやすい。製品表記を確認
高圧(AC/48V系)製品により長め(数十cm刻み)刻みが大きいので余裕を持った割付に

例: カット単位50mm・有効長1,180mmなら、1,150mm(23コマ)か1,200mm(24コマ)に丸めます。納まりを優先するなら短い側(1,150mm)、明るさの連続性を優先するなら長い側を選びます。カットの詳細はLEDテープのカット方法ガイド、切り間違いの復旧は誤カットの修理ガイドを参照してください。

カット単位 製品依存 2.5〜10cmなど。必ず実物・データシートで確認。
寸法の丸め コマ数で 割付図はmmだけでなくコマ数で記載するとミスが減る。
ロス率(目安) 約10% 端数・予備・損傷分。難現場は15%まで見込む。
フレーム控え 内寸−両端 エンドキャップ厚・配線取り出し分を引いてから丸める。

出隅・入隅・コーナーの逃げ寸法

連続して見せたい入隅・出隅では、テープを折り曲げず分割してコーナー部材やコーナーコネクタでつなぐのが基本です。割付では各面の有効長から角の逃げ(部材厚・最小曲げ半径分)を引いて丸めます。

  • 入隅(凹コーナー): 2面のテープ端を突き合わせず、わずかに離してコーナーコネクタで渡す。
  • 出隅(凸コーナー): 角でテープが浮かないよう面ごとに割り、角はコーナー部材で処理。
  • 曲面・R: 最小曲げ半径を守る。守れないRはサイドビュー(横曲げ)テープや分割で対応。

コーナー処理はコーナー施工ガイド、曲げの限界は曲げ半径ガイド、アルミフレームへの納まりはアルミフレーム取付ガイドを参照してください。

必要数量(リール本数)の計算

割付で各区間の有効長(丸め後)を確定したら、合計してロス率を上乗せし、リール長で割って切り上げます。

項目計算式・考え方計算例
総延長各区間の有効長を合計3.2+3.2+4.0+8.2 = 18.6m
ロス見込み総延長×(1+ロス率)18.6×1.1 = 20.46m
リール本数ロス込み延長÷リール長 を切り上げ20.46÷5 = 4.09 → 5本
連結長の確認1系統の連結長が最大連結長以内か8.2mが片側給電上限超なら両側給電/分割

ワンポイント: リール本数(在庫量)と「1本につなげる長さ(最大連結長)」は別物です。本数が足りても、1系統を長くつなぎ過ぎると電圧降下で末端が暗くなります。発注数量の考え方はリール長さ・数量ガイド、連結の限界は最大接続長ガイドを参照してください。

電源容量・給電位置を割付と同時に決める

割付で長さが固まったら、各系統の合計W給電方式を確定します。これを後回しにすると配線の拾い出しが二度手間になります。

  1. 系統の合計Wを算出: W/m × 系統長(例: 14W/m × 8.2m ≒ 115W)。
  2. 電源容量を決定: 合計W × 1.2以上(電源容量ガイド)。
  3. 連結長を確認: 片側給電の上限を超えるなら両側給電・中央給電・複数電源に分割。
  4. 末端の電圧降下対策: 長尺はパワーインジェクション電圧降下対策を割付に織り込む。
  5. 給電位置・電源置き場: 送り線最短かつ点検しやすい位置に。割付図に給電点・電源・ルートを記入。

割付でやりがちな失敗と対策

失敗原因対策
寸法どおりに切れず継ぎ目が増えたカット単位を無視して実測で割付有効長をカット単位(コマ数)で丸めてから発注・施工
テープが足りなくなったロス率・予備を見ていない総延長に10%前後を上乗せして本数を切り上げ
末端が暗い1系統を最大連結長超でつないだ連結長を上限内に。両側/中央給電・電源分割
フレームに納まらない内寸・エンドキャップ厚を控えていない内寸から両端の逃げを引いてから丸める
色や明るさが面でばらつく異なるリール/ロットを混在同一面は同ロットでそろえる(色ばらつき対策)

割付・採寸チェックリスト

  • 図面寸法ではなく現場を実測した
  • 出隅・入隅・エンドキャップ・配線取り出しの逃げを控除した
  • 有効長を製品のカット単位(コマ数)で割り切れる長さに丸めた
  • 総延長にロス率(目安10%)を上乗せしてリール本数を切り上げた
  • 1系統の連結長が最大連結長以内に収まっている
  • 各系統の合計Wから電源容量(合計W×1.2以上)を決めた
  • 割付図に長さ・コマ数・給電点・電源位置・送り線ルートを記入した
  • 同一面のテープは同ロットでそろえる手配にした

よくある質問

採寸した寸法どおりにLEDテープを切れないのはなぜですか?
LEDテープは任意の位置では切れず、基板上の「カットマーク(ハサミ印)」の位置でしか切断できないためです。カットの単位はテープによって異なり、SMDタイプは概ね2.5cm・5cm・10cm刻み、高密度のCOBタイプは数cm刻み(例:約2.5cmや約5cm、製品により1cm前後の細かいものもある)です。そのため割付では、実測寸法をそのまま使うのではなく「カット単位で割り切れる長さに丸める」必要があります。例えばカット単位5cmで実測1,180mmなら、1,150mm(23コマ)か1,200mm(24コマ)に丸めます。器具やアルミフレームに納める場合は、フレームの内寸とエンドキャップの厚みも引いてから丸めます。発注前に必ず製品のカット単位を確認し、割付図にコマ数で記載しておくと現場でのカットミスを防げます。
必要なLEDテープのリール本数はどう計算しますか?
まず各施工箇所の有効長(カット単位で丸めた長さ)を合計して総延長を出します。次に総延長にロス率を上乗せします。ロス率はカットの端数ロス・予備・施工中の損傷を見込んで概ね10%前後(現場の難易度で5〜15%)が目安です。最後に「総延長×(1+ロス率)÷1本あたりのリール長(例:5m)」を切り上げて本数にします。例えば総延長18.6m・ロス率10%なら18.6×1.1=20.46m、5mリールなら20.46÷5=4.09→繰り上げで5本です。ただしテープは連続して1本に長くつなげられる長さ(最大連結長)に上限があるため、本数とは別に「1系統あたりの連結長が上限内か」も確認します。上限を超える場合は電源を分けるか、両側給電・中央給電・パワーインジェクションで対応します。
割付のときに電源と給電位置も一緒に考える必要がありますか?
あります。割付(長さの配置)と給電計画はセットで考えないと、施工後に末端が暗い(電圧降下)などの不具合が出ます。手順としては、(1)各系統の長さを割付で確定し、(2)その長さがテープの最大連結長(片側給電の限界)以内かを確認し、(3)超える場合は両側給電・中央給電・複数電源に分け、(4)各系統の合計W(W/m×長さ)から電源容量(合計W×1.2以上)を決めます。給電位置は電源からテープまでの送り線が最短になる位置、かつ点検しやすい場所(点検口・什器裏)に置くのが基本です。割付図には長さ・コマ数だけでなく、給電点・電源位置・送り線ルートも一緒に書き込んでおくと、配線数量の拾い出しと施工指示が一度で済みます。

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