この施工事例のポイント
- 客席・厨房にRa95 COBテープを採用
- 5000K昼白色でネタの鮮度感を最大化
- 回転レーン上部に均一照度設計
- 個室は3000K温白色で落ち着いた雰囲気
- 蛍光灯比44%消費電力削減達成
- 電気代削減15万円+保守費削減7万円/年
- 施工費60万円・投資回収期間2.7年
- グレアレス設計でネタの反射を防止
「マグロが黒ずんで見える」「エビが鮮やかじゃない」——Ra70の蛍光灯が鮮魚の色を殺していた回転寿司店。Ra95高演色COBテープLEDで食材の鮮度感を取り戻し、グレアレス設計とゾーン別色温度設計で客席の居心地も同時に改善した320㎡の施工記録です。
店長の声
"以前の蛍光灯ではマグロが暗くくすんで見えて、お客様から『鮮度が悪そう』と言われたこともありました。Ra95に変えてからネタが生き生きと見えるようになり、SNSでの写真映りも良くなったと喜んでいただいています。"
よくある失敗例:寿司店の照明選択ミス
- Ra70以下の廉価LED → マグロ・サーモンの赤・オレンジが死んで食欲を削ぐ
- 色温度の統一 → 客席と厨房・個室の雰囲気が同じになり立体感がない
- グレア対策なし → 回転レーンへの映り込みで食材の見え方が悪化
施設概要と照明課題
今回の導入先は東京近郊の郊外型ショッピングモールに入居する回転寿司チェーン店です。客席100席・カウンター30席・個室2部屋を持つ320㎡の店舗に、旧来のHf蛍光灯をCOBテープLEDへ全面刷新しました。
寿司店において照明が果たす役割は食材の「色の正確な再現」に集約されます。マグロの赤・サーモンのオレンジ・白身魚の白・エビのピンク——これらの色は照明の演色性(Ra値)によって大きく変わります。Ra70以下の蛍光灯では血色感が失われ「くすんで見える」という問題が頻発していました。さらに回転レーン上部のスポットライトが強すぎてテーブル側が暗くなる「明暗ムラ」も常連客から指摘を受けていました。
4ゾーン照明設計の詳細
Zone A ― 回転レーン・客席カウンター
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone A 使用製品 | COBテープLED 10W/m(Ra95/5000K) |
| 施工延長 | 120m(レーン上部直接照射+天井廻り縁間接照明の2層設計) |
| 消費電力 | 1,200W |
| 照度設計 | 300〜500lx(ネタ面均一・テーブル面300lx確保) |
| 演色性・色温度 | Ra95 / 5000K(昼白色・鮮魚の色彩を自然光に近い状態で再現) |
| 制御 | 調光対応(ランチ100%・ディナー80%・閉店前60%の3段階) |
| 特記事項 | グレアレス拡散カバー使用(ネタ面の光沢反射・ハレーションを防止) |
Zone B ― 厨房・仕込みエリア
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone B 使用製品 | COBテープLED 10W/m(Ra95/5000K)防水IP65仕様 |
| 施工延長 | 80m(作業台上部直接照射+冷蔵ショーケース内間接照明) |
| 消費電力 | 800W |
| 照度設計 | 500〜700lx(仕込み・盛り付け・衛生確認対応) |
| 演色性・色温度 | Ra95 / 5000K(鮮度・変色確認・HACCP的視認性確保) |
| 制御 | タイムスケジュール制御(開店1時間前〜閉店後の清掃終了まで) |
| 特記事項 | IP65防水・清掃時の水洗い対応。不要熱源削減で厨房温度管理にも貢献 |
Zone C ― 個室・接待・落ち着きエリア
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone C 使用製品 | COBテープLED 8W/m(Ra85/3000K) |
| 施工延長 | 60m(天井廻り縁+座卓面間接照明) |
| 消費電力 | 480W |
| 照度設計 | 150〜300lx(落ち着いた食事環境・特別感の演出) |
| 演色性・色温度 | Ra85 / 3000K(電球色・料理をより温かみのある色調で演出) |
| 制御 | 調光対応(来客時70%・食事中50%のホスピタリティ制御) |
| 特記事項 | 壁面和紙クロスへの間接照射でテクスチャーを際立たせる設計 |
Zone D ― バックヤード・廊下・トイレ(PIR連動)
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| Zone D 使用製品 | COBテープLED 8W/m(Ra80/4000K)+PIRセンサー |
| 施工延長 | 60m |
| 実効消費電力 | 144W(非通行時24%ディム・平均稼働30%換算) |
| 照度設計 | 150〜300lx(作業・通行・清掃対応) |
| 演色性・色温度 | Ra80 / 4000K(バックヤード標準) |
| 制御 | PIRセンサー連動(人感検知→全灯・非検知→最低照度維持) |
| 特記事項 | 冷蔵庫・製氷機周辺の低温エリアにも対応した耐低温仕様 |
省エネ・コスト削減の実績
(Hf蛍光灯比)
(電気代15万+保守費7万)
(施工費60万円)
旧設備のHf蛍光灯総消費電力4,540Wに対し、COBテープLED化後は2,624W(Zone A 1,200W+Zone B 800W+Zone C 480W+Zone D 144W)に削減。ランチ・ディナーの調光制御とバックヤードのPIRセンサー制御により、実運用での削減率はさらに高まっています。
照明が原因の厨房温度上昇も改善。Hf蛍光灯は発熱量が大きく、夏季の厨房冷房負荷を増やす要因でしたが、COBテープLEDへの置換で発熱量が約60%減少し空調費の二次削減にも貢献しました。
寿司店の照明品質チェック比較表
| チェック項目 | 旧設備(Hf蛍光灯) | COBテープLED Ra95(今回) |
|---|---|---|
| マグロ・サーモンの色再現 | Ra70〜75(くすみ・血色感の低下) | Ra95(自然光に近い色彩再現) |
| 白身魚・イカの透明感 | 蛍光色が強く不自然に見える | 5000Kで透明感・鮮度感を強調 |
| レーン面の照度均一性 | スポット中心部500lx・外周100lxの明暗ムラ | 300〜500lx均一・拡散カバーで均質化 |
| ネタ面のハレーション・光沢反射 | スポット光源でネタ面に白飛び発生 | グレアレス拡散カバーで光沢反射を制御 |
| 個室の雰囲気演出 | 蛍光灯のみ・調光不可 | 3000K調光対応・温かみのある空間 |
| 厨房の衛生確認視認性 | Ra75程度・汚れの色判別困難 | Ra95/5000Kで汚染・変色の早期発見 |
| 年間電気代(照明分) | 約38万円/年 | 約23万円/年(▲15万円) |
| ランプ交換頻度・コスト | 約1年毎交換(足場作業含む) | 5〜7年以上(交換コスト大幅減) |
寿司店ならではの施工ポイント
Ra95と5000Kの組み合わせ設計
寿司ネタの色再現において演色性(Ra)と色温度(K)は両方が重要です。Ra95は「色のズレがほぼ発生しない」水準ですが、色温度が低い(3000K以下)と赤みが強調されすぎてマグロが「熟れすぎた色」に見える問題が生じます。5000Kとの組み合わせにより、鮮度のある「明るく澄んだ赤」を実現しました。
回転レーン上部の拡散設計
回転寿司の皿(特にドーム付き透明カバー)は光の反射板として機能するため、スポット光源を使うとネタ面に強い反射光が入ります。COBテープ+半透明拡散カバーにより面状の均一光源を実現し、ネタ面への直接反射を回避。客が「皿を取り出す→ネタを確認する」動線上で常にネタが美しく見える設計としました。
厨房の防水・清潔対策
厨房では調理・清掃時に水・油・蒸気が飛散します。COBテープIP65仕様を採用し、端末防水処理・コネクタ屋内防水タイプを使用することで日常的な水洗い清掃に対応。蛍光灯器具の「内部に虫や油が入る」問題もテープ設置による密閉構造で解消しました。
2027年問題:寿司店・飲食店の蛍光灯が使えなくなります
- 2027年末:水銀灯・蛍光灯の製造・輸出入が水俣条約で全面禁止
- 厨房・カウンターの蛍光管が入手不可になると食品衛生・営業継続に影響
- 競合店が先行LED化 → 食材の鮮度感・店内の明るさで差がつく
- 今から計画すれば:閉店後の深夜施工・店舗改装タイミングとの合わせ込みで費用最小化が可能
よくある質問
Q. 寿司カウンターに最適な色温度・演色性は?
A. カウンターは4000〜5000K・Ra95以上を推奨します。高色温度で白身・赤身の色差が際立ち、Ra95で自然光に近い色再現が可能になります。個室・リラックスゾーンは3000K温白色で使い分けると効果的です。
Q. 回転レーンの照明設計で注意すべき点は?
A. 回転レーン上部はグレア(まぶしさ)対策が最重要です。皿面への直接照射を避け、拡散タイプのカバーまたはアルミチャンネルの角度調整でグレアをコントロールします。均一照度を確保するため、レーン全長に沿ったライン照明設計を推奨します。
Q. 2027年の蛍光灯規制は寿司店・飲食店にも影響しますか?
A. はい。厨房・カウンターで使用されている蛍光灯ランプは2027年末に製造・輸出入が禁止されます。食品衛生・営業継続の観点からも、早めの計画的LED化をお勧めします。
寿司店・飲食店のLED照明を探していますか?
LED PRO SHOPでは業種別の最適なLED照明製品を取り揃えています。色温度・演色性・防水規格ごとに絞り込んで、施設に合った製品をお選びください。
LED製品一覧を見る →