施工事例 B-74

駐車場・立体駐車場 LED照明施工事例
地下駐車場・車路・精算機エリア 4ゾーン対応
65%省エネ・年間110万円削減・回収2.0年

地下立体駐車場 延床2,000㎡ / COB LEDテープ全館導入 / IP65防水・PIR人感センサー・HID水銀灯再点灯問題解消

65%電力削減率
110万年間コスト削減
2.0年投資回収期間
即時点灯再点灯遅延ゼロ

施工概要

都市部の商業施設附帯地下立体駐車場(500台規模・延床2,000㎡)において、駐車スペース/車路・通路/精算機・入出口エリア/階段・エレベーターホールの4ゾーンを対象に、COB LEDテープへの全面リニューアルを実施しました。 24時間365日稼働する地下駐車場では照明電力が施設全体の消費電力の大きな割合を占めます。老朽化したHID水銀灯の再点灯遅延(消灯後10〜15分間の再点灯不可)は安全上の問題になっており、LED化とPIR人感センサー全ゾーン導入によって、安全性と省エネを同時に実現しました。

ゾーンエリア旧照明COB LED仕様節電効果
Zone A 駐車スペース(地下1・2F) Hf蛍光灯FHF45W×80本
3,600W
5000K / IP65 / 200m
2,000W / PIR30%待機
最大65%削減
Zone B 車路・進入通路 HID水銀灯250W×8灯
2,000W
5000K / IP65 / 150m
1,500W / PIR30%待機
最大60%削減
Zone C 精算機・入出口 蛍光灯40W×16本
640W
5000K / IP44 / 50m
500W / 常時点灯
22%削減
Zone D 階段・EVホール 蛍光灯40W×16本
640W
4000K / IP44 / 50m
500W / PIR20%待機
最大68%削減

施工面積: 2,000㎡ / COB総延長: 450m / 施工費用: 220万円 / 工期: 5日間(深夜施工・24時間閉鎖なし)

導入前の課題

Zone B|HID水銀灯の再点灯遅延問題

車路に使用されていたHID水銀灯(250W)は一度消灯すると、高圧水銀の内圧が冷えるまでの10〜15分間再点灯できない仕様です。深夜帯に節電目的で一部消灯する運用を試みたところ、再点灯できない状態での入場車両が発生し、安全上の問題として管理会社から指摘を受けていました。このため深夜も全灯点灯を余儀なくされ、電力コスト削減の手が打てない状態が続いていました。

COB LEDは電源ON後0.1秒以内に100%点灯する即時点灯特性を持ち、PIRセンサー連動での「検知→即時全点灯→無人時30%待機」サイクルが安全かつ効率的に実現できます。

Zone A|Hf蛍光灯の結露・湿度による点灯不良

地下駐車場は季節によって壁面・天井への結露が発生しやすい環境です。防水仕様でないHf蛍光灯(IP20)への水分侵入による点灯不良が年に数回発生し、そのたびに安全確認と球交換作業が必要でした。作業者が高所に上る必要があり、駐車スペースの一時閉鎖を伴うため利用者への影響も大きな問題でした。

全ゾーン|24時間全灯点灯によるコスト固定化

駐車場は深夜でも入出庫が発生するため全灯維持が基本です。旧照明設備はPIR調光機能を持たないため、入庫ゼロの深夜3〜5時でも全ての照明が100%点灯を続けており、電力コスト削減の余地がありませんでした。年間電力消費に占める深夜帯(0時〜6時)の割合は約25%で、これを30%待機に抑えるだけで全体の約17%の節電が見込まれます。

ゾーン別 LED設計と解決策

Zone A|駐車スペース ── 5000K / IP65 / PIR30%待機 / 200m

  • IP65防水: 結露・高圧洗浄水(床洗浄)への耐性を確保。防水電源ユニットと組み合わせて全天候対応
  • 色温度 5000K: 駐車スペース番号・区画ラインの視認性向上。防犯カメラの映像品質も改善
  • PIR人感センサー: 車・歩行者の検知で100%点灯(200lx)、3分間無検知で30%待機(60lx)に自動降圧
  • 消費電力: 3,600W → 2,000W(基本44%削減)+PIR効果で実質最大65%削減
  • 即時点灯: 0.1秒以内に100%点灯。PIR検知→車両進入の間に暗転時間ゼロ

Zone B|車路・進入通路 ── 5000K / IP65 / PIR30%待機 / 150m

  • HID水銀灯置き換え: 再点灯遅延(10〜15分)問題を完全解消。消灯・点灯を自由にコントロール可能に
  • PIR連動調光: 車両進入検知で100%点灯、無車時は30%待機。深夜入庫がある場合も検知エリアのみ点灯
  • 消費電力: 2,000W → 1,500W(基本25%削減)+PIR深夜効果で実質60%削減
  • 照度均一性: COBテープの線状発光により車路全体に均一な照度を実現。HID特有の点光源輝度ムラがゼロに

Zone C|精算機・入出口 ── 5000K / IP44 / 常時点灯 / 50m

  • 常時点灯設計: 精算機操作・出口ゲート制御・防犯カメラ撮影のため常時500lx確保
  • IP44: 入出口シャッター付近の風雨対策。天井面への設置でも水分侵入を防止
  • 消費電力: 640W → 500W(22%削減)。24h稼働のため年間節電寄与は大きい
  • 演色性Ra85: 領収書・駐車券の文字の見やすさと防犯カメラ映像の色再現性を両立

Zone D|階段・EVホール ── 4000K / IP44 / PIR20%待機 / 50m

  • 色温度 4000K: 階段の段差・手すりの視認性を確保しながら圧迫感を軽減する中間白色
  • PIR20%待機: 無人時も消防法上の最低照度(階段15lx以上)を維持しながら節電
  • 消費電力: 640W → 500W(基本22%削減)+PIR20%待機効果で最大68%削減
  • 誘導灯との連携: 非常用照明・誘導灯の独立電源系統と分離した設置設計で法規準拠を維持

導入前後のコスト比較

BEFORE(旧照明)
170万円
年間電気代(照明分)
AFTER(COB LED)
60万円
年間電気代(照明分)
年間 110万円削減
電力削減率 65%(PIR待機効果含む)/ HID球交換・蛍光灯交換コスト年間15万円削減を含めると実質 125万円削減
投資回収シミュレーション
  • 初期投資(施工費): 220万円
  • 年間電力削減額: 110万円
  • 年間メンテナンス削減額: 15万円(HID球・蛍光管交換・業者呼出費)
  • 年間総削減額: 125万円
  • 投資回収期間: 220万円 ÷ 110万円 = 2.0年(電力削減分のみ)
  • メンテナンス削減含む実質回収: 220万円 ÷ 125万円 = 1.76年
  • 10年間累積削減額: 1,250万円(投資回収後の純利益 1,030万円)

駐車場照明でIP65が必要な理由

地下駐車場の過酷な設置環境

地下駐車場は照明機器にとって過酷な環境です。冬季・梅雨期の結露による天井・壁面への水分付着、高圧洗浄機(100〜150bar)を使用した床洗浄時の水飛散、排気ガスに含まれる油分・煤煙の付着、低温(冬季地下では5〜10℃)による熱収縮ストレス──これらが複合的に照明機器を劣化させます。

IP65(防塵完全保護・あらゆる方向からの水流に対する保護)対応のCOB LEDテープは、専用防水アルミチャンネル(シリコン封入)と組み合わせることで、高圧洗浄水の直接噴射以外のあらゆる水分侵入を遮断します。高圧洗浄エリアにはIP67グレードの防水コネクタを採用して二重保護を実施しました。

消防法・建築基準法上の注意事項

非常用照明(建築基準法施行令第126条の5:床面で2ルクス以上確保が必須)と誘導灯(消防法)は独立した電源系統での設置が義務付けられており、通常照明のLED化工事とは分離して設計・施工する必要があります。本施工ではPIRセンサー連動の通常照明と、独立バッテリー付き非常用照明を電気回路レベルで完全分離し、停電時の安全基準を維持しています。

本施工に使用したCOB LEDテープ(IP65対応)

防水IP65・24V DC駆動・PIR調光コントローラ対応。地下駐車場・屋外施設の過酷環境での長期実績あり。

IP65対応 COB LEDテープを見る

よくある質問

HID水銀灯からCOB LEDへの直接交換はできますか?
既存のHID器具はそのままでは使用できません。COB LEDテープを使用する場合は天井・壁面へのアルミチャンネル直付け工事となるため、既存HID器具の撤去と合わせて新規配線で設置します。HID安定器が残った状態での流用は電気的に不可能です。本施工では既存器具の撤去・廃棄・処分費用を施工費220万円に含んでいます。
PIRセンサーは車の通過に反応しますか?
PIR(パッシブ赤外線)センサーは熱体(人・エンジン熱のある車両)の移動を検知します。駐車場では「車両と人のいずれかを検知→100%点灯」で設計するのが基本です。車路では走行中の車両のエンジン熱を確実に検知できます。センサー範囲・感度を施工時に調整し、駐車場の動線パターンに合わせた最適設定を行います。
施工中は駐車場を閉鎖する必要がありますか?
深夜施工(0時〜6時)を採用することで、日中の営業時間帯は通常通り利用できます。ゾーン単位で順次施工するため、施工中のゾーンのみ一時的に閉鎖(コーンによる区画規制)し、他エリアは通常利用を維持します。本施工では5日間×夜間6時間の施工で全ゾーンを完了しました。
防犯カメラの映像品質への影響はありますか?
5000K高照度LEDへの切り替えにより、防犯カメラの映像品質が向上するケースがほとんどです。COBテープの面発光は影のない均一な光環境を作るため、車のナンバープレートや人物の映像が鮮明になります。またLEDは赤外線カメラとの相性も良く、IR感度の高いカメラでの映像品質向上も報告されています。

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