施工事例 B-73

ホテル・ビジネスホテル LED照明施工事例
ロビー・廊下・レストラン 4ゾーン対応
62%省エネ・年間150万円削減・回収2.1年

延床面積1,500㎡ ビジネスホテル/COB LEDテープ全館導入/Ra90高演色・PWM調光・PIR人感センサー

62%電力削減率
150万年間コスト削減
2.1年投資回収期間
0件球切れ(12ヶ月)

施工概要

関東近郊の80室規模ビジネスホテル(延床1,500㎡)において、ロビー・フロント/客室廊下・エレベーターホール/レストラン・朝食会場/バックヤード・スタッフルームの4ゾーンを対象に、COB LEDテープへの全面リニューアルを実施しました。 白熱ダウンライトやHf蛍光灯を中心とした旧照明設備が抱える「電力コストの高止まり」「頻繁な球切れ対応コスト」「ゲスト満足度に直結するロビー・レストランの演色品質不足」という3つの課題を、ゾーン別最適設計で一括解消しました。

ゾーン エリア 旧照明 COB LED仕様 節電効果
Zone A ロビー・フロント 白熱ダウン50W×60灯
3,000W
3000K / Ra90 / 150m
1,500W / PWM300〜500lx
50%削減
Zone B 客室廊下・EV ホール Hf蛍光灯20W×120本
2,400W
2700K / Ra85 / 200m
2,000W / PIR深夜30%待機
最大57%削減
Zone C レストラン・朝食会場 白熱ダウン60W×80灯
4,800W
2700K / 5000K切替 / Ra90
200m / 2,000W / PWM調光
58%削減
Zone D バックヤード・スタッフルーム 蛍光灯32W×50本
1,600W
4000K / Ra85 / 80m
800W / PIR待機20%
最大75%削減

施工面積: 1,500㎡ / COB総延長: 630m / 施工費用: 315万円 / 工期: 8日間(客室稼働維持・深夜施工)

導入前の課題

Zone A|ロビー・フロント ── 白熱ダウンライトの電力コストと演色品質

開業から15年が経過し、ロビー・フロントには白熱ダウンライト(50W)60灯が使用されていました。24時間365日稼働するロビーは電力消費量が大きく、年間電気代の主要因となっていました。また白熱球の寿命は約1,000〜2,000時間と短く、月平均3〜5灯の球切れが発生し、フロントスタッフが脚立作業を行う非効率な状態が続いていました。

演色性Ra100の白熱光は色再現性には優れていましたが、黄色味が強く色温度が低い(2,700K未満)ため、フロントデスクの書類確認や顔認証端末の読み取り精度にも影響が出るケースがありました。

Zone B|客室廊下・EVホール ── 深夜の無駄な全点灯

客室廊下(各フロア)とエレベーターホールには、Hf蛍光灯20W管が120本設置されていました。深夜0〜6時のチェックイン・チェックアウトがほとんどない時間帯でも廊下を全点灯維持していたため、電力を無駄に消費していました。廊下照明は保安上常時点灯が必要ですが、「人が通るときだけ100%、通過後は30%程度に待機する」PIR連動調光が実現できていませんでした。

Zone C|レストラン・朝食会場 ── 色温度固定による演出の限界

80席規模のレストランは朝食(7:00〜10:00)と夕食(18:00〜21:00)の2部制営業。朝食時は明るく活気のある雰囲気、夕食時は落ち着いた上質な空間演出が求められますが、白熱ダウンライト60W固定では色温度の切り替えができず、どの時間帯も同一光環境での提供を余儀なくされていました。食材の発色(鮮魚・サラダ・肉料理)を引き立てる高演色照明への要望も現場スタッフから上がっていました。

Zone D|バックヤード・スタッフルーム ── 点灯しっぱなしの消耗品コスト

ハウスキーピング室・リネン室・スタッフ休憩室・厨房裏通路など、バックヤードは複数の小空間に分断されています。蛍光灯32W×50本が設置されていましたが、スタッフが離れても常時点灯されており、無駄な電力消費が続いていました。また4,000時間程度で球切れする蛍光灯の交換が年2〜3回発生し、業務委託費が累積していました。

ゾーン別 LED設計と解決策

Zone A|ロビー・フロント ── 3000K / Ra90 / PWM調光 / 150m

  • 色温度 3000K: 白熱灯に近い温白色を維持しながら、フロントデスク周辺のみ個別PWMで500lxまで昇圧可能
  • Ra90高演色: 顧客の肌色・服装・荷物を自然な色で照らし、チェックイン体験の質を向上。顔認証端末の読み取り精度も改善
  • PWM調光(300〜500lx): チェックイン混雑時は500lx全力点灯、深夜帯は300lxに自動降圧しコスト削減
  • 消費電力: 3,000W → 1,500W(50%削減)。24h稼働ゾーンのため年間累積節電効果が最大
  • 寿命50,000h: 従来の白熱球交換(月3〜5灯)が完全ゼロに。スタッフ作業負担を排除

Zone B|客室廊下・EVホール ── 2700K / Ra85 / PIR深夜30%待機 / 200m

  • 色温度 2700K: 就寝前後の廊下通過時に目に優しい電球色。深夜の移動でゲストが覚醒しにくい光環境を実現
  • PIR人感センサー連動: 深夜0〜6時は30%待機点灯(30lx確保)、ゲスト通過時のみ2秒で100%(150lx)に自動昇圧・通過後3分で30%復帰
  • 消費電力: 2,400W → 2,000W(基本削減17%)+PIR深夜待機効果で実質最大57%削減
  • 安全基準: 廊下最低照度30lx以上を深夜待機中も維持(消防法・ホテル旅館業設備基準準拠)
  • IP20: 屋内廊下のため標準IP20仕様を採用。コスト最適化と耐久性のバランスを確保

Zone C|レストラン・朝食会場 ── 2700K / 5000K切替 / Ra90 / PWM / 200m

  • 2系統色温度切替(2700K / 5000K): 朝食(7:00〜10:00)は5000K昼白色500lx「明るく快適な朝食空間」、夕食(18:00〜21:00)は2700K電球色200lx「落ち着いた上質なダイニング」を自動プリセット
  • Ra90高演色: 和洋バイキング料理の色彩を忠実に再現。鮮魚の鮮度感・サラダの緑の鮮やかさ・デザートの色彩が向上し、料理の見た目満足度が改善
  • PWM調光(100〜500lx): 閉店後の清掃時は500lx全点灯、営業時は用途別に無段階調光
  • 消費電力: 4,800W → 2,000W(58%削減)。1日平均8時間稼働ゾーンで年間累積削減効果が大きい

Zone D|バックヤード・スタッフルーム ── 4000K / Ra85 / PIR20%待機 / 80m

  • 色温度 4000K: 作業効率を重視した中間白色。ハウスキーピング・リネン管理・厨房補助作業に適した視認性
  • PIR人感センサー: スタッフ不在時は20%待機(省エネモード)、入室時に即時100%点灯。スタッフが意識せずに自動省エネを実現
  • 消費電力: 1,600W → 800W(基本50%削減)+PIR効果で実質最大75%削減
  • 蛍光灯交換コストゼロ化: 年2〜3回の蛍光灯交換業務委託費(約12〜18万円/年)が完全撤廃

導入前後のコスト比較

BEFORE(旧照明)
238万円
年間電気代(照明分)
AFTER(COB LED)
88万円
年間電気代(照明分)
年間 150万円削減
電力削減率 62%(PIR待機効果含む)/ 球交換業務委託費 年間30万円削減を含めると実質 180万円削減
投資回収シミュレーション
  • 初期投資(施工費): 315万円
  • 年間電力削減額: 150万円
  • 年間メンテナンス削減額: 30万円(球交換業務委託費・電工呼出費)
  • 年間総削減額: 180万円
  • 投資回収期間: 315万円 ÷ 150万円 = 2.1年(電力削減分のみ)
  • メンテナンス削減含む実質回収: 315万円 ÷ 180万円 = 1.75年
  • 10年間累積削減額: 1,800万円(投資回収後の純利益 1,485万円)
球切れゼロの定量効果

導入12ヶ月で球切れ件数0件を達成。旧照明時代は月平均8〜12灯(白熱球・蛍光管合計)の交換が発生し、フロントスタッフが脚立作業を行う安全上のリスクと業務中断が常態化していました。

COB LEDテープの公称寿命50,000時間(24h稼働換算で約5.7年)により、次回の照明交換が必要になるまでの期間に渡り無交換運用を継続。業者呼出1回あたり約3万円の固定コストが年4〜6回発生していたメンテナンス費用が完全ゼロになりました。

ホテル照明設計の3つのポイント

1. ゾーンごとの色温度戦略

ホテルは「覚醒させる空間」と「リラックスさせる空間」が同一建物内に共存します。フロント・朝食会場では5000Kの昼白色で機能性と明るさを、廊下・ロビー夜間は2700〜3000Kの電球色でゲストの睡眠リズムを妨げない設計が必要です。

本施工では色温度を4種類(2700K / 3000K / 4000K / 5000K)使い分け、時間帯と用途に応じて最適な光環境を実現しました。

2. 24時間稼働前提の長寿命設計

ホテルは年中無休・24時間稼働が基本です。ロビーは年間8,760時間フル稼働するため、照明の年間電力消費量はオフィスの2.4倍以上になります。また「閉館して交換工事」が行えないホテル特有の事情から、長寿命・無交換の照明は経営上の大きなメリットをもたらします。

COB LEDテープは電球(1,000時間)・蛍光灯(4,000〜12,000時間)と比較して圧倒的な50,000時間寿命を実現。ロビーの24h運用で換算すると約5.7年間の無交換運用が可能です。

3. PIR調光でゲスト不在時の電力を自動カット

廊下・バックヤードはゲストやスタッフが常にいるわけではありません。PIR(パッシブ赤外線)人感センサーと調光コントローラを組み合わせることで、不在時は自動的に20〜30%の待機点灯に落とし、人の検出と同時に100%に復帰します。

ゲストが深夜廊下を通過する際の明るさは2秒以内に立ち上がり、保安灯としての機能を維持しながら無駄な電力消費を最大60%カットします。応答速度の遅い蛍光灯では実現が難しかったこの即応性が、COB LEDの大きな優位点です。

本施工に使用したCOB LEDテープ

Ra90高演色・フリッカーフリー・24V DC駆動。ホテル・商業施設の高稼働環境での長期信頼性を実証済みの業務用グレード。

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よくある質問

稼働中のホテルでも施工できますか?
可能です。本施工では客室稼働率を維持したまま8日間で完工しました。深夜0時〜5時の空き時間帯に区画ごとに分割施工し、翌朝チェックアウト前には照明復旧・通常運用できる工程管理を行っています。フロア単位・ゾーン単位で順次施工するため、全館停電は一切発生しません。
白熱灯の「温かみ」がなくなるのでは?
COB LEDテープは2700K〜3000Kの電球色ラインナップが豊富で、白熱灯に近い温かみのある光を再現できます。さらにPWM調光(0〜100%無段階)で明るさを落とすと人間の視覚特性により光が「より暖かく」感じられるため、ディナータイムや深夜ロビーで白熱灯を超える雰囲気演出も可能です。Ra90の演色性で色の再現性は白熱灯(Ra100)に迫るレベルを実現しています。
PIR人感センサーが誤作動してゲストを驚かせないか?
センサーの検知範囲・感度・点灯時間を施工時に細かく調整します。廊下では「検知範囲10m・感度中・点灯保持3分」に設定し、わずかな体動でも確実に検知します。また待機時30%(30lx)から100%(150lx)への変化はPWMランプアップ時間を2秒に設定しているため、突然の明るさ変化によるゲストの驚きを最小化しています。
レストランのビュッフェ料理の見た目は改善しますか?
Ra90以上の高演色照明は食材の色彩を忠実に再現するため、鮮魚の赤み・野菜の緑・パンの焼き色・デザートのカラーリングがいずれも鮮やかに見えます。従来の白熱球(Ra100ですが3,200K以下の橙がかった光)と比較して、Ra90の5000K朝食時照明は食材本来の色味をより正確に表現します。実際に本施工のホテルではレストランのゲストアンケートで「料理が美味しそうに見える」という回答が増加しています。
火災報知器・スプリンクラーへの影響はありますか?
COB LEDテープは白熱灯・ハロゲンと異なり発熱量が極めて少なく(ジャンクション温度管理済み)、照明起因の熱による火災報知器の誤作動リスクが大幅に低下します。スプリンクラーの位置や検知器との距離については施工計画段階で防火設備業者との事前調整を行い、消防法上の照明設備基準(旅館業法施行規則)に準拠した設置を実施しています。
COB LEDテープは調光器やスマートコントローラと連携できますか?
はい。当店のCOB LEDテープは0-10V調光、PWM調光(周波数1kHz以上)、DALI、Tuya Wi-Fi(スマートホームプロトコル)対応のコントローラと組み合わせが可能です。タイムスケジュール設定(朝食時間帯・営業時間・深夜モード)やシーン記憶機能を持つコントローラを選択することで、スタッフが毎日操作する手間なく自動運用が実現します。

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