仕様選定ガイド

屋内用と屋外用LEDテープの違いと選び方
防水・耐候・電源で判断する

IP20で足りる場所とIP65/67が必須の場所の境界、屋外で追加すべき紫外線・結露・塩害対策、電源を屋内に逃がす配線——現場で迷わない判断基準を施工業者向けに解説

公開: 2026-07-05 | カテゴリ: LEDテープ仕様選定ガイド

この記事の結論:屋内用(IP20・非防水)と屋外用(IP65〜67・防水)の差は防水等級だけではありません。屋外では紫外線・結露・塩害・高温が同時に効くため、被覆材質・カバー保護・電源の逃がし・コネクタ止水まで含めて選ぶ必要があります。迷ったら「外気に触れる場所は屋外用」を基本ルールにしてください。

屋内用と屋外用の違いを一枚で整理

LEDテープの「屋内用/屋外用」は、主に防水等級(IP)被覆(コーティング)材質電源とコネクタの防水性耐候性の4点で分かれます。屋内用は基板がむき出し(またはIP20程度)で放熱・コスト・施工性に優れ、屋外用はシリコンチューブや樹脂充填で水・粉塵の侵入を防ぎます。まず全体像を表で押さえます。

比較項目 屋内用(IP20〜44) 屋外用(IP65〜68)
防水・防塵 非防水・防滴程度 防噴流〜水没まで対応
被覆・構造 基板むき出し/薄コート シリコンチューブ・樹脂充填
紫外線・耐候 考慮なし(黄変しやすい) 耐候タイプを選べば長持ち
放熱性 良い(フレーム併用で最適) 被覆で熱がこもりやすい
コネクタ・電源 屋内用・非防水 防水コネクタ+防水ボックス
コスト・施工性 安い・切断/接続が容易 高い・止水処理の手間あり

IP等級で決める設置場所の境界

迷いがちな「どこまでが屋内でどこからが屋外か」を、水がかりのリスクで整理します。結露・水はね・雨がかりのどれに当たるかで必要なIP等級が変わります。防水等級の詳しい違いは IP防水等級ガイド も参照してください。

設置場所 水・湿気のリスク 推奨IP等級 判定
空調室内・什器内(乾燥) ほぼなし IP20(非防水) 屋内用OK
厨房・洗面・浴室まわり 水はね・蒸気・結露 IP65以上 防水必須
軒下・庇下(半屋外) 結露・吹き込み・朝露 IP65以上 屋外用推奨
外壁・看板(雨ざらし) 直接雨・紫外線 IP67以上+耐候 屋外用必須
地面近く・水没の恐れ 冠水・水たまり IP68 屋外用必須
よくある失敗:「軒下だから屋内用でいいと思ったら数ヶ月で基板が腐食した」

雨がかりしない半屋外でも、昼夜の温度差で結露が発生し、朝露や吹き込みの雨が基板に触れます。屋内用(非防水)は水分で銅箔が腐食して部分不点灯・変色を起こします。外気に触れる場所はIP65以上の屋外用を基本にしてください。

屋外で「IP等級以外」に必要な4つの対策

屋外用テープを選んでも、IP等級だけでは長持ちしません。屋外は水以外の劣化要因が同時に効くため、次の4点を追加で押さえます。

紫外線(UV)対策

直射日光は被覆の黄変・硬化・ひび割れを進める。耐候タイプの被覆を選び、日射面はカバーやアルミフレームで保護する。

結露対策

密閉部は昼夜の温度差で内部結露する。水抜き穴・呼吸孔のある防水ボックスを使い、端面の止水を確実にする。

塩害対策(海沿い)

塩分は端子・はんだ・コネクタを腐食させる。海沿いはコネクタを避け直はんだ+防水処理、金属部は耐食材を選ぶ。

高温・放熱対策

夏場の直射で被覆内部が高温になり寿命が縮む。W/mを抑え、電源は容量に余裕をもたせ、放熱面を確保する。

弱点はいつもコネクタと切断端:屋外で最初に水が入るのはコネクタ接続部と切断した端面です。防水チューブのエンドキャップ+シリコン充填で確実に止水し、可能なら海沿い・雨ざらしはコネクタを使わず直はんだ+熱収縮チューブで処理します。塩害地域の選定は 塩害対策ガイド も併読してください。

電源(PSU)とコネクタは屋内へ逃がす

電源の設置と2次側配線の考え方

基本:電源は屋内 or 軒内 or 防雨ボックスへ    (テープが防水でも電源は熱を持つ=密閉に弱い) 屋外へは「2次側(低電圧DC)」を防水ケーブルで引き回す 例)24V電源を屋内、テープまで屋外10m  → 2次側の電圧降下を計算し電線を太くする   (長距離は給電位置を分ける/両端給電も検討)

電源を屋外に置くと防水と放熱が両立しにくく、2次側の距離も伸びます。電源を屋外ボックスに入れる場合は屋外対応品を選び、直射日光を避け、容量に余裕(定格の70〜80%運用)をもたせます。屋外電源の収納は 屋外電源ボックスガイド、電圧降下は 電圧降下ガイド を参照してください。

選定の進め方(手順)

屋内用・屋外用の目安スペック

屋内用の目安

IP等級IP20〜44
放熱アルミフレーム推奨
電源屋内・非防水

半屋外の目安

IP等級IP65以上
端面止水必須
電源屋内へ逃がす

完全屋外の目安

IP等級IP67〜68
被覆耐候タイプ
コネクタ防水/直はんだ

選定チェックリスト

よくある質問

Q. 軒下や庇の下(雨がかりしない半屋外)は屋内用LEDテープで大丈夫ですか?
雨が直接かからない軒下・庇の下でも、屋内用(IP20など非防水)はおすすめしません。半屋外は昼夜の温度差で結露が発生し、朝露・吹き込みの雨・洗浄時の水はねが基板に触れる可能性があるためです。最低でもIP65相当の防湿・防滴タイプを選び、コネクタ部と切断端面はチューブやシリコンで確実に止水します。判断に迷ったら『外気に触れる場所は屋外用』を基本ルールにするのが安全です。屋内用が明確に使えるのは、空調が効いた室内で水・結露・粉塵のリスクがない場所に限られます。半屋外はIP65以上・完全屋外(雨ざらし・地面近く)はIP67以上を目安にしてください。
Q. 屋外用LEDテープは防水等級(IP)さえ合っていれば長持ちしますか?
IP等級は水と粉塵の侵入に対する保護レベルであり、屋外の耐久性はそれだけでは決まりません。屋外では紫外線による被覆(シリコン・樹脂)の黄変・硬化・ひび割れ、寒暖差による結露、海沿いの塩害、夏場の高温による寿命低下も同時に効いてきます。長持ちさせるには、耐候性のある被覆材のテープを選び、直射日光が当たる面はカバーやアルミフレームで保護し、コネクタ・電源は屋外対応の防水ボックスに納めます。IP等級は入口の条件で、そこに紫外線・温度・塩害の対策を足して初めて屋外で長く使えます。特にコネクタと切断端は最も水が入りやすい弱点なので、止水処理を丁寧に行ってください。
Q. 屋外設置でも電源(PSU)は屋外に置いてよいですか?
電源はできるだけ屋内や防水ボックス内に納めるのが基本です。LEDテープ本体が防水でも、電源は熱を持つため密閉すると寿命が縮み、防水と放熱が両立しにくい部材です。可能なら電源は屋内・軒内・点検できる防雨ボックス内に設置し、そこから防水ケーブルで屋外のテープへ2次側(低電圧側)を引き回します。電源を屋外の防水ボックスに入れる場合は、IP等級の高い屋外電源を選び、直射日光を避け、ボックス内の温度上昇を考えて容量に余裕(定格の70〜80%運用)をもたせます。電源を屋外に長い距離で置くと2次側の電圧降下も大きくなるため、電線を太くするか給電位置を工夫してください。

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