▲ オフィス照明でよくある法令・品質問題

1. オフィス照明の法定照度基準

日本では労働安全衛生規則 第604条により、作業の精密度に応じた最低照度が義務付けられています。また、JIS Z 9110(照明基準総則)ではより細かい推奨照度が設定されています。

作業区分 法定最低照度
(労働安全衛生規則)
JIS推奨照度
(Z 9110)
適切な光源
精密な作業(CAD・設計・精密検査) 300lx以上 500〜1000lx デスクライト併用推奨
普通の作業(一般事務・PC作業) 150lx以上 300〜750lx LEDパネル天井照明
粗な作業(廊下・倉庫・移動通路) 70lx以上 100〜200lx LEDベース照明
会議室 300〜750lx 調光対応LED推奨
受付・ロビー 200〜500lx デザイン性重視可
休憩室 100〜200lx 電球色3000Kでリラックス
lx(ルクス)の目安

300lxは一般的な晴れた曇り空の屋内相当の明るさです。500lxは明るいオフィスの標準値で、スマートフォンの照度計アプリでも計測できます。蛍光灯40W×2本の一般的なオフィス器具1台で、直下1mで約500〜800lxを得られます。

2. エリア別 推奨照度早見表

一般デスク
500〜750lx
PC作業・書類確認の標準
設計・CAD席
750〜1000lx
精密作業→デスクライト追加
会議室
300〜500lx
調光で演出変化も可
廊下・通路
100〜200lx
動線確保・安全優先
受付・ロビー
200〜500lx
来客印象→デザイン重視
休憩・リラックス
100〜200lx
電球色3000Kでリフレッシュ

3. オフィスに最適な色温度の選び方

色温度(K = ケルビン)はオフィスの生産性・集中力・視認性に直接影響します。業種や用途で最適な色温度が異なります。

色温度 色の特徴 向いているエリア 向かないエリア
2700K〜3000K 電球色(暖かみ・橙) 休憩室・カフェスペース・ロビー デスクワーク全般(眠気誘発)
3500K〜4000K 温白色(中間・自然白) 会議室・受付・打ち合わせスペース 長時間の精密作業には低い
4000K〜5000K 白色・昼白色(爽快感) 一般デスクワーク・集中作業スペース リラックス空間には不向き
5000K〜6500K 昼光色(青白い・覚醒) 精密検査・製造・医療補助 長時間デスク(眼精疲労の原因)
推奨: 一般オフィスは 4000K〜4500K

JIS Z 9110 の推奨色温度はオフィス作業に対して4000K前後です。昼間の自然光(屋外散乱光)に近い色温度で、長時間の作業でも目が疲れにくく集中力を維持しやすいとされています。朝の覚醒状態のシミュレーションには5000Kが有効で、タスクライティング(デスクの補助照明)に5000Kを使う設計も効果的です。

4. グレア(まぶしさ)対策 — UGR値の基準

UGR(Unified Glare Rating / 統一グレア評価値)は照明のまぶしさを数値化した国際規格です。数値が低いほど快適で、オフィスワーカーの眼精疲労防止に重要です。

UGR値 グレアレベル 用途 評価
UGR < 10 グレアなし 手術室・精密計測 最高水準
UGR < 16 ほぼ感知しない CAD・精密設計・美術 精密作業に最適
UGR < 19 わずかに感知 一般事務・オフィス標準 オフィス推奨ライン
UGR < 22 気になる 休憩室・廊下 長時間作業には不向き
UGR > 25 不快 作業空間には不適

グレア対策の実践方法

5. LED照明 省エネ試算

蛍光灯からLEDへの切り替えによる電気代削減試算です。

規模 現状
(蛍光灯40W×2本器具)
LED換装後 年間削減額
(10h/日・250日)
投資回収
(器具1万円換算)
小規模(器具20台) 80W×20台=1,600W 35W×20台=700W 約60,750円削減 約3.3年
中規模(器具50台) 80W×50台=4,000W 35W×50台=1,750W 約151,875円削減 約3.3年
大規模(器具100台) 80W×100台=8,000W 35W×100台=3,500W 約303,750円削減 約3.3年

※電気代単価27円/kWh、蛍光灯80W→LED35Wで試算。安定器消費分含む実消費はさらに高い場合あり。

6. オフィス照明設計の手順

Step 1: 照度測定・現状確認

スマートフォンの照度計アプリ(Android版推奨)または専用照度計で各デスクの照度を測定します。300lx未満のエリアを特定し、優先的に改善対象とします。

Step 2: LED器具の選定

下記の基準で器具を選定してください:

Step 3: 照明計画の設計

デスク配置図に照明器具位置をプロットし、間隔・枚数を設計します。一般的に600mm×600mmのLEDパネル器具(4000lm程度)は、天井高2.7mで直下2.5m²程度をカバーします。

Step 4: 工事・切り替え

既存の安定器撤去(バイパス工事)または安定器不要のLED器具(逆富士形・直付形)への全交換。電気工事士が必要です。

7. 施工前チェックリスト

オフィス照明のLED選定はLED PRO SHOPへ

照度基準・UGR・色温度選定から省エネ試算・工事計画まで対応します。

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