看板やLED間接照明の「消し忘れ・点け忘れ」は、電気代の無駄だけでなく施主からのクレームにもつながります。自動点消灯はタイマー・自動点滅器(光センサー)・人感センサー・スマートコントローラの4方式があり、用途と配線位置(AC一次側/DC二次側)を間違えると正しく動きません。本記事は4方式の違い・配線位置・突入電流に対する接点容量の選び方を、施工業者の現場目線で数値とともに整理します。
基本はLED電源(ACアダプタ/ドライバ)のAC一次側でタイマー制御します。機器の接点容量は定常電流ではなく突入電流(インラッシュ)を基準に余裕を取り、複数台をまとめて入れる場合は溶着に注意。屋外サインは「自動点滅器で点灯+タイマーで消灯」、曜日で営業時間が変わる店舗は週間式タイマーかスマートコントローラが向きます。
「自動で点けて消す」と一口に言っても、何をトリガーにするかで方式が分かれます。まずは4方式の特徴を押さえます。制御の決め手(時刻なのか・明るさなのか・人なのか)と、どこに機器を入れるか(AC一次側/DC二次側)が選定の軸です。
| 方式 | 制御の決め手 | 配線位置 | 向く用途 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| プログラムタイマー (24時間式/週間式) | 時刻 | AC一次側 | 営業時間が固定の看板・間接照明 | 停電時刻ズレ(電池バックアップ有無)・接点容量 |
| 自動点滅器 (光センサー/EEスイッチ) | 周囲の明るさ | AC一次側 | 屋外看板・サイン(日没点灯) | 受光部の設置場所・他光源での誤動作 |
| 人感センサー | 人の動き | AC一次/DC二次 | 通路・トイレ・倉庫の常時消灯 | 検知範囲・点灯保持時間の設定 |
| スマート/Wi-Fi コントローラ | アプリ/スケジュール/音声 | DC二次側 | 調光・シーン・遠隔も欲しい店舗 | 通信障害・停電復帰動作・電源容量 |
ポイント:タイマー・自動点滅器はAC100Vをそのまま入切するため電源ごと(電源+テープ全体)を制御します。一方スマートコントローラはDC側でPWM調光しながらスケジュール点灯するため、調光・演出と自動化を同時にやりたいときに使い分けます。
もっとも迷うのが、タイマーをLED電源(ACアダプタ/LEDドライバ)の一次側(コンセント側)に入れるか、二次側(電源とテープの間のDC配線)に入れるかです。基本は一次側です。
| 配線位置 | 制御するもの | 使う機器 | 向き/注意 |
|---|---|---|---|
| AC一次側 (コンセント〜電源の前) | AC100V(電源ごと入切) | プラグインタイマー/自動点滅器/タイマースイッチ | 確実・配線がシンプル。固定配線への組込は電気工事士が必要 |
| DC二次側 (電源〜テープの間) | DC出力(例:DC24V) | DC対応スマートコントローラ/RFコントローラ | 機器の定格電圧・電流がDC出力に合うこと。調光と併用向き |
DC二次側に汎用のAC用タイマーを入れるのは誤りです。DC回路に入れる機器はDC対応・出力電圧(12V/24V等)・許容電流がテープの消費電流以上であることを必ず確認してください。スマートコントローラの多くはDC入力でスケジュール・調光・調色までこなせるため、二次側制御はこのタイプが中心になります。
タイマーや自動点滅器が早期に壊れる最大の原因が突入電流(インラッシュカレント)です。スイッチング式のLED電源は、電源投入の一瞬だけ定格入力電流の数倍〜数十倍の電流が流れます。定常電流だけ見て接点容量を選ぶと、投入のたびに接点が傷み、やがて溶着(くっついて切れない)・接触不良を起こします。
定常で5.5A程度でも、5台を1つのタイマーで同時投入すると突入電流は各台の合算となり、瞬間的に数十Aに達することがあります。これが15A定格の接点を溶着させる典型パターンです。
突入電流への対策(いずれか・併用):
① 接点容量を突入に対して十分大きく取る(余裕率を見る)
② 電源を複数回路・複数タイマーに分けて投入を分散する
③ 突入電流抑制(NTCサーミスタ/インラッシュリミッタ)内蔵の電源を選ぶ
④ ゼロクロス式ソリッドステートリレー(SSR)を併用する
電源のデータシートには「Inrush current(突入電流)」が記載されています。その値 × 同時投入する台数を見積もり、機器の接点容量・ブレーカー定格に余裕があるか必ず確認してください。突入電流でブレーカーが落ちる症状の詳しい対処は、関連ガイドも参照してください。
| 用途・状況 | おすすめ方式 | ねらい |
|---|---|---|
| 営業時間が毎日固定の袖看板・店内サイン | 24時間式タイマー | 確実・低コストで時刻通りに入切 |
| 日没で点け・閉店時刻で消す屋外サイン | 自動点滅器(点灯)+タイマー(消灯) | 季節で変わる日没に追従しつつ確実に消灯 |
| 曜日で営業時間が違う店舗 | 週間式タイマー/スマートコントローラ | 曜日別スケジュールに対応 |
| 調光・演出(色替え)も自動化したい | スマート(Wi-Fi/BLE)コントローラ | スケジュール+調光・シーンを1台で |
| 人がいる時だけ点灯(通路・倉庫・トイレ) | 人感センサー | 無人時の常時消灯で省エネ |
| 遠隔で店舗外から入切・確認したい | Wi-Fiコントローラ(クラウド連携) | スマホで遠隔操作・状態確認 |
時刻/明るさ/人/アプリのどれで制御するかを用途から選定。早見表で方式を確定します。
タイマー・自動点滅器は一次側、調光併用のスマート制御は二次側。機器の定格を回路に合わせます。
電源の突入電流×同時投入台数を見積もり、接点容量・ブレーカーに余裕があるか確認。必要なら回路を分散します。
自動点滅器の受光部は他光源・直射・反射を避ける。人感センサーは検知範囲と点灯保持時間を現場で調整します。
AC100Vの固定配線・スイッチ組込は電気工事士が施工。プラグインタイマーは差込のみで対応します。
設定時刻・日没相当(受光部を遮光)で入切を確認。停電後の復帰動作(点灯/消灯/前回状態)も検証します。
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