このガイドでわかること
- 色温度(2700K〜6500K)と見た目・用途の対応表
- RGB調光テープと単色テープの使い分け基準
- 紫(バイオレット・UV)LEDテープの正しい用途と選び方
- 演色性 Ra(CRI)がなぜ重要か・業種別推奨値
- 業務施工での色選び判断フロー(5ステップ)
LEDテープの「色」は2種類ある
LEDテープの「色」には、大きく分けて2つの概念があります。
- 色温度(K: ケルビン) — 白色系LEDの「白さの度合い」。電球色(2700K)から昼光色(6500K)まで連続的に変化する。
- 発光色(RGB・単色・特殊色) — 赤・青・緑・紫・UV など特定の色を出すLED。装飾・演出・特殊用途に使う。
施工現場で「色を間違える」原因の多くは、この2つを混同することです。まず用途を確定させてから選定に入ることが重要です。
白色系LEDテープ:色温度の選び方
一般照明・店舗照明・施設照明では、白色系LEDテープが基本です。色温度(K値)の選択が雰囲気と機能を決定します。
2700K
電球色(ウォームホワイト)
居酒屋・バー・ホテル・高級レストラン・寝室間接照明
3000K
温白色(ウォームニュートラル)
カフェ・アパレル・美容院・ショールーム
4000K
白色(ニュートラルホワイト)
小売店・スーパー・クリニック・図書館
5000K
昼白色(デイライト)
オフィス・工場・医療施設・事務作業エリア
6500K
昼光色(クールホワイト)
工場生産ライン・検品エリア・食品加工・看板照明
| 色温度 | 名称 | 雰囲気 | 主な用途 | 非推奨 |
|---|---|---|---|---|
| 2700K | 電球色 | 温かみ・落ち着き | 居酒屋・バー・ホテル・住宅寝室 | 作業照明・事務所 |
| 3000K | 温白色 | やわらかい白 | カフェ・アパレル・美容室 | 検品・製造ライン |
| 4000K | 白色 | 自然な白 | 小売・スーパー・クリニック | リラックス空間 |
| 5000K | 昼白色 | 明るく清潔感 | オフィス・医療・工場 | 飲食店ホール |
| 6500K | 昼光色 | 青白く覚醒感 | 検品・食品加工・看板 | 住宅・飲食店 |
色温度の「ズレ」に注意
同じ「電球色」でも製品によって2700K〜3000Kの幅があります。複数台を並べる施工では、必ず同一ロット・同一メーカー品を使用してください。異なるロット間では目視で違いが出るケースがあります。
演色性(Ra / CRI):色の「見え方」を決める指標
色温度とは別に、「同じ色温度でも商品の色が正確に見えるか」を決めるのが演色性(Ra / CRI)です。Ra100が太陽光と同等で、値が低いほど色がくすんで見えます。
| Ra値 | ランク | 向いている用途 | 向かない用途 |
|---|---|---|---|
| Ra95以上 | 最高品質 | ジュエリー・美術館・高級アパレル・美容施術室 | 工場・倉庫(コスト過剰) |
| Ra90〜94 | 高演色 | 食品売場・化粧品・飲食店・薬局・クリニック | 倉庫・屋外設備照明 |
| Ra80〜89 | 標準 | オフィス・工場作業・廊下・駐車場 | 色の正確性が求められる場所 |
| Ra80未満 | 低演色 | 倉庫・屋外設備・外構照明 | 商品展示・医療・食品全般 |
食品・医療・化粧品にRa80以下は禁止
食品売場でRa80未満のLEDを使うと、肉・魚・野菜の鮮度感が損なわれ、売上への影響が出ます。薬局・クリニックでも医薬品・肌色の正確な識別のためRa90以上が業界標準です。コスト削減目的でRaを下げると、商品ロスや顧客離れにつながります。
RGB調光テープ:演出・サイン・装飾用途
RGBテープは赤(R)・緑(G)・青(B)の3色LEDを組み合わせ、無段階で色を変化させられるテープです。白色照明の代替にはなりません。用途は明確に分かれます。
RGB テープが適している用途
- エンターテインメント施設(カラオケ・ゲームセンター・クラブ)の演出照明
- 飲食店・バーのカウンター間接照明(シーン切り替え)
- 屋外サイン・チャンネル文字のカラー演出
- 展示会ブース・イベント設営の一時的装飾
- ウィンドウディスプレイのカラー演出
RGB テープを使ってはいけない用途
- 食品・商品の陳列照明(色が不正確になる)
- オフィス・事務所の作業照明(白色が出ない)
- 医療・化粧品コーナー(肌色・薬品色の識別不可)
RGB で「白」が出ない理由
RGB混色で得られる白は演色性Ra30〜50程度の低品質な白です。商品照明・作業照明には使えません。白色が必要な場所には必ず単色の白色LEDテープを選んでください。RGBW(白LEDを追加した4チップ)でも演色性はRa80前後止まりです。
紫(バイオレット・UV)LEDテープ:用途を限定して使う
「テープライト 紫」で検索するユーザーには2つのニーズがあります。
1. 装飾・演出用の「バイオレット(可視紫色)」
波長410〜420nmの可視光紫色LEDです。クラブ・カラオケ・ゲームセンター・ネオン風の演出に使います。人体への影響は通常の照明と同程度です。
2. 業務用の「UV(紫外線)LED」
波長365〜395nmの紫外線LEDです。蛍光塗料の発光・硬化・殺菌・食品検査など特殊業務用途があります。直接目を向けてはいけません。
| 種類 | 波長 | 主な用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| バイオレット(可視紫) | 410〜430nm | 演出・装飾・看板・クラブ照明 | 通常使用で問題なし |
| UV-A(近紫外線) | 365〜400nm | 蛍光インク発光・硬化・偽造防止検査 | 長時間直視禁止・皮膚保護必要 |
| UV-C(深紫外線) | 200〜280nm | 殺菌・水処理(業務専用) | 人体に危険・専門業者のみ使用可 |
UV テープ購入前の確認事項
「紫色のLEDテープが欲しい」という場合、可視光のバイオレット(装飾用)なのか、紫外線UV(業務用)なのかを先に確定させてください。商品説明に「UV」「紫外線」と書かれているものはUV-Aであることがほとんどです。蛍光塗料を光らせるためにUVが必要な場合は波長365nmまたは395nmを選びます。
業務施工での色選び:5ステップ判断フロー
色選定の判断フロー
用途は「照明」か「演出・装飾」か?
照明(機能性重視)→ 白色系LEDテープへ。演出・装飾 → RGB・カラーLEDへ。
【照明の場合】空間の「雰囲気」は?
落ち着き・温かみ → 2700K〜3000K。自然な明るさ → 4000K。クリアで作業しやすい → 5000K〜6500K。
商品・食品・肌の「色」を正確に見せる必要があるか?
食品売場・化粧品・医療・アパレル → Ra90以上を選ぶ。倉庫・廊下・外構 → Ra80で十分。
【演出の場合】色の変化が必要か、単色固定か?
シーン切り替え・カラーチェンジ → RGB調光テープ。単色固定 → 単色カラーテープ(赤・青・緑・紫など)。
「紫」が必要な場合:装飾か、紫外線業務か?
クラブ・カラオケ・演出 → 可視バイオレット(410〜430nm)。蛍光インク・硬化 → UV-A(365〜395nm)。
業種別 推奨色温度・演色性 早見表
| 業種・場所 | 推奨色温度 | 推奨Ra | 備考 |
|---|---|---|---|
| 居酒屋・バー・高級レストラン | 2700K | Ra90以上 | 食材の色・客席の雰囲気両立 |
| カフェ・アパレル・美容院 | 3000K | Ra90以上 | 商品・肌色を自然に見せる |
| スーパー食品売場 | 4000K〜5000K | Ra90以上(肉・魚はRa95推奨) | 鮮度感・清潔感の両立 |
| ドラッグストア・薬局 | 5000K | Ra90以上 | 薬品色・肌色の正確な識別 |
| オフィス・事務所 | 5000K | Ra80以上 | JIS Z 9110 500lx基準対応 |
| 工場・製造ライン | 5000K〜6500K | Ra80以上(検品はRa90) | 作業精度・色判定精度で使い分け |
| カラオケ・クラブ・エンタメ | RGB調光 + 演出照明 | 演出優先 | 白色照明と演出照明を分けて設計 |
| 看板・チャンネル文字 | 6500K(白系)またはRGB | Ra不問(視認性優先) | IP65以上・屋外対応品を選ぶ |
| 駐車場・廊下・外構 | 4000K〜5000K | Ra80で十分 | 視認性・安全性重視 |
色選びでよくある失敗パターン
1. 「明るければいい」で高色温度を選ぶ
6500Kは最も明るく見えますが、飲食店・住宅・ホテルに使うと「青白い・冷たい・落ち着かない」と感じさせます。明るさはlm(ルーメン)で確保し、色温度は用途に合わせて選んでください。
2. RGB で白色照明を代替しようとする
コスト削減・多用途化を狙ってRGB一本に統一する施工を見かけますが、商品照明には使えません。RGBは「演出専用」と割り切り、機能照明は単色白色LEDと分けて設計してください。
3. 演色性を無視してコスト優先で選ぶ
同じ色温度でRa70とRa90の商品があった場合、価格はRa70が安いことが多いです。しかし食品売場・化粧品・医療では、Ra70では商品の色が正確に見えず顧客離れにつながります。用途に応じた演色性の最低ラインを守ってください。
4. 単一色温度で全フロアを統一する
大型店舗や複合施設では、エリアごとに色温度を変えることが正解です。入口・ホール(印象重視・3000K)と作業室・倉庫(機能重視・5000K)を同じ色温度にする必要はありません。