製品活用ガイド

LEDテープを2列・多列で貼って明るさを上げる方法
照度の目安・電源容量・放熱の注意

更新日: 2026年6月17日|LED PRO SHOP 編集部

「1列貼ったが思ったより暗い」――そんな時の現実的な解決策がLEDテープの2列・多列配置です。光の総量(lm)はおおむね列数に比例して増えますが、同時に消費電力・発熱・電圧降下も列数分増えます。本記事は、必要列数の逆算・電源容量の計算・密着貼りの放熱トラブル回避・ドット感やむらの対策を、施工業者の現場目線で数値とともに整理します。

▶ 結論から

明るさ(lm)はほぼ列数倍。ただし体感の照度(lx)は距離・拡散で変わるため、必要lx→必要lm/m→必要列数で逆算します。列を増やすと消費電力・発熱・電圧降下も列数分増えるので、電源容量は「W/m×長さ×列数+2〜3割余裕」で選定。密着貼りは熱が集中するため、列間に隙間+アルミフレームで放熱を確保します。

1. 列を増やすと「明るさ」と「電力・熱」はどう変わるか

同じLEDテープを並列に並べると、発光するLEDの数が列数分だけ増えます。したがって光の総量(lm)も、消費電力(W)も、発熱(熱量)も、ほぼ列数に比例して増えるのが基本です。「明るくなる」ぶんだけ「電気を食い」「熱を出す」――この当たり前を最初に押さえると設計を外しません。

項目1列2列3列
光束(lm)合計×1×約2×約3
消費電力(W)×1×2×3
発熱量×1×2×3
電流(末端電圧降下に影響)×1×2×3
体感の明るさ(lx)基準距離・拡散で変動距離・拡散で変動

注意:人の目は明るさを対数的に感じるため、光量が2倍でも体感は「2倍まぶしい」とはなりません。逆に言えば、わずかな増し貼りでは体感が変わりにくい場面もあります。狙いがはっきりしている時は、感覚ではなく必要照度から列数を逆算するのが確実です。

2. 必要な列数を逆算する(計算例)

「とりあえず2列」ではなく、狙う照度から必要なlm/mを出し、テープ1列のlm/mで割って列数を求めます。手順はシンプルです。

1列で不足
目標の1/2
→ 2列が目安
1列で不足
目標の1/3
→ 3列が目安
体感の感じ方
対数的
lmの増分=体感増分ではない
放熱で有利
低W/m多列
1列あたりの熱が下がる

3. 電源容量は「列数分」で見直す(計算例)

列を増やしたら、消費電力もそのまま列数倍です。総消費電力=1列のW/m × テープ長(m) × 列数。これに2〜3割の余裕を足した容量の電源を選びます。

条件総消費電力推奨電源容量(余裕込み)
10W/m × 5m × 1列50W60〜75W級
10W/m × 5m × 2列100W120〜150W級
10W/m × 5m × 3列150W180〜225W級
14.4W/m × 5m × 2列144W180W級以上 or 電源2分割

1台で容量が足りない場合は電源を複数に分け、回路ごとに配線します。さらに電流が列数倍になることで末端の電圧降下も大きくなります。配線を太くする・送り長さを短くする・両端給電やパワーインジェクションを併用するなど、電圧降下対策も同時に検討してください。

4. 密着貼りはNG ― 多列の放熱対策

多列化で最も多い失敗が密着貼りによる温度上昇です。2列・3列を隙間なく並べると、放熱面積は増えないのに発熱だけ列数分になり、熱が中央に集中します。結果、輝度低下・色ずれ・寿命短縮を招きます。

多列の放熱対策(いずれか・併用):
① 列の間に数mm以上の隙間をあけ、熱を逃がす
② アルミフレーム(プロファイル)や十分な面積のアルミ板に貼る
③ W/mの低いテープを多列にして1列あたりの発熱を下げる
④ 木材・樹脂・密閉空間への直貼り多列は避け、放熱経路を確保する

連続点灯後に手で触れて熱すぎないかを必ず確認します。触れ続けられないほど熱い場合は、放熱強化か列数・W/mの見直しが必要です。

5. ドット感・明るさむらを抑える配置

明るくしたいからと列を増やすと、今度は粒(ドット)感や列ごとの線が目立つことがあります。とくに間接照明や拡散板越しの用途では、明るさだけでなく見え方も詰めます。

気になる症状原因対策
粒々(ドット)が見えるLED間隔・発光点が見える距離高密度テープ/COBテープ・拡散カバーを併用
列ごとの線が見える列の間隔が広い/拡散不足列間を詰めすぎず拡散板で均す
中央だけ明るい列が寄りすぎ照らす幅に合わせ列を等間隔に振る
端だけ暗い電圧降下配線強化・両端給電・電源分割

6. 多列化チェックリスト

7. よくある質問(FAQ)

LEDテープを2列にすると明るさは2倍になりますか?
光束(lm)の合計はほぼ2倍になります。同じテープを2列並べれば発光するLEDの数が2倍になるため、出る光の総量(lm)はおおむね列数に比例します。ただし、面の明るさ(照度lx)が体感で2倍に感じるかは別問題です。照度は対象までの距離・拡散板・反射の条件で変わり、人の目は明るさを対数的に感じるため、2倍の光量でも体感は「はっきり明るくなった」程度のことがあります。狙った照度に届かせるには、まず必要lx→必要lm/mを計算し、テープ1列のlm/mで割って必要な列数を逆算するのが確実です。なお、列数を増やせば消費電力と発熱も列数分増えるので、電源容量と放熱もあわせて見直してください。
LEDテープを2列、隙間なく密着させて貼っても大丈夫ですか?
放熱の観点では密着貼りは不利です。2列を隙間なく並べると発熱が中央に集中し、放熱面積が増えないまま熱だけが倍になるため、テープの温度が上がって輝度低下・色ずれ・寿命短縮を招きやすくなります。対策は、(1)列の間に数mm以上の隙間をあける、(2)アルミフレーム(プロファイル)や十分な面積のアルミ板に貼って放熱経路を確保する、(3)W/mの低い(発熱の少ない)テープを多列にして1列あたりの熱を下げる、のいずれかです。木材・樹脂・密閉空間への直貼り多列はとくに温度が上がりやすいので、連続点灯後に手で触れて確認し、熱ければ放熱を強化してください。
LEDテープを2列・多列にしたら電源(電源ユニット)はどう選びますか?
消費電力は列数分そのまま増えるので、電源容量も列数分で見直します。計算は「1列のW/m × テープ長(m) × 列数」で総消費電力を出し、これに2〜3割の余裕(ディレーティング)を上乗せした容量の電源を選びます。例えば10W/mのテープを5mで2列なら、10×5×2=100W、余裕を見て120〜150W級の電源が目安です。1台で足りなければ電源を複数に分け、回路ごとに配線します。さらに、電流が増えると末端の電圧降下も大きくなるため、配線を太くする・送り長さを短くする・両端給電やパワーインジェクションを併用するなど、電圧降下対策も同時に検討してください。

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