よくある施工ミス:「テープと電源の方式が違って焼損した」
LEDテープには定電圧(CV)と定電流(CC)の2方式があり、それぞれ専用の電源を前提に設計されています。方式を間違えて電源を組み合わせると、過電圧でLEDが焼損したり、カット後に点灯しなくなったりします。テープ選定の最初の段階でどちらの方式かを必ず確認してください。
定電圧(CV)と定電流(CC)の根本的な違い
定電圧(Constant Voltage / CV)は電源が電圧を一定に保つ方式で、テープ側に電流制限抵抗が組み込まれています。DC12V・DC24Vの汎用テープはほぼすべてこのCV方式です。
定電流(Constant Current / CC)は電源が電流を一定に保つ方式で、LEDを直列につないで同じ電流を流すため輝度ムラに強いのが特徴です。高出力ライン照明やパワーLEDモジュールで採用されます。
ひと言で言うと:CVは「電圧を決めて流す」=長さ調整が自由で施工しやすい。CCは「電流を決めて流す」=輝度が揃いやすく長尺でも均一だがカットの自由度が低い。汎用のリールテープはCV、業務用の定尺モジュールはCCが多い。
CV / CC 方式の比較表
| 比較項目 |
定電圧(CV) |
定電流(CC) |
| 電源の制御対象 |
電圧を一定(例 DC24V固定) |
電流を一定(例 350mA固定) |
| テープ表記 |
DC12V / DC24V |
○○mA / ○○W(電流値主表記) |
| カット自由度 |
高い(数cm単位) ✓ |
低い(定尺・直列) 注意 |
| 並列接続 |
可能(各本同電圧) ✓ |
原則不可(直列前提) ✗ |
| 長尺時の輝度均一性 |
電圧降下で末端が暗い |
電流一定で均一 ✓ |
| 主な用途 |
間接照明・棚下・看板内照 |
高出力ライン照明・定尺モジュール |
| 施工難易度 |
低い(現場合わせ容易) |
中(定尺設計が前提) |
現場での見分け方(3つの確認ポイント)
①
テープ表面の印字を見る
テープに「DC12V」「DC24V」と電圧が印字されていればCV。「350mA」「700mA」など電流値(mA)が主表記ならCC。仕様書の「入力」欄も同様に確認する。
②
カットマークの間隔を見る
2.5cm〜10cm間隔で細かいカットマーク(はさみ印)があればCVの可能性が高い。カット位置が極端に長い・カット不可表記ならCCの直列構造を疑う。
③
電源の刻印を見る
電源(ドライバ)の型番に「CV」「Constant Voltage」または出力が「24V ○A」表記ならCV用。「CC」「○○mA」出力表記ならCC用。テープと電源の方式は必ず一致させる。
電源選定の判断基準
テープの方式が分かったら、同じ方式の電源を選びます。誤った組み合わせは焼損・寿命低下に直結するため、以下の基準で確認してください。
定電圧(CV)用 電源の選定
出力電圧テープ電圧と一致(12/24V)
出力容量合計W÷電圧×1.25倍
余裕率定格の80%以下で運用
接続並列OK・合計負荷で計算
定電流(CC)用 電源の選定
出力電流モジュール定格と一致(mA)
出力電圧範囲直列合計Vfが範囲内
接続直列のみ・並列不可
モジュール数電圧範囲内の上限を厳守
CV電源の容量計算(例)
必要容量(W)= テープ消費電力合計(W)× 1.25(余裕率)
例:24V・10W/m × 8m = 80W
→ 80W × 1.25 = 100W
→ 100W以上のDC24V電源を選定(定格の80%運用)
CC方式の場合は電流(mA)でモジュールを揃え、直列合計の順電圧(Vf)が電源の出力電圧範囲に収まるかを確認する。範囲外だと点灯しない・ちらつく原因になる。
方式を間違えたときに起きる症状
| 誤った組み合わせ |
起きる症状 |
確認ポイント |
| CVテープ × CC電源 |
過電圧でLED・抵抗が焼損 |
電源出力が「mA」表記なら即停止 |
| CCテープ × CV電源 |
過電流で寿命が急低下 |
電流制御が無く異常発熱 |
| CCテープを途中カット |
残りが点灯しない |
直列回路が切れていないか |
| CVテープ電圧違い(12/24V誤接続) |
暗すぎる/過電圧焼損 |
テープ印字と電源出力の電圧一致 |
施工前チェックリスト
- テープの印字・仕様書で「DC電圧表記(CV)」か「電流mA表記(CC)」かを確認した
- 電源の出力表記がテープの方式(CV/CC)と一致していることを確認した
- CVの場合、出力電圧(12V/24V)がテープ電圧と完全一致している
- CVの場合、電源容量を合計消費電力×1.25で算出し定格80%以下に収めた
- CCの場合、直列モジュールの合計順電圧(Vf)が電源の出力電圧範囲内にある
- CCテープを定尺で使う設計とし、現場での途中カットを避けた
- 点灯後に異常発熱・ちらつき・輝度ムラがないか目視・触診で確認した
よくある質問
Q. 定電圧(CV)と定電流(CC)のLEDテープはどう見分ければいいですか?
テープの表記とカットピッチで見分けます。定電圧(CV)タイプは「DC12V」「DC24V」と電圧で表記され、カットマークが数cm間隔で細かく入っています。定電流(CC)タイプは「○○mA」と電流値で表記され、カット可能位置が長い(または不可)のが特徴です。仕様書に電圧表記しかなく短いカットピッチがあればCV、電流値(mA)が主表記ならCCと判断します。電源も入力欄に「CV」「CC」が刻印されているので合わせて確認してください。
Q. 定電圧テープに定電流電源をつないでも大丈夫ですか?
原則NGです。定電圧(CV)テープは電圧を一定に保つ電源を前提に設計されており、定電流(CC)電源につなぐと負荷の変動で電圧が跳ね上がり、LEDや抵抗が過電圧で焼損する恐れがあります。逆に定電流テープにCV電源をつなぐと電流制御が効かず過電流で寿命が著しく低下します。テープと電源は必ず同じ方式(CV同士・CC同士)で組み合わせてください。
Q. 現場で長さを自由にカットしたい場合はどちらを選べばいいですか?
定電圧(CV)タイプを選びます。CVテープは数cm間隔のカットマークで自由に長さを調整でき、複数本を並列接続しても各本が同じ電圧で点灯するため施工現場での寸法合わせに向いています。定電流(CC)タイプは直列構造でカット位置の自由度が低く、途中カットすると残りが点灯しない・電流値が変わる場合があるため、定尺で使う用途に適しています。
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