この記事の目的:複数のLEDテープを並べて使ったとき、「1本だけ暗い」「系統ごとに明るさが違う」と言われることがあります。原因は電圧降下・W/m違い・電源の個体差・許容長超過・ロット差・接触不良のどれかです。測って切り分ける順番と、均一に光らせる直し方を整理します。
まず「入口の電圧」を測って切り分ける
明るさが揃わないとき、最初にやるのは各テープ入口(給電点)の電圧を測ることです。ここで大きく2つに分かれます。
| 入口の電圧 |
疑う原因 |
主な対処 |
| 他系統より低い |
配線長・細い電線・接続点での電圧降下/接触不良/電源の垂れ |
電線を太く・短く/接続点点検/電源電圧調整・容量見直し |
| 正常なのに暗い |
W/m・品番違いの混在/許容長超過/ロット差/テープ劣化 |
仕様統一/両端・中間給電/同一ロット割り振り/該当テープ交換 |
ポイント:明るさの差は「電気が届いていない(電圧の問題)」か「テープそのものが違う(仕様・ロットの問題)」のどちらかに必ず分かれます。入口電圧を測るだけで、追う方向が半分に絞れます。
系統ごとに明るさがバラつく5つの原因
電圧降下
①
配線が長い・細い・接続が多い
給電までの電線が長い・細い、接続点が多い系統は入口電圧が下がり暗くなる。電線を太く短く、接続を減らす。
許容長超過
②
片側給電で末端が暗い
テープの許容長を超えて片側だけから給電すると末端が暗く色も変わる。両端給電・中間給電で改善。
仕様違い
③
W/m・品番の混在
W/mや品番が違うテープを並べると明るさが揃わない。並べて見せる箇所は仕様を統一する。
電源差
④
電源の出力電圧の個体差
系統ごとに別電源だと出力電圧に差が出る。電圧調整で揃える、負荷過大で垂れていないか確認。
ロット差
⑤
同じ品番でもロットで差
電圧も末端も正常なのに差が残るならロット差。連続して見せる箇所は同一ロットで割り振る。
診断手順(測って絞り込む)
- 暗い系統と正常な系統のテープ入口の電圧をそれぞれ測り、差があるか確認する。
- 入口電圧が低ければ、電線の長さ・太さ・接続点を確認し、接触不良・緩みも点検する。
- 入口電圧が正常なら、W/m・品番が同じか、テープの許容長を超えていないか確認する。
- 末端が特に暗く色も変わっていれば電圧降下・許容長超過。両端給電・中間給電を検討する。
- 電源が系統別なら、各電源の出力電圧を測り、負荷過大で垂れていないか・調整で揃うか見る。
- 電圧も末端も正常で仕様も同じならロット差を疑い、リールの割り振りを見直す。
電圧降下による明るさ差の考え方
テープ入口電圧 = 電源出力電圧 − 配線での電圧降下
電圧降下 ≒ 電流(A) × 電線抵抗(往復)
↓
・配線が長い/細い → 抵抗大 → 降下大 → 入口電圧が低い → 暗い
・接続点が多い・緩い → 接触抵抗 → その分さらに降下
対策:電線を太く・短く/接続を減らす・確実に締める/
末端が暗いなら両端給電・中間給電(パワーインジェクション)
※ 明るさは電圧に敏感です。わずかな入口電圧差でも並べると見た目の差になります。
※ 具体的な電圧降下の計算・許容長・給電方法は、電圧降下/最大接続長/パワーインジェクションの各ガイドも参照してください。
原因別の対処一覧
| 症状 |
切り分けの確認 |
対処 |
| 1系統だけ全体が暗い |
入口電圧が低い |
電線を太く短く・接続点点検・電源電圧調整 |
| 給電側は明るく末端が暗い |
許容長超過・片側給電 |
両端給電・中間給電で末端まで電圧を届ける |
| 並べた系統で明るさが段違い |
W/m・品番が違う |
並べる箇所は仕様を統一する |
| 電源を分けた系統でだけ差 |
電源出力電圧の個体差・容量不足 |
電圧調整で揃える・負荷配分見直し |
| 電圧も仕様も同じで微差が残る |
製造ロット差 |
同一ロットで割り振る・区画を分ける |
| 時々ちらつきながら暗い |
接触不良・コネクタ緩み |
接続をやり直す・確実に締結する |
「明るさが違う=不良品」と決めつけない
系統ごとの明るさ差は、テープの不良より配線・給電・電源の設計で起きることが多いです。入口電圧を測らずに「片方が不良」と判断して交換しても、配線長や給電方法が原因なら新品でも同じ差が出ます。まず入口電圧を測り、電気が届いているかを確認してから、仕様・許容長・ロットへと切り分けてください。並べて見せる箇所は、最初から電源と制御をまとめ、同一ロット・同一W/mでそろえる設計にすると差が出にくくなります。
診断チェックリスト
- 暗い系統と正常な系統のテープ入口電圧を測って比べた
- 入口電圧が低い系統は電線の長さ・太さ・接続点を確認した
- 接触不良・コネクタの緩みを点検した
- 並べる系統でW/m・品番が同じか確認した
- テープの許容長を超えて片側給電になっていないか確認した
- 末端が暗く色も変わる場合は両端・中間給電を検討した
- 電源が系統別なら各電源の出力電圧・負荷配分を確認した
- 電圧も仕様も同じで差が残る場合はロット差を疑い割り振りを見直した
よくある質問
Q. 複数系統のLEDテープで1本だけ暗いのはなぜですか?
1系統だけ暗い場合、まず「その系統の入口の電圧」を測って原因を切り分けます。テープ入口の電圧が他系統より明らかに低ければ、配線長が長い・電線が細い・接続点が多いことによる電圧降下、または接触不良やコネクタの緩みが疑われます。入口の電圧が正常なのに暗いなら、W/m(ワット密度)や品番が違うテープを混在させている、テープの許容長を超えて片側給電で末端まで電圧が届いていない、あるいはテープ自体の劣化・不良が考えられます。電源が系統ごとに別なら、電源の出力電圧の個体差や、その電源だけ容量に対して負荷が過大で電圧が垂れている可能性もあります。テープ入口の電圧・W/m・配線長・接続点の順に確認すると原因を特定しやすいです。
Q. 電源を分けたら系統ごとに明るさが違うのはどうすればいいですか?
複数の電源を使うと、同じ定格でも出力電圧に個体差があり、系統ごとにわずかな明るさ差が出ることがあります。まず各テープ入口の電圧を測り、電源間で差があるか確認します。電圧調整(ボリューム)付きの電源なら、出力を揃えることで明るさを近づけられます。差が大きい場合は、片方の電源が容量に対して負荷が過大で電圧が垂れていないか、負荷配分を見直します。また、電源が違っても調光を別々の調光器やコントローラーで行っていると、同じ設定値でも明るさがずれることがあるため、系統をまたいで見せる部分は制御をそろえるか、1台の電源・1系統の制御にまとめる設計が確実です。並べて見せる箇所ほど、電源と制御を分けない方が明るさは揃います。
Q. 同じ品番のLEDテープなのに明るさがばらつくことはありますか?
あります。原因は主に3つで、1つ目は配線長・電線太さ・接続点の数の違いによる電圧降下で、入口までに電圧を失った系統は暗くなります。2つ目は片側給電でテープの許容長を超えている場合で、給電点から遠い末端ほど暗く、色もわずかに変わります。3つ目は製造ロット差で、同じ品番でもロットが違うと明るさや色味が微妙に異なることがあります。切り分けは、各テープ入口の電圧を測って電圧降下を確認し、末端の明るさ低下があれば両端給電や中間給電(パワーインジェクション)で改善し、電圧も末端も正常なのに差が残るならロット差を疑ってリールの割り振りを見直します。連続して見せる箇所は同一ロットでそろえるのが安全です。
明るさ・W/m・電源仕様が明確なLEDテープ
W/m・電圧・許容長の表記が確認できるLEDテープと対応電源・配線部材を取り扱っています
商品ラインナップを見る