170㎡クリニック全体をCOBテープライトでリニューアル。フリッカーフリー設計で術者の目疲労を大幅低減、49%の省エネを同時達成。
郊外ロードサイドの一般歯科クリニック(院長1名・歯科衛生士3名・受付1名)。既存の蛍光灯照明が老朽化したことを機に、COBテープライト+専用アルミチャンネルによる全面リニューアルを実施。診察の質向上と省エネの両立を目指し、4ゾーン設計を採用した。
歯科クリニックの照明は、一般商業施設とは異なる厳格な要件が求められる。特に演色性・フリッカー・色温度の3要素は診察精度に直結するため、妥協できない。
| 要件 | 一般照明 | 歯科診察室 | シェード確認 | 理由・背景 |
|---|---|---|---|---|
| 演色性(Ra) | Ra80以上 | Ra90〜95以上 | Ra97以上 | 歯・歯肉・補綴物の色調が正確に見えないと診察精度が低下 |
| フリッカー | 規定なし | フリッカーフリー推奨 | フリッカーフリー必須 | フリッカー下では術者の目疲労が著しく増大。精密作業に悪影響 |
| 色温度 | 用途次第 | 4500〜6500K | 5000〜5500K | シェードガイドの標準照明条件(D65光源に近似)に合わせる必要がある |
| 照度(lx) | 200〜500lx | 800〜1000lx | 1000〜1500lx | JIS Z 9110 医療施設:診察室500lx以上推奨(補助照明含む) |
| グレア | UGR≤22 | UGR≤19 | UGR≤16 | 術者が上を向いた姿勢で長時間作業するため、グレアが眼精疲労を直撃 |
| 耐薬品性 | 不要 | アルコール・次亜塩素酸対応 | 同左 | 消毒・滅菌環境での使用。アルミチャンネルのシール処理が必要 |
エリアの用途と求められる照明品質に応じて4ゾーンに分割。コストと性能のバランスを取りながら、診察に直結するエリアには最高スペックを投入した。
| ゾーン | エリア | 色温度 | 演色性 | W/m | 長さ | 消費電力 | 目標照度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Zone A | 待合・受付 | 3000K | Ra90 | 10 W/m | 20 m | 200 W | 300〜500 lx |
| Zone B | 診察室(4ユニット) | 5000K | Ra95 | 12 W/m | 40 m | 480 W | 800〜1000 lx |
| Zone C | 処置室・シェード確認 | 5000K | Ra97 | 15 W/m | 12 m | 180 W | 1000〜1500 lx |
| Zone D | 廊下・消毒室・バック | 4000K | Ra80 | 8 W/m | 30 m | 240 W | 200〜300 lx |
| 合計 | — | 102 m | 1,100 W | — | |||
患者がリラックスして待てるよう、やや温かみのある3000Kを採用。Ra90により顔色が自然に見え、患者・受付スタッフ双方に好印象を与える。診察室との色温度差を設けることで「診察エリアへの切替感」を演出。300〜500lxで一般事務作業も支障なく行える。
4診察ユニットの各周囲にCOBテープ12W/mをアルミチャンネルで配置。5000K昼白色はシェードガイドの基準光源(D65)に近く、歯肉・補綴物・虫歯の視認性が格段に向上。Ra95により微妙な色変化も見逃さない。COBチップの連続発光でフリッカーが完全に排除されており、術者の目疲労を根本から低減する。
補綴物の色調確認・義歯製作など高精度な色判断が必要なエリアには、最高規格Ra97テープを採用。15W/mの高密度配置で1000〜1500lxを確保。R9(赤色再現指数)も70以上を確保しており、歯肉の炎症状態・出血の色も正確に判断できる。このエリアだけで精度が決まるため、コスト配分で最優先とした。
スタッフ動線・消毒作業エリアは実用性重視。4000Kの中性白色で作業能率を確保しつつ、Ra80でコストを適正化。消毒室はアルコール・次亜塩素酸が飛散するため、アルミチャンネルの端部をシリコンシールで封止。耐薬品性を確保している。
既存蛍光灯(Hf蛍光灯・電子安定器)との消費電力比較。全ゾーン合計で49%の削減を達成。電気代換算(1kWh = 28円・1日12時間・年間250日稼働)で年間約21万円のコスト削減になる。
| ゾーン | 既存(蛍光灯) | LED導入後 | 削減率 | 年間電気代削減(概算) |
|---|---|---|---|---|
| Zone A 待合・受付 | 380 W | 200 W | ▲47% | 約3.7万円 |
| Zone B 診察室 | 960 W | 480 W | ▲50% | 約9.2万円 |
| Zone C 処置・シェード | 360 W | 180 W | ▲50% | 約3.5万円 |
| Zone D 廊下・消毒・バック | 480 W | 240 W | ▲50% | 約4.6万円 |
| 合計 | 2,180 W | 1,100 W | ▲49% | 年間 約21万円 |
照明リニューアルから3ヶ月後の院内データと患者アンケート(n=120)の集計結果。光環境の改善が診療精度・患者満足度の両方に波及している。
医療施設特有の環境条件と設計要求から、一般施工と異なる注意点がある。見落とすと後工程で大幅な手戻りになる。
演色性Ra95・Ra97、フリッカーフリー、EMC認証済み電源との組み合わせで医療施設の要求仕様を満たすCOB 24Vテープをご用意しています。
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