施工事例 B-185

鍼灸院・整骨院の
LED照明施工事例

施術室・受付問診室・温熱療法室・廊下の4ゾーン設計|Ra90/3500K調光で患者のリラックス環境を最適化・41%省エネ・年間12万円削減・投資回収3.0年

施設面積150㎡ 施術室Ra90/3500K調光 COBテープLED導入 41%省エネ 年間12万円削減
無料見積もりを依頼する

「患者さんが緊張したまま帰るのを見るたびに、何かが間違っていると思っていました。施術の技術より先に、この光が患者さんを追い立てているんじゃないかって。蛍光灯の白い光の下では、どう頑張っても"治療院らしい安心感"を出せなかった」

住宅街の鍼灸院を営む院長が、蛍光灯からLEDへの切り替えを決断したのは「照明が治療の邪魔をしている」という確信からだった。施術ベッドの上で感じる光の硬さが、患者の副交感神経を阻害している可能性を専門書で知ったのがきっかけだった。

正確な施術のための「見る光」と、患者を癒すための「感じる光」——その両立が、LED移行の設計テーマとなった。

この施工事例のポイント

施設概要と照明課題

今回の導入先は住宅街に立地する個人経営の鍼灸院・整骨院です。施術ベッド8台・受付兼問診室・温熱療法室・更衣室を備える150㎡の施設に、旧来の蛍光灯からCOBテープLEDへ全面移行しました。

治療院における照明設計の最重要課題は「施術者の作業視認性」と「患者のリラックス状態の誘導」の両立です。Ra70台の蛍光灯では皮膚の赤みやうっ血状態の色判別が難しく、施術精度に影響していました。また蛍光灯の白く強い光は交感神経を活性化させやすく、治療院としてのリラックス空間演出の障壁となっていました。

治療院の照明における医学的根拠:3000〜3500Kの暖色光は視床下部への刺激が少なく、副交感神経が優位になりやすいことが複数の研究で示されています。施術中の患者が深くリラックスできる照明環境は、治療効果の向上と来院継続率の改善に貢献します。
「LED変えてから、患者さんの表情が変わりました。施術中に『なんか眠くなってきた』と言う方が増えて。それが一番の成果だと思っています。蛍光灯の頃は、いくら丁寧にやっても院内が"病院っぽい"感じが抜けなかった。今はやっと自分の理想とする治療院の雰囲気になれた気がします」
— 住宅街・個人経営鍼灸院・整骨院 院長(開業8年)
⚠ 最初の「ホームセンターLED」で失敗した話

施術室の蛍光灯が相次いで切れた際、応急処置としてホームセンターの昼白色LED(5000K・Ra未確認)に交換した。患者から「なんか眩しくて落ち着かない」「目が疲れる」という声が続出。施術中のリラックス誘導がまったくできなくなり、2週間で元の蛍光灯へ戻した経緯がある。Ra値と色温度の両方を確認せずに選んだことが失敗の原因だった。

→ 教訓:治療院のLED選びは色温度(K)・Ra値・調光対応の3点セットで選ぶ。特に施術室は「患者の感覚」を最優先の選定基準にすること。

4ゾーン照明設計の詳細

Zone A ― 施術室・治療ベッドエリア

項目仕様
Zone A
使用製品
COBテープLED 8W/m(Ra90/3500K)
施工延長60m(天井廻り縁間接照明+施術台側面補助照明の2層構造)
消費電力480W
照度設計200〜400lx(施術者の確認作業対応)→50〜100lx(施術中のリラックスモード)
演色性・色温度Ra90 / 3500K(皮膚色・赤み・うっ血状態の視認を正確に行いつつ暖かみのある色調)
制御無段階調光(入室〜問診:400lx/施術中:80lx/治療後確認:400lx)
特記事項ベッド側面にスポット補助照明を配置し、局所照射が必要な精細作業に対応

Zone B ― 受付・問診室

項目仕様
Zone B
使用製品
COBテープLED 8W/m(Ra85/4000K)
施工延長40m(カウンター上部直接照射+待合エリア間接照明)
消費電力320W
照度設計300〜500lx(受付業務・問診票記入・書類確認対応)
演色性・色温度Ra85 / 4000K(清潔感のある中性白色・医療機関としての信頼感)
制御タイムスケジュール制御(開院時間〜閉院後の清掃完了まで)
特記事項受付カウンターは手元照度500lxを確保しつつ待合は間接照明で落ち着いた雰囲気を維持

Zone C ― 温熱療法室・物理療法室

項目仕様
Zone C
使用製品
COBテープLED 8W/m(Ra85/3000K)
施工延長40m(天井廻り縁間接照明・直接光源は視野に入らない設計)
消費電力320W
照度設計150〜300lx(横臥・療法機器使用時の安全視認性確保)
演色性・色温度Ra85 / 3000K(電球色・副交感神経優位誘導・眠気促進)
制御調光対応(通常モード150lx→深部温熱モード50lxへの段階切替)
特記事項低温やけど防止のため熱を持つ療法機器の近くには照明を配置しない設計

Zone D ― 廊下・更衣室(PIR連動)

項目仕様
Zone D
使用製品
COBテープLED 8W/m(Ra80/4000K)+PIRセンサー
施工延長40m
実効消費電力96W(非通行時24%ディム・平均稼働30%換算)
照度設計150〜300lx(歩行安全・着替え・清掃対応)
演色性・色温度Ra80 / 4000K(廊下・更衣室標準)
制御PIRセンサー連動(人感検知→全灯・非検知→最低照度維持)
特記事項高齢患者が多いため廊下は段差・手すり位置が常に視認できる最低照度(50lx以上)を維持

省エネ・コスト削減の実績

41%
消費電力削減率
(蛍光灯比)
12万円
年間コスト削減
(電気代8万+保守費4万)
3.0年
投資回収期間
(施工費36万円)

旧設備(蛍光灯)の総消費電力1,888Wに対し、COBテープLED化後は1,216W(Zone A 480W+Zone B 320W+Zone C 320W+Zone D 96W)に削減。施術中の低照度ディム(80lxモード)が最も大きな省エネ貢献となっています。1日8時間営業のうち施術中の低照度時間が約6時間に及ぶため、実質的な消費電力は設置値の50%程度で推移しています。

鍼灸院・整骨院の照明品質チェック比較表

チェック項目 旧設備(蛍光灯) COBテープLED Ra90(今回)
皮膚色・赤み・うっ血状態の視認 Ra70台で皮膚色の微妙な変化が判別困難 Ra90/3500Kで皮膚色変化を正確に視認
施術中の患者リラックス度 蛍光灯の強い白色光が交感神経を活性化 80lx/3500Kで副交感神経優位・深いリラックスを誘導
照度の段階切替(作業↔リラックス) 全灯・消灯の2択のみ(中間照度不可) 無段階調光で50〜400lxを自在に切替可能
温熱療法室の雰囲気演出 蛍光灯全灯のみ・リラックス環境を壊す 3000K/50lxで眠気・深部リラックスを最大化
廊下の高齢者安全視認性 廊下消灯時は暗く転倒リスクあり PIR連動で50lx以上を維持・段差を常時視認可能
院内の清潔感・信頼感 蛍光管の黄ばみ・暗さで清潔感が低下 受付4000K/500lxで明るく清潔感のある印象
年間電気代(照明分) 約21万円/年 約13万円/年(▲8万円)
ランプ交換・管理コスト 年次交換(高所作業必要な場合あり) 5〜7年以上無交換(保守費大幅減)

治療院照明設計の専門的アドバイス

Ra値の選び方と皮膚色識別

鍼灸・整体における皮膚観察(顔色・皮膚の赤み・むくみ・筋肉の張り確認)では、Ra90以上の演色性が推奨されます。Ra値が低い光源では皮膚の微妙な色の変化が観察しにくく、特に「顔面の赤み・血色・黒ずみ」「アザ・内出血の広がり具合」「施術後の皮膚反応」の確認精度が低下します。Ra90の3500Kは「暖かみがあり皮膚を美しく見せながら、変色・症状の変化も見逃さない」バランスの取れた設定です。

調光制御による施術フロー最適化

施術フローに合わせた照度の段階制御を実装しました。①問診・確認(400lx)→②施術開始(150lx)→③深部施術・リラックスピーク(80lx)→④施術終了確認(400lx)の4段階をリモコン1台で切り替え可能。施術者が治療に集中しながら照度を調整できる設計としました。

2027年問題:蛍光灯フェーズアウトへの対応

〜2026年既存蛍光灯の在庫流通・補修部品入手可
2027年〜一般蛍光灯の製造・輸入が事実上終了
2028年〜補修部品枯渇・修理不能化・照明コスト急増リスク

よくある質問

Q. 鍼灸院・整骨院の施術室に最適な色温度は何Kですか?

A. 3000〜3500Kの暖色系が最適です。この帯域は副交感神経を優位にし、患者のリラックスを促す効果があります。同時にRa90以上の高演色性を確保することで、皮膚の赤みやうっ血状態の色判別精度も維持できます。

Q. 治療院でLED導入する際、蛍光灯からの変更で問題は起きませんか?

A. 既存の器具をそのまま流用できるケースと、器具ごと交換が必要なケースがあります。COBテープLEDへの全面移行の場合は新規配線が必要ですが、工事期間中の営業継続が可能な分割施工にも対応しています。施工前の現地調査で確認してください。

Q. 2027年の蛍光灯生産終了は治療院にどう影響しますか?

A. 鍼灸院・整骨院では施術室の蛍光灯が劣化すると患者への色再現性が低下し、施術品質に直接影響します。2027年の生産終了後は補修部品の調達が困難になるため、2026年中のLED移行が費用対効果の観点でも最適なタイミングです。

鍼灸院・整骨院・治療院のLED照明を探していますか?

LED PRO SHOPでは業種別の最適なLED照明製品を取り揃えています。色温度・演色性・防水規格ごとに絞り込んで、施設に合った製品をお選びください。

LED製品一覧を見る →

関連する施工事例・ガイド