「照明を変えたら精肉コーナーの売上が上がった」——これは珍しい話ではありません。食品の見え方は照明の色温度と演色性で劇的に変わります。赤肉は3000Kの温白色でより鮮やかに、野菜は4000Kで生き生きと、鮮魚は3500Kで光沢が引き立ちます。本記事では580㎡スーパーマーケットの照明リニューアル事例を通じて、食品売場ゾーン別の最適照明設計を詳細に公開します。
施設規模
580
㎡
施工ゾーン
4
ゾーン
テープ総長
118
m
総消費電力
1,060
W
電力削減率
48
%
電源台数
6
台
1. 食品売場で照明が売上に直結する理由
色温度で食品の「見え方」が変わる
精肉・ハム売場
推奨: 3000K / Ra95
温白色(3000K)は赤みを強調し、肉の新鮮さと脂の白さを美しく見せます。Ra95以上でR9(深赤)スコアが高い製品を選ぶのがポイント。
鮮魚・刺身売場
推奨: 3500K / Ra90
中間色(3500K)は魚の光沢と白身の透明感を保ちつつ、赤身の発色も良好。青白すぎると鮮度が悪く見えるため4000K以上は避ける。
青果・野菜・果物
推奨: 4000K / Ra90
やや白みがかった4000Kは葉物野菜の緑を鮮やかに、果物の赤・オレンジを鮮明に見せます。冷蔵ケース内は同色温度のIP44品を選択。
惣菜・ベーカリー
推奨: 3000K / Ra90
電球色系(3000K)はパンの焼き色・惣菜の温もりを引き立てます。食欲訴求力が最も高いゾーンです。ショーケース内も温白色で統一。
食品売場の照明選定で最も重要なこと:「明るさ」よりも「色の見え方」を優先してください。Ra70の明るい照明よりもRa90〜95の適正照度の方が食品の購買意欲を高めます。照度の目標値はJIS Z 9110(小売店舗:500〜1000lx)を参考にしつつ、食品の見え方を優先して色温度とRa値を決定することを推奨します。
2. 4ゾーン施工計画と仕様一覧
ゾーン別施工仕様一覧
| ゾーン | 用途 | W/m | 色温度 | Ra | IP | テープ長 | 消費電力 | PSU |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Zone A | 精肉・ハム売場 | 12 W/m | 3000K | Ra95 高演色 | IP20 | 30m | 360W | 400W × 1台 |
| Zone B | 鮮魚・刺身売場 | 10 W/m | 3500K | Ra90 | IP44 | 24m | 240W | 300W × 1台 |
| Zone C | 青果・野菜・果物 | 10 W/m | 4000K | Ra90 | IP44 | 36m | 360W | 200W × 2台 |
| Zone D | 惣菜・ベーカリー・レジ前 | 8 W/m | 3000K | Ra90 | IP20 | 28m | 224W | 250W × 1台 |
| 合計 | 118m | 1,184W | PSU 6台 | |||||
鮮魚・青果のIP44選定理由:鮮魚売場・青果売場の冷蔵ケース周辺は結露・水飛沫が発生します。ケース天面および棚下への施工はIP44(飛沫防水)以上を指定し、冷蔵内部配線は防水コネクタで処理しています。精肉のショーケース外(壁コーニス)はIP20で十分です。
3. 精肉売場のRa95選定とR9スコアの重要性
精肉売場でRa95以上が必要なのは、「赤」の発色に特化した演色評価数 R9 が高くないと肉の新鮮さが損なわれるためです。
Ra 80以下(低演色)
精肉が褐色がかって見える。脂の白さが灰色に近づく。鮮度が悪いような第一印象を与えてしまい購買を妨げる。コスト優先で誤って選ぶと売上低下につながる。
Ra 80〜89(標準演色)
概ね自然だが高品質感に欠ける。スーパーの一般売場(乾物・缶詰等)では十分だが、生鮮食品コーナーには不向き。R9スコアが低い品は赤みが弱い。
Ra 90〜94(高演色)
大半の食品売場で十分な演色性。青果・鮮魚・惣菜はこのレンジで色鮮やかに見える。精肉はR9スコア次第で差が出る。
Ra 95以上(最高演色)
精肉・刺身コーナーの標準。深い赤(R9≥50)が確保されており、肉の艶・新鮮さが正確に再現される。高品質スーパー・精肉専門店が採用するグレード。
4. 食品売場の色温度ゾーン設計の考え方
| 食品カテゴリ | 推奨色温度 | 理由 | 避けるべき色温度 |
|---|---|---|---|
| 精肉・ハム・加工肉 | 2700〜3000K | 温白色〜電球色が赤みを強調。脂の白さを美しく見せる | 4000K以上(青みが増して鮮度が悪く見える) |
| 鮮魚・刺身 | 3000〜3500K | 赤身と光沢を両立する中間色。透明感のある白身が美しく見える | 2700K(黄みが強すぎる)・5000K(白身が青白く見える) |
| 青果(葉物野菜) | 4000〜4500K | やや白み〜昼白色で緑の鮮やかさが際立つ | 2700K(緑が黄ばんで萎れた印象) |
| 果物(赤・橙系) | 3500〜4000K | 苺・みかん・桃など赤橙系の鮮やかさが最大化される | 2700K(赤みが強すぎて不自然) |
| 惣菜・弁当 | 3000K | 温かみを演出し食欲訴求力が高い。揚げ物の色づきが映える | 5000K以上(工場的な印象になる) |
| ベーカリー | 2700〜3000K | 焼き色が豊かに見え、バターやクリームの質感が美しく映える | 4000K以上(焼き色が薄く見える) |
| 乳製品・飲料・缶詰 | 4000K(店舗全体統一) | パッケージデザインの視認性を重視。特別な食欲演出不要 | 特に制約なし(店舗全体の統一感を優先) |
5. リニューアル前後の比較データ
48%
電力削減率
(2,040W → 1,060W)
(2,040W → 1,060W)
Ra95
精肉ゾーン演色指数
(旧: Ra75)
(旧: Ra75)
4
ゾーン別色温度
(旧: 一律5000K蛍光灯)
(旧: 一律5000K蛍光灯)
| 項目 | リニューアル前(蛍光灯一律) | リニューアル後(COB 24V LED) |
|---|---|---|
| 総消費電力 | 2,040W | 1,060W(1,184W定格 × 約89%稼働換算) |
| 精肉コーナー演色指数 | Ra75 | Ra95(R9 ≥ 60) |
| 色温度設計 | 一律 5000K蛍光灯 | ゾーン別 3000K〜4000Kの4段階設計 |
| ランプ交換コスト(年間) | 蛍光管交換 約45万円 | 設計寿命50,000h(約20年相当)・メンテほぼゼロ |
| フリッカー(蛍光灯特有のちらつき) | あり(100Hz) | ゼロ(COB + DC電源) |
6. 店舗担当者が語る導入効果
- 「精肉コーナーの客足が増えた」:改装後2週間で精肉コーナーの立ち寄り客数が増加。「お肉がきれいに見える」という来店者の声を複数いただきました。
- 「見切り品のタイミングが遅くなった」:以前は蛍光灯の演色性が低く、肉の色が夕方に悪く見えて早めに値引きしていましたが、Ra95照明では閉店2時間前まで見栄えが保たれるようになりました。
- 「野菜売場で萎れた印象がなくなった」:5000K蛍光灯では葉物が黄ばんで見えることがありましたが、4000K COBに変えて緑の鮮やかさが改善されました。
- 「電気代が思ったより下がった」:月次の電力使用量が48%削減。投資回収は約14ヶ月の見通しで、予想より早い回収ペースです。
- 「従業員から目が疲れにくくなったという声」:COB LEDはフリッカーがゼロのため、8時間以上作業するパート・正社員から目の疲れが減ったという声が上がっています。
食品売場・スーパーのLED照明改装をご検討中の方へ
精肉Ra95・ゾーン別色温度設計・IP44冷蔵ケース対応の業務用COB 24V LEDテープをLED PRO SHOPでご覧ください。大ロット施工の見積もりもお気軽にご相談ください。
COB 24V LEDテープを見る 電源ユニットを見る