施設照明ガイド

整骨院・接骨院 LED照明ガイド
施術室・受付・待合の照度基準と演色性Ra90選定

色温度・照度・グレア対策・省エネ試算を施設担当者・施術師向けに徹底解説

公開: 2026-05-19 | カテゴリ: 施設照明ガイド

照明選定ミスが施術品質とリピート率に直結する

整骨院・接骨院で照明の演色性(Ra値)や色温度を誤ると、皮膚の炎症・内出血・筋肉の張りが見えにくくなり施術精度が低下します。また待合室の照明が高色温度で明るすぎると患者のリラックス効果が損なわれ、施術後の満足度とリピート率に影響します。蛍光灯からLEDへの切り替え時に同じW数・色温度で選ぶと、Ra値が低下して施術環境が悪化するケースがあります。

整骨院・接骨院 エリア別照明基準

施術室(ベッド・施術台)

照度(台面)500lx以上
色温度4000〜5000K
演色性Ra90以上
フリッカーTI値1%以下
グレア対策UGR19以下

受付・カウンター

照度300〜500lx
色温度3000〜4000K
演色性Ra85以上
目的温かみ・清潔感

待合室・ロビー

照度150〜300lx
色温度2700〜3500K
演色性Ra80以上
目的リラックス・安心感

廊下・トイレ

照度100〜200lx
色温度3000〜4000K
演色性Ra80以上
備考センサー対応で省エネ

施術室の演色性(Ra値)選定が重要な理由

整骨院では施術師が患者の皮膚の状態(内出血・炎症・浮腫・筋肉の張り)を視覚で確認しながら施術します。演色性が低い照明では実際の色と異なって見えるため、施術精度に直接影響します。

Ra値 見え方の特徴 整骨院への適合性 代表的な用途
Ra95以上 自然光に最も近い・皮膚色・内出血が正確に見える 最適 ◎ 鍼施術・細かい施術
Ra90〜94 皮膚の状態が概ね正確に見える・実用的 推奨 ○ 一般整骨・マッサージ
Ra80〜89 赤系が弱く皮膚の血色・炎症が見えにくい 要注意 △ 待合・廊下のみ
Ra80未満 色の再現性が低く施術環境として不適切 不適 ✗ 施術室での使用禁止

蛍光灯からLEDへの切り替え注意点:一般的なLED電球のRa値は80程度です。蛍光灯(Ra85程度)からLEDへの単純置き換えでRa値が下がる可能性があります。施術室のLED選定では必ずスペック表の「Ra値」または「CRI値」が90以上であることを確認してから購入してください。

色温度 — エリア別推奨値と効果

色温度 印象・効果 施術室 待合室 受付
2700〜3000K(電球色) 温かみ・くつろぎ・眠気促進 不向き ✗ 推奨 ○
3500〜4000K(温白色) 温もりと清潔感のバランス 推奨 ◎
4000〜5000K(白色/昼白色) 清潔・集中・作業効率向上 推奨 ◎ △(高齢者に刺激感)
5000〜6500K(昼光色) 覚醒・冷たい印象・目が疲れやすい 施術内容による△ 不向き ✗

グレア(まぶしさ)対策 — 患者が仰向けになる施術台の注意点

施術台では患者が仰向けになって天井を直視する状態が続きます。照明が直接視野に入るとまぶしさ(グレア)が不快感・眼精疲労・リラックス阻害を引き起こします。

施術室の推奨スペックまとめ

台面照度
500lx以上
JIS Z 9110 精密作業基準
色温度
4000〜
5000K
昼白色・集中・皮膚視認
演色性
Ra90以上
Ra95以上を強く推奨
フリッカー
TI 1%以下
フリッカーフリー製品を選択
グレア指数
UGR 19以下
仰向け時の眩しさ対策
IP規格
IP20以上
屋内防塵対応(標準品)

蛍光灯からLED切り替え時の省エネ試算

整骨院モデル(施術室3室 + 待合・受付)の試算例

項目蛍光灯(現状)LED切替後削減効果
施術室3室(天井灯計12本)Hf32W×12 = 384W18W×12 = 216W▲168W (44%削減)
待合室・受付(8本)FLR40×8 = 320W20W×8 = 160W▲160W (50%削減)
廊下・トイレ(4本)FLR20×4 = 80W8W×4 = 32W▲48W (60%削減)
合計(12時間/日・300日/年)2,827kWh/年1,476kWh/年▲1,351kWh (48%削減)
電気代削減(30円/kWh想定)84,810円/年44,280円/年▲40,530円/年

照明リニューアルの手順

LED選定チェックリスト(施術室)

よくある質問

Q. 整骨院・接骨院の施術室に適した照明の色温度は何Kですか?
施術室は4000K〜5000Kの白色〜昼白色が推奨です。3000K以下の電球色では皮膚の状態や筋肉の張りが見えにくく施術精度が下がります。一方6500K以上の高色温度は患者に冷たい印象を与えリラックス効果が低下します。受付・待合は3000K〜3500Kで温もりを演出するのが一般的です。
Q. 整骨院の施術室に必要な演色性(Ra値)はいくつですか?
施術室の演色性はRa90以上が推奨です。Ra80の照明では皮膚の色や筋肉の状態が実際の色と異なって見え、内出血・炎症の見落としリスクがあります。特に高齢者の皮膚は色変化が微妙なため、Ra95以上あるとより正確な視認が可能です。
Q. 整骨院の施術室の照度(明るさ)の目安はどのくらいですか?
施術台面の照度は500lx以上が目安です。JIS Z 9110では精密作業500〜1500lx、一般作業300〜500lxとされており、施術の種類によって必要照度が変わります。鍼施術など細かい作業を行う場合は750lx以上あると安全性が高まります。受付カウンターは300lx以上、待合室は150〜200lxが適切です。
Q. 整骨院でLEDのチラつき(フリッカー)が患者に影響しますか?
フリッカー(点滅)がある照明は施術を受ける患者の眼精疲労や頭痛を引き起こす可能性があります。特に長時間施術台で仰向けに照明を直視する患者にとって影響が大きく、フリッカーフリー(TI値1%以下)のLED照明を選ぶことが推奨されます。また調光器との組み合わせではフリッカーが増加するため相性確認が必要です。

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