学校体育館の照明が抱える2大問題
- 競技フロアの照度不足・照度ムラ(500lx未満):バスケットボール・バレーボール・バドミントン等の競技でボール軌道・コートラインの視認が困難になり、生徒の安全事故リスクが高まる
- グレア(UGR22超え):天井面から光が目に直接入ると顔を上げたプレー(バレー・バドミントン等)で視界が妨げられ競技品質と安全性が低下する
- 高天井(10m以上)の水銀灯・メタルハライドランプ:ランプ寿命6,000〜12,000時間で年1〜2回の高所作業車・足場による交換が必要で、学校予算に大きな負担をかける
- 水銀灯の2027年製造・輸出入禁止:2027年以降は水銀灯の国内製造・輸出入が禁止予定(水俣条約)で、代替球の入手が困難になりLEDへの移行が不可避
施設概要・導入前の状況
対象施設は公立中学校の体育館。バスケットボールコート2面(競技フロア1,000㎡)・ステージ・観客席・更衣室・玄関ホールを含む施設です。
導入前は高天井(10m)に400W水銀灯×16台を使用。照度は350〜400lxと基準の500lxに届かず、照度ムラも大きくコートの端が暗い状態でした。ランプ寿命が尽きるたびに高所作業車(1回7万円)を手配する必要があり、年間の維持費が約30万円かかっていました。また2027年の水銀灯製造禁止も踏まえ、早期のLED切替を検討していました。
学校体育館のLED化は「省エネ補助金(経済産業省)」「学校施設環境改善交付金(文部科学省)」「自治体独自の省エネ助成金」等の対象になる場合があります。本施工事例では省エネ補助金を活用し、初期投資額を約45%削減。実質回収期間を3.5年から1.8年に短縮しました。
補助金の適用条件・申請期間は年度ごとに変わるため、計画段階での早期確認をお勧めします。
5ゾーン別LED照明設計
| ゾーン | 仕様 | 器具 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 競技フロア | 5000K / Ra80 / 500lx均一 / UGR<22 / 高天井対応 | 高天井LED投光器150W×16台(ビーム角60°) | バスケ・バレー・バドミントン競技照明基準達成 |
| ステージ・観客席 | 5000K / Ra80 / 300lx | 高天井投光器100W×8台 | 行事・卒業式・入学式の演壇・観客視認性確保 |
| 更衣室 | 4000K / Ra80 / 200lx / IP44防湿 / PIRセンサー | 防湿ベースライト20W×12台 | 着替え視認性確保・不使用時自動消灯節電 |
| 玄関ホール・廊下 | 5000K / Ra80 / 200lx / PIRセンサー | 直管LED20W×10台 / PIRセンサー | 生徒の安全確保・授業外時間の自動節電 |
| 屋外(体育館周辺) | IP65 / PIRセンサー / タイマー制御 | 投光器30W×6台 | 夜間部活・地域開放時の安全照明・深夜節電 |
導入後の効果
競技フロアの照度が350〜400lxから500lx均一に改善し、照度ムラも解消されました。バレーボール・バドミントンの試合でボールが天井付近を通過する場面でのグレアも、UGR19達成により大幅に軽減されています。水銀灯の高所交換作業が不要になったことで年間約30万円の維持費も削減され、電気代削減分65万円と合わせると実質的な年間削減効果は95万円となりました。
施工の流れ
現地調査・照度測定・補助金確認:競技フロア全域でグリッド照度測定。高天井の配線ルート・分電盤容量確認。補助金の申請窓口・スケジュールをご案内。
補助金申請サポート・設計確定:補助金申請書類の作成をサポート。DIALuxで500lx均一・UGR22以下のシミュレーションを実施し設計を確定。
施工(夏休み・冬休みに集中実施):授業・部活への影響を最小限にするため、長期休暇中に施工。高所作業車で高天井投光器を一括設置(3日間)。
照度確認・UGR測定・調整:施工後にグリッド測定で500lx均一を確認。UGR19達成を実測確認。PIRセンサーの感度・点灯時間を調整。
完了・効果報告:導入3ヶ月後に電気明細で削減効果を確認。補助金精算書類の作成をサポート。