施工事例

美容院・エステサロンのLED照明施工事例
鏡前・天井間接・施術スペースの設計

首都圏の美容サロン(6席)へのLED照明リニューアル事例。鏡前ミラーライト・天井コーブ間接照明・シャンプー台・施術ベッドの4ゾーン設計と、Ra95高演色COBテープ選定の理由を解説します。

公開日: 2026-05-01 | LED PRO SHOP

1. サロン照明の基本要件

美容院・エステサロンの照明は「施術者(技術者)の作業性」と「来店客の居心地・リラックス感」の両立が最大の課題です。一般的な商業空間と異なり、以下の3点が特に重要になります。

Ra値とサロン照明の関係

Ra95の照明下では、毛染めの発色が自然光に近い状態で確認できます。Ra80〜85では赤みが強調されやすく、染色後の色確認に誤差が生じることがあります。施術エリアには最低Ra90、理想はRa95以上を選んでください。

2. 4ゾーン別の設計仕様

今回の事例は6席の美容サロン(全体延床面積約80㎡)のリニューアル施工です。スタイリングチェア・シャンプー台・施術ベッド・受付カウンターの4ゾーンに分けて設計しました。

Zone A
スタイリングチェア(鏡前ミラーライト)
テープ
COB 24V 8W/m
色温度
4000K
演色性
Ra95
テープ長
6席 × 4m = 24m
消費電力
8×24 = 192W
アルミフレーム
Uチャンネル(通常型)
ミラー左右に縦型ストリップとして設置。鏡前の顔・髪への影がなく均一照度が得られる。4000Kは「昼白色」に相当し、髪色の仕上がりが自然光に近い状態で確認できる。Ra95で毛染め後の発色確認精度が高い。
Zone B
天井コーブ間接照明(全体空間)
テープ
COB 24V 6W/m
色温度
3000K
演色性
Ra90
テープ長
42m
消費電力
6×42 = 252W
アルミフレーム
Tチャンネル(埋め込み型)
天井周辺のコーブ(段差)に埋め込み型フレームで設置。直接光を天井面に当て、柔らかい反射光で全体を照らす。3000K・Ra90は高品質感とリラックス感を両立するバランス色温度。ダウンライトなしでも均一な全体照度が確保できる。
Zone C
シャンプー台エリア
テープ
COB 24V 5W/m
色温度
2700K
演色性
Ra90
テープ長
18m
消費電力
5×18 = 90W
防水グレード
IP44(水しぶき対応)
シャンプー台周辺は水しぶきが飛ぶためIP44以上の防水グレードが必要。2700K(電球色)は目を閉じた施術中の顧客がリラックスできる温かみのある光。棚下間接照明として設置し、直接顧客の目に入らない角度を確保。
Zone D
受付カウンター・待合スペース
テープ
COB 24V 5W/m
色温度
3000K
演色性
Ra90
テープ長
14m
消費電力
5×14 = 70W
アルミフレーム
Tチャンネル(埋め込み型)
カウンター下面・壁面コーブに設置。来店時の第一印象を作る空間なので、過剰な明るさより奥行きと高級感を演出する照度バランスにする。Zone Bと同じ3000Kで色温度統一感を保ちつつ、調光で来客時間帯に合わせた調整が可能。

全ゾーン合計(80㎡サロン)

98m
総テープ長
604W
合計消費電力
785W
電源総容量(×1.3倍)
7台
電源装置数
4ゾーン
調光グループ

3. 色温度と演色性の選定理由

美容サロンで最も重要な照明スペックが「色温度」と「演色性(Ra値)」です。この2つのバランスが施術品質と顧客体験を左右します。

ゾーン 色温度 Ra値 選定理由
鏡前(Zone A) 4000K Ra95 髪色・毛染め確認。自然光に最も近い作業光
天井コーブ(Zone B) 3000K Ra90 全体の雰囲気・高品質感。ダウンライトとの相性
シャンプー台(Zone C) 2700K Ra90 リラックス重視。目を閉じた顧客への温かみ
受付・待合(Zone D) 3000K Ra90 第一印象・空間統一感

なぜ「白色LED」ではなくCOBテープなのか

従来の白色LEDテープは光源が点状(1個ずつのLEDチップが見える)で、アルミフレームに入れても粒粒感が残ります。COBテープは発光面全体が均一に光るため、ミラー前に設置した場合でも「光の帯」として綺麗に見え、施術者・顧客ともに目疲れが少ないのが特長です。

よくある失敗:Ra値を確認せずに購入
  • 「3000Kの白色テープ」と表記があってもRa80〜85の製品は多い
  • 毛染め確認には必ずRa90以上(鏡前はRa95)を指定する
  • 製品スペック表の「CRI」または「Ra」の数値を確認してから発注する

4. 電源設計と容量計算

総消費電力604Wに対して、電源容量は安全余裕1.3倍(785W相当)を確保しました。単一の大容量電源より小容量を分散配置することで、メンテナンス性と電圧降下対策を両立しています。

ゾーン 消費W 電源容量(×1.3) 電源台数 設置場所
Zone A(6席鏡前) 192W 250W 2台 × 150W 鏡背面の点検口
Zone B(天井コーブ) 252W 330W 3台 × 120W 天井裏3か所に分散
Zone C(シャンプー台) 90W 120W 1台 × 120W シャンプー台キャビネット内
Zone D(受付) 70W 100W 1台 × 100W 受付カウンター裏
天井コーブは3分割が鉄則

天井コーブ42mを1台の電源で賄おうとすると、テープ末端で顕著な電圧降下(暗くなる)が起きます。今回は14mごとに電源を1台ずつ3か所に設置し、各電源から独立したスター配線を行うことで均一な輝度を実現しました。

5. 鏡前ミラーライトの施工ポイント

鏡前照明はサロン照明で最も重要なゾーンです。影の出方と照度バランスが施術品質に直結するため、設置位置と取り付け角度に細心の注意が必要です。

推奨レイアウト(6席スタイリングチェア)

鏡への映り込み対策

LEDテープが鏡に映り込むと、来店客が「光源が見える」状態になり不快に感じます。以下の対策で映り込みを軽減します。

6. 調光設計(シーン別)

美容サロンは時間帯・施術内容によって求められる照度が変わります。PWM調光コントローラーで各ゾーン独立の調光設定を行いました。

シーン Zone A
鏡前
Zone B
天井コーブ
Zone C
シャンプー台
Zone D
受付
施術中(通常) 100% 70% 60% 80%
毛染め確認 100% 100%
シャンプー中 30% 50% 100%
閉店準備 50% 40% 20% 60%
撮影・記念写真 80% 80% 100%
スマホ撮影への対応

施術後の仕上がり写真はSNS投稿・ポートフォリオに使われることが増えています。撮影時は調光を80%前後にすると、カメラの自動露出と相性が良く、自然な仕上がりの写真が撮れます。100%全灯は顔に強い影が出ることがあります。

7. サロン照明 選定チェックリスト

美容院・エステサロンでLEDテープを選ぶ際の確認ポイントをまとめました。

確認項目 推奨値 理由
演色性(Ra値) 鏡前: Ra95 / その他: Ra90 毛染め・肌色の正確な判断に必須
色温度(鏡前) 3500K〜4000K 自然光に近い色確認環境
色温度(リラックスゾーン) 2700K〜3000K 顧客のくつろぎ感と高級感
発光均一性 COBテープ 点状光源のちらつきなし・影が出ない
シャンプー台防水 IP44以上 水しぶきへの対応
調光 ゾーン独立PWM調光 施術シーン別の照度コントロール
電源分散 8m以内ごとに1台 電圧降下対策・輝度均一化

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