1,200㎡市立図書館 / 4ゾーン設計 / 電力54%削減 / 眼精疲労クレームゼロ達成
図書館は、読書・学習・調査という長時間の視作業が行われる施設であり、照明設計に求められる要件は一般施設より厳格だ。グレア(まぶしさ)の排除・均一な照度・長時間点灯への対応・静音性の4点が特に重要となる。
今回の施工対象は、1日平均450人が利用する1,200㎡の市立図書館。蛍光灯(昭和60年代設置)の老朽化が進み、ランプ切れが頻発していた。設備維持費の削減と利用者サービス向上(眼精疲労軽減・快適な読書環境)を両立するため、フルLEDリニューアルを実施した。
閲覧室に4000K/Ra90の均一照明(500lx)を配備し、書架エリアに人感センサーLEDを採用、視聴覚室は調光対応とした4ゾーン構成で、公共施設としての快適性と省エネを両立した。
旧来の蛍光灯(むき出しタイプ)は輝度が高く、閲覧テーブルで読書中に視野に入る光源が眩しいという苦情が年間15〜20件。「長時間いると目が疲れる」「蛍光灯がちらつく」という利用者の声が運営部門に届いていた。
書架の間(通路)は光が届きにくく、床面照度が50〜80lxと低い箇所があり、本の背表紙の文字が読みづらい状況。特に高齢の利用者から「暗くて本が選べない」という声が複数寄せられていた(JIS Z 9110の図書館閲覧室推奨照度:500lx)。
1,200㎡の施設に蛍光灯を約180本使用。年間交換本数が約120本で、工事業者への依頼費を含めると年間の照明関連維持費が約240万円。さらに老朽化が進む安定器の交換費用も加算され、施設管理部門の大きな負担となっていた。
インバータ式蛍光灯でも高周波点灯(40kHz帯)のちらつきが存在し、長時間の読書・勉強中に無意識の疲労を引き起こす可能性がある。特に光感受性の高い利用者(発達障害・片頭痛持ち等)から配慮を求める声があった。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 色温度 | 4000K(白色・集中力維持と疲労軽減のバランス) |
| 演色指数 | Ra90 |
| 消費電力 | 10W/m |
| 施工延長 | 240m |
| 合計電力 | 2,400W |
| 照度 | 500lx均一(JIS Z 9110 図書館閲覧室標準値) |
| グレア対策 | 間接照明方式(天井面バウンス)+アクリルカバー拡散板 |
| 特記 | フリッカーフリー(DCスイッチング電源採用) |
閲覧テーブル600席のある主要スペース。間接照明設計(LEDテープを天井コーニスに埋め込み、天井面で拡散)により、光源が直接視野に入らないグレアレス環境を実現。照度均斉度(最低照度÷平均照度)0.75以上を達成し、どの席でも等しく快適な読書照明を確保した。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 色温度 | 4000K |
| 演色指数 | Ra90 |
| 消費電力 | 8W/m |
| 施工延長 | 180m |
| 合計電力 | 1,440W(通常時・人感センサー全点灯) |
| 照度 | 200〜300lx(書架通路・JIS Z 9110 書庫推奨値200lx以上) |
| センサー | 人感センサー(PIR)15分タイマー:人がいない通路は20%調光待機 |
書架間の通路幅は約900mm。各書架上部に沿ってLEDテープを配置し、背表紙全体を均一に照らす設計。人感センサーにより、利用者がいない通路は自動調光(100%→20%)することで大幅な省エネを実現しながら、必要な時に瞬時に全点灯する快適な使用感を確保した。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 色温度 | 3500K(白色・温もりと清潔感のバランス) |
| 演色指数 | Ra90 |
| 消費電力 | 10W/m |
| 施工延長 | 40m |
| 合計電力 | 400W |
| 照度 | 300〜500lx |
来館者が最初に接するエントランスと、司書が業務を行う貸出カウンター。閲覧室の4000Kより少し暖かみのある3500Kで「来やすい図書館」の印象を演出。カウンター作業面(バーコードスキャン・図書整理)は500lxを確保。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 色温度 | 3000K〜5000K(PWM調光+色温度可変) |
| 演色指数 | Ra90 |
| 消費電力 | 12W/m |
| 施工延長 | 60m |
| 合計電力 | 720W(最大) |
| 照度 | 30〜600lx(映写モード〜会議モード) |
| プリセット | 映写:30lx / 説明会:300lx / 閲覧:500lx / 展示:色温度可変 |
映画上映・講演会・読み聞かせ・展示会など多目的に使われるスペース。調光コントローラーで用途に応じた照明プリセットを設定。映写時は30lxまで絞り、講演会は300lx、閲覧時は500lxと、ワンタッチで切り替えられる環境を構築した。
| ゾーン | 色温度 | Ra | 延長 | 電力 | 照度目標 |
|---|---|---|---|---|---|
| Zone A 閲覧室 | 4000K | Ra90 | 240m | 2,400W | 500lx均一 |
| Zone B 書架 | 4000K | Ra90 | 180m | 1,440W | 200〜300lx |
| Zone C エントランス | 3500K | Ra90 | 40m | 400W | 300〜500lx |
| Zone D 視聴覚室 | 3000〜5000K | Ra90 | 60m | 720W | 30〜600lx |
| 合計 | — | — | 520m | 4,960W | — |
開館時間:10時間/日 × 300日/年(休館日除く)= 3,000時間/年
初期投資(機器+施工):約420万円 / 投資回収期間:約1.8年
| グレア対策手法 | 効果 | 今回の採用可否 |
|---|---|---|
| 間接照明(天井バウンス) | 光源が直接視野に入らず、まぶしさゼロ | 採用(閲覧室・視聴覚室) |
| 拡散カバー(アクリル・乳白) | 輝度を分散し眩しさを緩和 | 採用(全ゾーン) |
| ルーバー(格子シェード) | 光の放出角を制限し直接光を抑制 | △(一部書架上部に採用) |
| 高さによる制御(低照度+均一配置) | 光源を視線より高く配置しグレア回避 | 採用 |
| UGR値(統一グレア評価指数)管理 | UGR19以下で快適な読書環境(ISO 8995準拠) | 採用(UGR16達成) |
図書館においてUGR(Unified Glare Rating)値は19以下が快適な視作業の目安。今回の間接照明設計ではUGR16を達成し、長時間閲覧でも眼精疲労が生じにくい環境を実現した。
最大の効果:書架エリアの人感センサーによる省エネ
書架180mに人感センサーを設置した結果、利用者がいない時間帯(20%調光)の比率が平均で全点灯時間の約65%に達した。書架エリアだけで年間約22万円分の電力削減となり、センサー導入コストを1年以内に回収した計算になる。
今回の施工では、LED PRO SHOP取り扱いのCOB 24V LEDテープ(Ra90)を全ゾーンに採用。24V駆動による低発熱・長距離配線に加え、COB構造による均一な発光面が拡散板と組み合わせて特に効果を発揮した。
公共施設・官公庁・教育施設への実績多数。補助金申請書類(省エネ診断書)作成サポートも対応可能。
グレアレス設計・均一照度・省エネ・補助金活用を組み合わせた最適提案を行います。照度シミュレーション・UGR計算・電力削減試算は無料で対応。公共施設向け実績・見積もりはお気軽にお問い合わせください。
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