▲ 看板LED照明でよくある選定ミス3パターン

1. 看板の種類とLED選定の基本

看板照明に使うLEDは「どの種類の看板か」によって最適な製品が大きく異なります。大きく4種類に分類して考えます。

内照式看板(アクリル内部から照射)
推奨LED: LEDモジュール・COBテープ
色温度: 6500K(白)or 3000K(電球色)
IP規格: IP20〜IP33(屋内筐体内部)
光束目安: 奥行き5cm: 500〜800lm/m
外照式看板(外部から看板面を照らす)
推奨LED: 屋外用投光器・LEDバーライト
色温度: 4000K〜6500K(視認性重視)
IP規格: IP65以上(屋外露出)
光束目安: 看板面積1㎡あたり1,500〜3,000lm
チャンネル文字(立体文字内部LED)
推奨LED: LEDモジュール(専用)
色温度: ブランド指定色・白6500K多い
IP規格: IP44以上(筐体内・防滴)
光束目安: 文字奥行き5cm: 400〜600lm/m
バックライト看板(フィルムシート透過)
推奨LED: 高密度LEDテープ・COBテープ
色温度: 6500K(白系)・RGB対応可
IP規格: IP20〜IP44(筐体内)
光束目安: 800〜1,200lm/m(均一性重視)

2. 看板種類別 LED仕様比較表

看板種類 LED製品 W数目安 IP規格 色温度 主な注意点
内照式(アクリル) LEDモジュール 0.5〜1W/個 IP20以上 6500K / 3000K LED間隔30〜50mm・均一発光
内照式(乳白板) COBテープ 8〜14W/m IP20以上 6500K / 4000K 奥行き最低3cm確保・過熱注意
外照式(路面・壁面) LED投光器 30〜100W IP65以上 4000K〜6500K 光源が直接雨にかかるためIP65必須
チャンネル文字 LEDモジュール 0.3〜0.8W/個 IP44以上 6500K / ブランド指定 文字内部は防滴・配線防水処理必須
バックライト 高密度テープ 10〜20W/m IP33以上 6500K / RGB 均一性最優先・COBテープ推奨
屋外スタンド看板 LEDバーライト 10〜30W IP67以上 4000K〜6500K 低位置設置は水没リスク→IP67以上

3. 屋外看板のIP規格選定

屋外に設置する看板照明では防水規格(IP規格)が最重要です。IP規格の選定ミスは雨水浸入による早期故障・漏電・火災リスクに直結します。

IP規格 防水レベル 用途 適否
IP20 防水なし(固形物保護のみ) 屋内内照式看板の内部 屋内OK
IP33 防滴(60°以内の降雨に対応) 軒下・屋根あり設置 軒下のみ
IP44 飛沫防護(全方向の飛沫) チャンネル文字・半屋外 半屋外OK
IP65 防塵・防噴流(直射水流に対応) 屋外露出設置の看板照明 屋外標準
IP67 防水(30分間の水没に対応) 地面近く・水没リスクあり 低位置設置
IP68 完全防水(継続水没対応) 噴水・池・完全水中 水中演出
IP規格の見方

IPの後の数字は「第1数字(固形物保護)+第2数字(液体保護)」です。IP65なら「6=完全防塵・5=噴流保護」。屋外看板照明にはIP65が最低ラインで、台風・強雨が想定される設置場所ではIP66以上を推奨します。

4. 色温度の選定基準

看板照明の色温度は業種・ブランドイメージと視認性の両方を考慮して選びます。

色温度 色の印象 適した業種・用途 避けるべき用途
2700K〜3000K 電球色(温かみ・オレンジ) 飲食店・バー・旅館・高級店 食品スーパー・医療機関
3500K〜4000K 温白色(中間・自然) アパレル・美容院・カフェ・複合施設 特になし(汎用)
5000K〜6500K 昼白色・昼光色(白・青白) コンビニ・病院・ガソリンスタンド・工場 高級飲食店・温浴施設
RGB(フルカラー) 色変化・演出 エンターテイメント・ナイトクラブ・イベント 視認性が重要な業務用途
▲ 飲食店看板の色温度ミスは集客に直結

5. 省エネ・投資回収シミュレーション

蛍光灯・HIDランプからLEDへの切り替えによる電気代削減と投資回収期間の目安です。

現状照明 消費電力 LED置換後 削減W数 年間削減額
(12h/日)
投資回収期間
(LED費用3万円)
蛍光灯40W×2本 80W LEDモジュール 約55W削減 約26,000円 約14ヶ月
蛍光灯40W×4本 160W LEDテープ+モジュール 約110W削減 約52,000円 約7ヶ月
メタルハライド250W 250W LED投光器100W 約150W削減 約71,000円 約5ヶ月
HIDランプ400W 400W LED投光器150W 約250W削減 約119,000円 約5ヶ月

※電気代単価27円/kWhで計算。実際の削減額は使用時間・電力会社・契約内容により異なります。

6. 内照式看板のLED交換手順と注意点

既存蛍光灯筐体へのLED組み込み

既存の内照式看板(蛍光灯式)をLEDに換える場合、筐体をそのまま使える場合と交換が必要な場合があります。

筐体流用の判定基準

LEDモジュールの間隔設計

内照式看板の均一発光を実現するためのLEDモジュール間隔の目安:

筐体奥行き 推奨LED間隔 推奨W数/個 均一性評価
3〜5cm 25〜35mm間隔 0.5〜0.8W やや点発光
5〜10cm 35〜50mm間隔 0.5〜1W 良好
10cm以上 50〜80mm間隔 1〜2W 均一・高輝度

7. 施工前チェックリスト

8. よくある質問

Q. 蛍光灯の安定器はそのまま使えますか?

いいえ、LEDに交換する場合は安定器をバイパス(撤去または無効化)する必要があります。安定器に直結するとLEDが点灯しない・誤動作・故障の原因になります。バイパス工事は電気工事士が必要です。

Q. 内照式看板が端だけ暗くなる原因は?

LEDモジュールの間隔が広すぎる、または筐体奥行きが浅く光が拡散できていないことが原因です。奥行き5cm以下の筐体では25〜30mm間隔のLEDモジュール、またはCOBテープライトの使用を推奨します。COBテープは点発光がなく均一な面発光が得やすい特性があります。

Q. 看板LED照明に調光機能は必要ですか?

深夜の減光(明るさを下げて電気代を削減)や昼夜の明るさ調整をしたい場合は調光対応のLEDドライバーと調光対応LEDの組み合わせが必要です。特に24時間営業の店舗や、深夜帯に明るさを落とす規制がある地域では有効です。

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