- 内照式看板に屋外用IP65テープを使用 → 粗い点発光でアクリル面が均一に光らない(LEDモジュールかCOBテープが必要)
- 外照式看板に低IP規格のLEDを設置 → 雨水浸入で短期故障・漏電リスク(屋外露出はIP65以上必須)
- 色温度の選定ミス → 食品・飲食店看板に6500K(青白い)を使うと食欲減退・暖色の商品が色あせて見える
1. 看板の種類とLED選定の基本
看板照明に使うLEDは「どの種類の看板か」によって最適な製品が大きく異なります。大きく4種類に分類して考えます。
2. 看板種類別 LED仕様比較表
| 看板種類 | LED製品 | W数目安 | IP規格 | 色温度 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 内照式(アクリル) | LEDモジュール | 0.5〜1W/個 | IP20以上 | 6500K / 3000K | LED間隔30〜50mm・均一発光 |
| 内照式(乳白板) | COBテープ | 8〜14W/m | IP20以上 | 6500K / 4000K | 奥行き最低3cm確保・過熱注意 |
| 外照式(路面・壁面) | LED投光器 | 30〜100W | IP65以上 | 4000K〜6500K | 光源が直接雨にかかるためIP65必須 |
| チャンネル文字 | LEDモジュール | 0.3〜0.8W/個 | IP44以上 | 6500K / ブランド指定 | 文字内部は防滴・配線防水処理必須 |
| バックライト | 高密度テープ | 10〜20W/m | IP33以上 | 6500K / RGB | 均一性最優先・COBテープ推奨 |
| 屋外スタンド看板 | LEDバーライト | 10〜30W | IP67以上 | 4000K〜6500K | 低位置設置は水没リスク→IP67以上 |
3. 屋外看板のIP規格選定
屋外に設置する看板照明では防水規格(IP規格)が最重要です。IP規格の選定ミスは雨水浸入による早期故障・漏電・火災リスクに直結します。
| IP規格 | 防水レベル | 用途 | 適否 |
|---|---|---|---|
| IP20 | 防水なし(固形物保護のみ) | 屋内内照式看板の内部 | 屋内OK |
| IP33 | 防滴(60°以内の降雨に対応) | 軒下・屋根あり設置 | 軒下のみ |
| IP44 | 飛沫防護(全方向の飛沫) | チャンネル文字・半屋外 | 半屋外OK |
| IP65 | 防塵・防噴流(直射水流に対応) | 屋外露出設置の看板照明 | 屋外標準 |
| IP67 | 防水(30分間の水没に対応) | 地面近く・水没リスクあり | 低位置設置 |
| IP68 | 完全防水(継続水没対応) | 噴水・池・完全水中 | 水中演出 |
IPの後の数字は「第1数字(固形物保護)+第2数字(液体保護)」です。IP65なら「6=完全防塵・5=噴流保護」。屋外看板照明にはIP65が最低ラインで、台風・強雨が想定される設置場所ではIP66以上を推奨します。
4. 色温度の選定基準
看板照明の色温度は業種・ブランドイメージと視認性の両方を考慮して選びます。
| 色温度 | 色の印象 | 適した業種・用途 | 避けるべき用途 |
|---|---|---|---|
| 2700K〜3000K | 電球色(温かみ・オレンジ) | 飲食店・バー・旅館・高級店 | 食品スーパー・医療機関 |
| 3500K〜4000K | 温白色(中間・自然) | アパレル・美容院・カフェ・複合施設 | 特になし(汎用) |
| 5000K〜6500K | 昼白色・昼光色(白・青白) | コンビニ・病院・ガソリンスタンド・工場 | 高級飲食店・温浴施設 |
| RGB(フルカラー) | 色変化・演出 | エンターテイメント・ナイトクラブ・イベント | 視認性が重要な業務用途 |
- ラーメン・焼肉・居酒屋の看板に6500K(青白)を使うと食品が不健康に見え食欲を下げる
- コンビニ・ドラッグストアに2700K(電球色)を使うと清潔感が失われブランドイメージと乖離する
- 医療機関・歯科は4000K〜5000Kが清潔・信頼感に最適
5. 省エネ・投資回収シミュレーション
蛍光灯・HIDランプからLEDへの切り替えによる電気代削減と投資回収期間の目安です。
| 現状照明 | 消費電力 | LED置換後 | 削減W数 | 年間削減額 (12h/日) |
投資回収期間 (LED費用3万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 蛍光灯40W×2本 | 80W | LEDモジュール | 約55W削減 | 約26,000円 | 約14ヶ月 |
| 蛍光灯40W×4本 | 160W | LEDテープ+モジュール | 約110W削減 | 約52,000円 | 約7ヶ月 |
| メタルハライド250W | 250W | LED投光器100W | 約150W削減 | 約71,000円 | 約5ヶ月 |
| HIDランプ400W | 400W | LED投光器150W | 約250W削減 | 約119,000円 | 約5ヶ月 |
※電気代単価27円/kWhで計算。実際の削減額は使用時間・電力会社・契約内容により異なります。
6. 内照式看板のLED交換手順と注意点
既存蛍光灯筐体へのLED組み込み
既存の内照式看板(蛍光灯式)をLEDに換える場合、筐体をそのまま使える場合と交換が必要な場合があります。
- 筐体奥行き3cm以上: LEDモジュールまたはCOBテープを内部に配置可能
- 筐体奥行き1〜3cm: エッジ型(側面から照射)のバックライトLEDを使用
- アクリル板の状態: 黄変・ひび割れがあれば筐体ごと交換を推奨
- 電源容量: LEDドライバー(DC電源)の設置スペースを確認
LEDモジュールの間隔設計
内照式看板の均一発光を実現するためのLEDモジュール間隔の目安:
| 筐体奥行き | 推奨LED間隔 | 推奨W数/個 | 均一性評価 |
|---|---|---|---|
| 3〜5cm | 25〜35mm間隔 | 0.5〜0.8W | やや点発光 |
| 5〜10cm | 35〜50mm間隔 | 0.5〜1W | 良好 |
| 10cm以上 | 50〜80mm間隔 | 1〜2W | 均一・高輝度 |
7. 施工前チェックリスト
- 看板の種類(内照式/外照式/チャンネル文字/バックライト)を確認し、適切なLED製品を選定した
- 設置環境(屋内/屋外露出/軒下/低位置)に合ったIP規格(IP20〜IP68)を確認した
- 業種・ブランドに合った色温度(2700K〜6500K)を選定した
- 筐体の奥行きを計測し、LEDモジュール間隔または COBテープの取り付け可否を確認した
- LEDドライバー(DC電源)の設置スペースと容量(LEDの消費W×1.2)を計算した
- 屋外設置の場合、電気工事士による施工・電気工事届出の要否を確認した
- 既存電源(安定器)の撤去またはバイパス工事が必要かどうか確認した
8. よくある質問
Q. 蛍光灯の安定器はそのまま使えますか?
いいえ、LEDに交換する場合は安定器をバイパス(撤去または無効化)する必要があります。安定器に直結するとLEDが点灯しない・誤動作・故障の原因になります。バイパス工事は電気工事士が必要です。
Q. 内照式看板が端だけ暗くなる原因は?
LEDモジュールの間隔が広すぎる、または筐体奥行きが浅く光が拡散できていないことが原因です。奥行き5cm以下の筐体では25〜30mm間隔のLEDモジュール、またはCOBテープライトの使用を推奨します。COBテープは点発光がなく均一な面発光が得やすい特性があります。
Q. 看板LED照明に調光機能は必要ですか?
深夜の減光(明るさを下げて電気代を削減)や昼夜の明るさ調整をしたい場合は調光対応のLEDドライバーと調光対応LEDの組み合わせが必要です。特に24時間営業の店舗や、深夜帯に明るさを落とす規制がある地域では有効です。
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