施工事例 B-115

アイススケートリンク・スケート場 LED照明施工事例
フリッカーレス高天井換装・56%省エネ・年間56万円削減・投資回収3.4年

2,000㎡・4ゾーン構成 / HIDメタルハライド250W×24灯 → フリッカーレスCOB LEDライナー全換装

56%
省エネ率
56万円
年間電気代削減
3.4
投資回収期間
190万円
施工費(税別)
施設概要と課題

対象施設は市街地中心部に立地するアイススケートリンク(面積2,000㎡、60m×30m標準リンク)。一般滑走・フィギュア教室・ホッケー教室の3用途で年間通じて稼働する複合スポーツ施設。

既設照明は10m高天井にメタルハライド250W×24灯。スタンドは蛍光灯FLR40W×30灯、更衣室は蛍光灯40W×20灯、エントランスは蛍光灯40W×15灯の計8,600Wで構成。1日12時間・年間360日営業で電気代は年間約101万円(電気代27円/kWh換算)に達していた。

課題は3点。①メタルハライドのフリッカー(残像・ちらつき)がスケーター高速移動時の動体視認を妨げる。②HIDの再点灯に10分を要し、地震・停電後の即時再点灯ができない安全上の問題。③水銀灯規制への対応(2020年製造禁止令)で代替ランプの調達が困難化。

4ゾーン別照明設計
Zone A

リンクエリア(高天井10m)

色温度:5500K(白昼色・氷の透明感強調) 演色性:Ra85 特性:フリッカーレス / 60°スポット配光 仕様:COBライナー120W×24灯 旧設備:MH250W×24灯 → 6,000W
2,880W(旧比−52%)
Zone B

スタンド・観客席

色温度:4000K(昼白色・競技視認重視) 演色性:Ra80 仕様:COB8W/m×60m=480W 旧設備:FLR40W×30灯 → 1,200W
480W(旧比−60%)
Zone C

更衣室・シャワー室

色温度:4000K / 演色性:Ra85 特性:PIR人感センサー / IP44防湿 仕様:COB10W/m×40m PIR稼働率50%→実効消費 旧設備:蛍光灯40W×20灯 → 800W
200W実効(旧比−75%)
Zone D

エントランス・ロビー

色温度:3500K(温白色・来場者を迎える) 演色性:Ra85 仕様:COB8W/m×30m=240W 旧設備:蛍光灯40W×15灯 → 600W
240W(旧比−60%)
消費電力・コスト比較
ゾーン 旧設備(W) LED換装後(W実効) 削減率
Zone A リンク高天井6,0002,880−52%
Zone B スタンド1,200480−60%
Zone C 更衣室(PIR込)800200−75%
Zone D エントランス600240−60%
合計8,600W3,800W実効−56%

年間コスト試算(電気代27円/kWh・12h営業・360日)

  • 旧設備年間電気代:8,600W × 12h × 360日 × 27円 ÷ 1,000 = 約101万円
  • LED換装後年間電気代:3,800W × 12h × 360日 × 27円 ÷ 1,000 = 約44万円
  • 年間削減額:約56万円
  • 施工費:190万円(税別)
  • 投資回収期間:190万円 ÷ 56万円 = 約3.4年
スケートリンク特有の照明課題と解決策

フリッカーレスで動体視認性向上

メタルハライドは商用電源周波数(50Hz)に同期した明滅(フリッカー)が発生。時速30km/hで滑走するスケーターの高速動体に対してフリッカーが残像感を生み出し、危険回避判断を遅延させる。COBライナー採用でフリッカーを完全除去し、スポーツ競技・フィギュア教室における動体視認性を大幅改善。

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HID即時点灯化で停電復帰が安全

HID(高輝度放電ランプ)は消灯後の熱管球状態では再点灯できず、10〜15分の冷却待機が必要。地震・停電後の暗闇でスケーターが氷上に残留する状況は転倒・衝突リスクを生む。LEDに換装することで電源投入後0.1秒以内に100%点灯し、緊急事態の即時復旧を実現。

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5500K高色温度で氷の透明感を強調

リンクエリアに5500Kの高色温度LEDを採用。氷の白色・透明感が際立ち、氷質の視認性が向上。フィギュアスケートの衣装色や演技の陰影が鮮明に見え、観客・審判の視覚体験を向上させる。スタンド・更衣室は4000K〜3500Kと色温度を区分けし、エリアごとの機能に最適化。

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IP44防湿でシャワー室の湿気対策

スケートリンクの更衣室・シャワー室は高湿度環境。IP44等級のCOBテープを採用し、水蒸気による腐食・漏電リスクを防止。PIR人感センサーとの組み合わせで「使用時のみ点灯」を実現し、更衣室の電力消費を旧比75%削減。

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60°スポット配光で氷面均一照射

10m高天井から氷面に均一な照度を確保するため、COBライナーに60°の集光レンズを装着。グレア(まぶしさ)を抑制しつつリンク全面の照度均斉度(最小/平均)0.7以上を維持。競技大会の照明基準(JIS Z 9127)への対応を考慮した配光設計。

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水銀灯規制への完全対応

2020年の水銀灯製造禁止規制により、既設メタルハライドランプの交換球調達が年々困難化。今回の全換装により代替ランプ問題を根本解決。LEDの設計寿命40,000〜50,000時間(12h営業で約10年)で維持管理コストも大幅削減。

LED換装後の実績サマリ
施工前後の主要指標比較

消費電力:8,600W → 3,800W実効(−56%
年間電気代:101万円 → 44万円(年間57万円削減
施工費:190万円(税別・撤去処分・配線込み)
投資回収:3.4年
CO₂削減:約11.8トン/年(電力CO₂係数0.49kg-CO₂/kWh換算)

HID特有の問題(フリッカー・再点灯遅延・水銀灯規制)を一括解決しながら、高水準の省エネを達成。スポーツ競技施設に求められる「安全性」「視認性」「信頼性」の3軸を同時に満たす照明改修となった。

スポーツ施設LED照明の選定ポイント

フリッカーレスは絶対条件:スポーツ施設では選手・競技者の安全と競技パフォーマンスに直結するため、フリッカー値(Pst < 1.0、SVM < 0.4)を仕様書に明示して発注すること。COBライナーはSMDテープ比でフリッカー発生が少ない構造を持つ。

高天井10m以上の配光角:ナローでは影が強く出すぎ、ワイドでは照度不足になるため、60〜90°の中間配光で均斉度を確保。取付ピッチと照度シミュレーション(DIALux等)を事前に実施することが標準。

即時点灯保証:防火設備・避難誘導灯の観点からも、メインライトの即時点灯はスポーツ施設のリスク管理項目。LEDドライバーの起動時間(<0.5秒)を製品仕様書で確認すること。

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