葉物野菜の周年栽培を営む農家は、高圧ナトリウムランプが発する熱で夏場の温室温度が上がりすぎ、栽培管理に余分な冷却コストがかかることに頭を悩ませていた。電照農業では光量と発熱のトレードオフが宿命と思っていた。
球切れのたびに専門業者を呼ぶ手間と費用、農薬散布時に照明器具をビニールで覆う作業——農業の本業とは関係のない照明管理に毎年相当な時間を取られていた。
植物育成特化色温度・低発熱・IP65防湿のCOBテープへの換装で、夏場の室温上昇が抑制され電照管理の手間も大幅に軽減。収穫量の安定と電気代51%削減を同時に実現した。
「夏場に温室が暑くなりすぎる問題が改善されました。ナトリウムランプの熱がなくなったことで冷却コストが下がり、そっちでも節約できています。タイマー設定も簡単で、電照管理が楽になりました」
— 関東近郊・農業ハウス・葉物野菜・イチゴ栽培農家
施設概要・導入背景
| 施設種別 | 農業ハウス・温室(葉物野菜・イチゴ・花卉の周年栽培) |
|---|---|
| 施設規模 | 800㎡(栽培エリア+作業場+管理室+倉庫) |
| 既存照明 | 高圧ナトリウムランプ(栽培)・蛍光灯(作業場・管理室) |
| 課題 | ナトリウムランプの高発熱で夏場の温度管理が困難・電気代増大・球切れ交換の手間 |
| COBテープ採用理由 | 低発熱・防湿IP65・植物光合成適波長(青+赤成分バランス)・タイマー調光・長寿命50,000h |
農業ハウスでは「電照栽培」として照明を夜間に点灯することで、植物の光周性をコントロールし収穫量を増やす手法が広く使われています。従来の高圧ナトリウムランプは熱出力が大きく、夏場には温室内温度を過度に上昇させ、空調コストが跳ね上がるという悪循環がありました。低発熱COBテープへの換装で電照コスト・空調コスト・保守コストを同時削減しました。
よくある失敗例
一般用の非防湿LEDテープを農業ハウス内に設置したところ、農薬散布時の水分が基板に侵入して短絡し1ヶ月以内に全灯不良が発生した事例がある。また植物育成を考えずに一般的な昼白色(5000K)のみで設置した結果、開花期に必要な赤色成分が不足して着果率が下がったというケースも。農業用途では防湿規格と栽培目的に合わせた色温度選定が不可欠だ。
4ゾーン別 施工仕様
栽培エリア(電照栽培メインゾーン)
敷設: 200m(棚上部+天井吊り下げ)
消費電力: 1,440W実効(タイマー制御・平均60%稼働)
照度: 5,000lux(葉物野菜・イチゴ光合成に最適)
特記: 日出補光4h+日没補光2h自動タイマー・防湿IP65
育苗エリア・苗床
敷設: 100m(多段棚式育苗棚各段)
消費電力: 1,000W(育苗期全灯・全照射)
照度: 3,000lux(発根・発芽促進)
特記: 多段棚に均一照射・防湿IP65・タイマー連動
作業場・選果・パッキングエリア
敷設: 80m
消費電力: 192W実効(PIR稼働率30%)
照度: 500lx(選別・パッキング作業用)
特記: Ra90高演色で野菜・花卉の色判別精度向上
管理室・倉庫・機械室
敷設: 80m
消費電力: 72W実効(PIR稼働率15%)
照度: 200lx
特記: 資材・農薬倉庫PIR自動消灯で節電
省エネ効果・投資回収試算
| 従来消費電力合計 | 5,600W(高圧ナトリウム×8台+蛍光灯) |
|---|---|
| LED換装後消費電力 | 2,704W(Zone A:1,440W + B:1,000W + C:192W + D:72W) |
| 省エネ率 | 約51%削減(タイマー・PIR稼働率効果込み) |
| 年間削減電力 | 約20,000kWh(年間稼働換算) |
| 電気代削減 | 約32万円/年(30円/kWh換算・農業用電力単価適用) |
| 保守費削減 | 約13万円/年(ナトリウムランプ交換・点検費) |
| 10年間累計削減 | 約315万円 |
電照栽培タイマー制御プログラム
| 時間帯 | Zone A 栽培 | Zone B 育苗 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 04:00〜07:00(日出補光) | 100% 5,000lux | 80% | 日出前の補光で光合成時間延長 |
| 07:00〜17:00(自然光) | 0% 消灯 | 0% 消灯 | 自然日射活用・節電 |
| 17:00〜21:00(日没補光) | 100% 5,000lux | 100% | 日没後の光合成補光 |
| 21:00〜04:00(深夜) | 0% 暗期(長日植物用) | 0% | 花成誘導・暗期確保 |
| 曇天補正(センサー連動) | 60〜100% 自動調整 | 50〜80% | 日射不足時の自動補光 |
低発熱による温室温度管理の改善
高圧ナトリウムランプ(400W×8台=3,200W)は光エネルギーの他に大量の熱を発生させます。COBテープは同等以上の照度を1,440W(Zone A実効)で実現し、発熱量を大幅に削減します。これにより夏場の温室内温度上昇が抑制され、空調コストも間接的に削減されます。
- 夏場温度改善: 従来比で温室内最高温度を約2〜3℃低減(空調負荷の削減に直結)
- 植物へのストレス軽減: 熱線による葉焼けリスクを排除
- 空調電力の間接削減: 空調コスト試算で追加約5万円/年の削減効果
防湿IP65仕様の重要性
- 温室内は高湿度(70〜95%RH)・散水・薬液散布が常態のため防湿性能が必須
- IP65(防塵完全+防噴流)により水はけ散水・高圧洗浄にも対応
- アルミ一体型ヒートシンクで高湿度環境でも腐食せず安定動作
- 農薬・液肥散布時も点灯したまま継続作業が可能
施工・工期の概要
- 工期: 4日間(栽培サイクルの収穫直後タイミングに合わせて施工)
- 多段棚への均一照射設計(棚間隔・高さを測定してCOBテープ敷設間隔を最適化)
- 既存電源配線を流用し、タイマーコントローラーのみ新設
- 施工保証: 5年間(防湿仕様品・農業環境)
2027年問題:蛍光灯フェーズアウトへの対応
よくある質問
Q. 農業ハウスのLED電照に最適な色温度はどれですか?
A. 葉物野菜・イチゴの栄養成長促進には青色成分を含む5000〜6000K(昼白色〜昼光色)、開花・果実着色促進には赤色成分を含む2700〜3000K(電球色)が有効です。栽培品種と成長ステージに合わせた色温度選定・タイマー制御の組み合わせで収穫量向上が期待できます。
Q. 農業ハウスのLEDは高湿度・農薬散布環境に耐えられますか?
A. 農業ハウス向けにはIP65以上の防湿・防水規格品が必須です。農薬散布時の薬液が付着しても安全に使えるよう、アルミチャンネルに収めた防湿仕様のCOBテープLEDを推奨します。5年保証品を選ぶと長期の安定運用が確保できます。
Q. 電照タイマー制御はどのように設定しますか?
A. タイマーコントローラーで日没後の電照時間(例:18時〜22時)を設定するのが一般的です。長日処理や短日処理など栽培品種の光要求性に合わせたプログラムが可能で、スマートフォンアプリ連携の最新コントローラーでは遠隔からの時間設定変更にも対応しています。
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