エリア別 照明選定基準
アイラッシュサロンは「施術部の手元」「施術室の天井(アンビエント)」「カウンセリング」「受付・待合」で求められる照明仕様が大きく異なります。とくに施術部は、全般照明ではなく手元を狙うタスクライトで照度を確保する設計が基本です。
「手元の精密照度」と「天井のグレア対策」を両立させる設計
まつエクサロン照明の核心は、施術者の手元(タスク)と客の視界(天井)を分けて設計することです。明るさの担当を「手元=タスクライト」「全体の雰囲気=調光できる間接照明」に役割分担すると、両者の相反する要求を同時に満たせます。
① 手元はタスクライトで局所的に確保する
まつ毛の根元への装着は0.1〜0.2mm単位の精密作業です。天井の全般照明で施術部を1,000lxまで上げると客がまぶしくなるため、クランプ式LEDアームライトや拡大鏡(ルーペ)一体型ライトで手元のみを狙って照度を確保します。光源が客の目線に直接入らない角度(施術者の頭側・斜め上)からアプローチするのがコツです。
② 天井はグレアの出ない方式を選ぶ
仰向けの客の正面にあたる天井には、直接光源が見えない照明を選びます。下向きベアタイプのLED電球やむき出しのテープライトは避け、拡散カバー付きシーリング・ルーバー付きダウンライト・コーブ照明(建築化照明)など、光源が直視できない方式にします。グレアの指標であるUGRは16以下を目安にしてください。
| 天井照明の方式 | グレア | まつエク施術室での評価 |
|---|---|---|
| むき出しLEDテープ・ベア電球 | 大 | ✕ 仰向けで直視・まぶしさクレーム |
| 下向きダウンライト(カバーなし) | 大 | ✕ 視界の正面に光源が入る |
| 拡散カバー付きシーリング | 中 | △ 調光併用なら可 |
| ルーバー付きダウンライト | 小 | ○ 光源が直視されにくい |
| 間接照明(コーブ/コーニス) | 極小 | ◎ 光源が見えずまぶしさゼロ |
③ 天井は必ず調光対応にする
施術中は天井を100〜200lxまで落とし、明るさを手元のタスクライトで補います。カウンセリングや片付け時は400lx前後まで上げたいため、天井照明は調光対応(PWMまたは位相制御)にしておくと運用の幅が広がります。色温度可変(調色)タイプにすれば、施術中は落ち着いた3,000K、清掃時は5,000Kといった切り替えもできます。
色温度(K値)の選び方
色温度はケルビン(K)で表し、数値が低いほど暖色、高いほど寒色になります。まつエクサロンでは「手元の作業性」と「空間のリラックス感」で使い分けます。
受付・待合
リラックス空間
施術室の天井
落ち着いた空気
カウンセリング
パウダールーム
施術部の手元
装着精度が上がる
施術部の手元は5,000K前後(昼白色)が最適です。まつ毛・地肌・グルー(接着剤)の境界がくっきり見え、装着位置のズレや余分なグルーの付着を確認しやすくなります。一方で天井のアンビエント光まで5,000Kにすると空間が無機質になり、リラックスできる「サロンらしさ」が損なわれます。天井は3,000〜3,500K、手元は5,000Kという色温度の使い分けが、施術精度とくつろぎを両立させる定番設計です。
アイラッシュサロン 推奨照明スペック
まつエクサロンの照明をLEDで設計する手順
施術ベッドの位置と客の視線方向を確認する
施術ベッドの真上・斜め前方に天井照明があると、仰向けの客の視界に光源が入ります。ベッドレイアウトを先に決め、客の目線の正面となる天井位置を把握してから照明を配置します。
天井はグレアの出ない方式・調光対応で選ぶ
むき出しの光源を避け、間接照明・ルーバー付き・拡散カバー付きを選定。UGR16以下を目安に、施術中100〜200lx/清掃時400lx前後に調整できる調光対応にします。
手元はタスクライトで照度を確保する
クランプ式LEDアーム・拡大鏡一体型ライトなどで施術部に700〜1,000lxを確保。5,000K・Ra90以上・フリッカーフリーを選び、客の目線に入らない角度(頭側・斜め上)から当てます。
カウンセリング・パウダールームを別仕様にする
カウンセリングは地肌・まつ毛を正確に見るため4,000〜5,000K・Ra90以上・300〜500lx。鏡前のパウダールームは正面から500〜750lxで影が出ないように配置します。
実際に仰向けで寝て、まぶしさを確認する
設置後は必ず施術ベッドに仰向けで横たわり、薄目を開けた状態で天井の光源が直接見えないか・まぶしくないかを確認します。気になる場合は拡散カバー追加や調光レベルの再調整を行います。
省エネ試算(個室3ブース規模のアイラッシュサロン)
蛍光灯・白熱タスクライト → LED 切り替えシミュレーション
※試算値は目安です。実際の電力単価・稼働時間・設備費用によって異なります。
アイラッシュサロン 照明選定チェックリスト
- 施術ベッドの真上・斜め前方に直視できる光源がない
- 天井照明はUGR16以下・間接光またはルーバー付きを選んだ
- 天井照明は調光対応(施術中100〜200lxまで落とせる)
- 施術部の手元は700〜1,000lxをタスクライトで確保した
- 手元のタスクライトは5,000K・Ra90以上・フリッカーフリー
- タスクライトは客の目線に入らない角度から当てている
- カウンセリングは4,000〜5,000K・Ra90以上・300〜500lx
- パウダールームの鏡は正面から500〜750lxで照らしている
- 受付・待合は2,700〜3,000Kでリラックスできる雰囲気にした
- 設置後に仰向けで寝てまぶしさを実地確認した