施工事例 #174 — イベントホール・多目的ホール

イベントホール・多目的ホールのLED照明で
演出力と稼働率を最大化

調光できない蛍光灯・固定色温度の照明では、コンサート・企業イベント・展示会に必要な演出の切替が不可能で会場差別化ができない。DALI調光・5ゾーン設計で解決した1,000㎡500席ホールの施工記録。

68%
消費電力削減
120万円
年間電気代削減
2.8年
投資回収期間
6モード
シーン切替プリセット
多目的ホールで照明改善が遅れると起きる3つの問題

施設概要と導入前の課題

今回の対象は都市部の複合施設内に設置された多目的イベントホールで、広さ1,000㎡・最大収容500席。コンサート・企業向けカンファレンス・卒業式・展示会・フォーラムと用途が多様で、1日に複数ジャンルのイベントが連続して入ることもあります。

リニューアル前は天井高8mに設置された高天井用Hf蛍光灯(计200台)が主力。点灯まで数分の待機時間が必要で、セッション間の転換作業中に照明が使えない時間帯が発生していました。また全灯/消灯のON/OFF制御しかできず、コンサート時に必要な調光演出・展示会時の均一高照度・企業イベントのプレゼン向け照明という3つの要件を1台の照明でカバーできずにいました。

映像収録・配信を行うイベントでは蛍光灯のちらつきが映像に乗り、クライアントから「照明を落としてほしい」という要請が入るケースもあり、むしろ照明が邪魔をする状況が生まれていました。

LED化による導入効果

68%
消費電力削減率
120万円
年間電気代削減額
2.8年
投資回収期間
即時点灯
Hf蛍光灯の待機時間ゼロ化
6モード
シーン別プリセット
フリッカーフリー
映像配信・収録対応

消費電力を旧設備比68%削減し年間120万円の電力費を圧縮。加えてフリッカーフリーLED採用で映像収録・ライブ配信に照明が映り込む問題が解消。即時点灯でセッション転換の空白時間がなくなり、1日あたりのイベント収容数を増やせるようになりました。

採用LED仕様

項目スペック選定理由
調光方式DALI制御(1〜100%無段階)6シーンプリセット・タブレット1操作で切替
色温度範囲2700K〜6500K(切替対応)コンサート2700K / 展示会5000K / 企業4000K
天井メイン照明高天井用LED 200W(HID400W相当)天井高8m・1,000lux均一照射に必要な光束確保
演色性Ra85以上展示品・人物・映像スクリーンの色再現
フリッカーフリッカーフリー(SVM 0.4以下)映像収録・ライブ配信への映り込み防止
舞台スポットCOB LED 100W / 調光対応ステージ演者・プレゼンターへの集光照射
客席ダウンライト20W LEDダウンライト×120台イベント種別に応じた照度切替(50〜500lx)
エントランス3000K / Ra85 / 300lx均一来場者を迎えるウェルカム照明

6シーンプリセット設計

Scene 1 — コンサート

天井30%・スポット100%・客席10%
2700K電球色・ステージ集中演出

Scene 2 — 展示会

天井100%・客席100%・5000K昼白色
1,000lx均一で展示品の色を正確に再現

Scene 3 — 企業イベント

天井70%・スポット80%・4000K白色
500lxプレゼン向け・スクリーン視認性優先

Scene 4 — 卒業式・式典

天井80%・スポット100%・3000K温白色
来賓席300lx / 壇上700lx の2段階設定

Scene 5 — 映像配信

天井50%・フリッカーフリー優先・5000K
カメラWB設定に合わせた均一照度

Scene 6 — 転換・清掃

天井100%・全灯フル点灯・6500K昼光色
セッション間の椅子並べ・清掃作業用

5ゾーン照明設計

Zone 1 — ステージ・演壇

  • COB LEDスポット 100W×12台
  • DALI 1〜100%無段階調光
  • 2700K〜4000K色温度切替対応

Zone 2 — 客席エリア

  • 高天井用LED 200W×40台
  • 1,000lx(展示)〜50lx(コンサート)切替
  • フリッカーフリー SVM0.4以下

Zone 3 — エントランス・ロビー

  • 3000K温白色 300lx均一設計
  • 来場者受付・案内に必要な視認性確保
  • 独立DALI制御(ホール本体と分離)

Zone 4 — 多目的エリア(フォワイエ)

  • 展示パネル対応スポット配置
  • 4000K白色 / 展示会転用可
  • 展示物ごとに照射角調整可能

Zone 5 — バックヤード・技術エリア

  • 5000K昼白色 500lx作業照明
  • 音響・映像機器操作に十分な照度
  • イベント中も独立点灯で作業継続可

多目的ホールLED施工の3つのポイント

① DALI調光+シーンプリセットが稼働率を上げる
多目的ホールの最大の強みは「1会場で複数ジャンルに対応できること」ですが、照明が切替できなければこの強みが活かせません。DALIシステムに6シーンをプリセットしタブレット1操作で切替できる設計にしたことで、セッション転換を5分以内に完了できるようになりました。オペレーターが照明卓を操作する専門知識がなくても、スタッフがワンタッチで運用できます。

② フリッカーフリーで映像配信マーケットを取り込む
近年、企業カンファレンス・セミナー・コンサートの映像配信・アーカイブ需要が急増しています。Hf蛍光灯や従来型LEDのフリッカーは映像に「縞模様」として現れ、収録品質を著しく下げます。SVM0.4以下のフリッカーフリーLEDを採用したことで、照明起因のクレームがゼロになり映像配信付きイベントの積極的な誘致が可能になりました。

③ 高天井は初期コストより光束(lm)で選ぶ
天井高8mの施設では、低出力LEDを多数設置するより高出力LED(200W相当)を適切な台数設置する方がコストと効率の両面で有利です。今回は200W相当HID代替LEDを40台設置し、従来のHf蛍光灯200台と同等以上の照度を確保しながら電力を68%削減しました。天井高が高いほど高出力LEDの選定が重要になります。

コスト試算

項目旧(Hf蛍光灯)新(LED)
照明消費電力(全館)約 58,000W約 18,600W
年間電力料金(照明分)約 196万円約 63万円
年間削減額▲133万円(電気代)
ランプ交換コスト(年間)約 28万円約 3万円
初期投資(概算)約 380万円
投資回収期間約 2.8年(電気代+交換費合計)

※電力単価28円/kWh、年間稼働3,500時間で試算。

まとめ:多目的ホールのLED化は演出力と収益性の両立

イベントホール・多目的ホールのLED化は、単純な省エネ投資ではなく「会場の対応力を広げる経営投資」として考えることが重要です。DALI調光と色温度切替を備えた照明システムを導入することで、コンサート・企業イベント・展示会・式典という異なる照明要件のイベントを1会場で対応でき、稼働率と客単価の両方を改善できます。

フリッカーフリー化は映像配信市場への対応力も高め、新たな収益源の確保につながります。初期投資380万円に対し電気代・交換費合計で年間136万円の削減(試算)、約2.8年での回収は大型施設のLED化案件の中でも優れた投資効率です。

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