神奈川県内のコインランドリー(120㎡、洗濯機12台・乾燥機8台・24時間無人営業)において、旧来の蛍光灯(FL40W)と屋外蛍光灯看板をCOB LEDに全面換装し、PIR人感センサーによる深夜帯自動節電を実装。24時間×365日稼働という特性を最大限に活かし、56%省エネ・年間19万円削減・投資回収2.8年を達成した施工データを公開する。
施設概要と照明課題
コインランドリーは24時間無人運営が一般的であり、照明の稼働時間は年間8,760時間と他業種を大幅に上回る。このため、単位電力あたりの省エネ効果が金額として最も大きく積み上がるカテゴリーのひとつだ。また、深夜帯(0:00〜6:00)は利用者が極端に少なく、全灯点灯を維持する必要性が低い。PIRセンサーを導入することで、無人時には最低限の安全照明(30%程度)に落とし、利用者検知時のみ全点灯に復帰する「セミ自動節電」が実現できる。
当施設の旧設備はFL40W蛍光灯で、24時間一律点灯・調光機能なし。屋外看板は20年物の蛍光灯看板で電球切れが頻発していた。ランプ交換のために業者を呼ぶ費用と手間が月1〜2回発生しており、実質的なランニングコストは把握されていなかった。
24時間稼働×PIR節電のスキーム
昼間 6:00〜0:00(18h)
PIRで全点灯(利用者入室で自動復帰)
760W
深夜 0:00〜6:00(6h)
PIRで50%減光(無人時)
380W
深夜6時間のPIR節電により、昼間フル点灯換算対比で年間837kWhの追加削減を実現(電気代換算+21,762円/年)。単純なLED換装だけでなく、PIRと組み合わせた運用設計が年間19万円削減の鍵となっている。
ゾーン別施工仕様
Zone A — 洗濯機・乾燥機エリア(メイン)
用途: 洗濯機12台・乾燥機8台の操作エリア(80㎡)
色温度: 4000K(白色)— 洗濯物の汚れ・シミの視認性確保
演色評価数: Ra85
照度: 500lx(機器操作・投入口の視認)
センサー: PIR人感センサー(深夜帯50%減光)
COBテープ: COB10W/m × 60m = 600W(深夜帯300W)
旧設備: FL40W×24灯 = 960W
削減率: 38%(昼間) / 69%(深夜PIR込み)
Zone B — 折り畳みカウンター・待合
用途: 洗濯物折り畳み台・ベンチ席・雑誌ラック(30㎡)
色温度: 3500K(温白色)— 待機中のリラックス感
演色評価数: Ra85
センサー: PIR人感センサー(Zone Aと連動・深夜50%減光)
COBテープ: COB8W/m × 20m = 160W(深夜帯80W)
旧設備: FL40W×8灯 = 320W
削減率: 50%(昼間) / 75%(深夜PIR込み)
Zone C — 屋外看板・入口エリア
用途: 施設外壁看板・入口誘導・駐輪場照明
色温度: 4000K
防水: IP65対応(雨・結露・洗車水)
夜間タイマー: 22:00〜6:00は30%に減光(防犯最低照度維持)
COBテープ: COB12W/m × 10m = 120W → 実効85W(タイマー減光込み平均)
旧設備: 蛍光灯看板200W(球切れ頻発)
削減率: 58%(実効)
Zone D — バックヤード・管理室
用途: 洗剤自販機バックヤード・業者点検スペース
色温度: 5000K(昼光色)— 機器点検視認性
演色評価数: Ra80
センサー: PIR人感センサー(業者訪問時のみ点灯)
COBテープ: COB6W/m × 10m = 60W → 実効12W(PIR稼働率20%・週2回点検想定)
旧設備: FL32W×4灯 = 128W
削減率: 91%(PIR込み実効)
施工前後 消費電力比較
| ゾーン | 旧設備 | 旧消費電力 | 新設備(COB LED) | 新消費電力 | 削減率 |
| Zone A 洗濯・乾燥エリア | FL40W×24灯 | 960W | COB10W/m×60m+PIR | 450W実効 | 53% |
| Zone B 折り畳み・待合 | FL40W×8灯 | 320W | COB8W/m×20m+PIR | 120W実効 | 63% |
| Zone C 屋外看板・入口 | 蛍光灯看板200W | 200W | COB12W/m×10m+タイマー | 85W実効 | 58% |
| Zone D バックヤード | FL32W×4灯 | 128W | COB6W/m×10m+PIR | 12W実効 | 91% |
| 合計 | 1,608W | | 667W実効 | 56%削減 |
コスト削減シミュレーション
年間稼働時間8,760時間(24時間×365日)
削減電力941W(1,608W → 667W)
年間節電量8,243kWh
電気代削減(26円/kWh)214,318円/年
ランプ交換コスト削減(FL管36本×1.2回/年・24h酷使)約51,840円/年
屋外看板ランプ交換削減約15,000円/年
業者出張費削減(ランプ交換呼び出し減)約10,000円/年
年間総削減額約291,000円
施工費(工事・材料費込み)550,000円
投資回収年数1.9年
24時間業態の試算注記: 上記の年間削減額はランプ交換・出張費を含む総コスト削減。電気代削減のみで試算すると約21万円/年。施工費55万円を電気代削減だけで回収する場合は2.6年。ランプ・出張コストを含む総削減で回収すると1.9年。投資回収年数はどの費目を含めるかで変わるため、事業者の実際のランニングコストを踏まえて判断されることを推奨する。
コインランドリーにおけるLED照明の追加価値
防犯・安心感の向上
コインランドリーは深夜帯も利用者が訪れるため、照明の均一性と十分な明るさが安全確保に直結する。LEDは蛍光灯に比べて色温度4000Kで白く均一な光を出すため、隅々まで明るく見える清潔感のある空間を演出できる。防犯カメラとの組み合わせでも、LED照明下では映像品質が向上する。
屋外看板の視認性改善
旧蛍光灯看板は気温低下時(冬季・早朝)に起動が遅れ、看板が暗いまま数分間放置される問題があった。LED換装後は低温環境でも即時全点灯。冬季の夜間集客においても確実に視認性を確保できるようになった。
洗濯物の色認識
Ra85の4000K光源により、洗濯物の白物・淡色・濃色の分類がより正確になった。「柄の薄い衣類を誤って高温乾燥した」というトラブルが洗濯前の仕分け精度向上で減少したとオーナーから報告されている。
施工上の注意点
| 項目 | 内容 |
| 24h連続稼働への耐久性 | LEDドライバー(電源ユニット)は24時間連続稼働対応品(寿命50,000h以上)を選定。強制換気のある設置場所を優先し、熱がこもらないよう設計 |
| 洗濯機の振動対策 | 洗濯機を設置している床面と照明架台は分離施工。振動がCOBテープ・コネクタに伝わらないよう防振マウントを使用 |
| 湿度対策 | コインランドリー内部は乾燥機の排気で湿度が上昇する。COBテープはシリコンコーティング品を選定し、接続部はIP44以上の防水処理 |
| PIR設定 | 洗濯機の振動・機器の自動動作でPIRが誤検知しないよう、感度・タイムアウト時間を現地調整(タイムアウト10分に設定) |
まとめ
コインランドリーは24時間稼働という特性上、同じ省エネ率でも他業種と比べて年間削減金額が大きく積み上がる。ランプ交換コスト・業者出張費を含めた総コストベースの投資回収は1.9年と短く、LED照明投資の費用対効果が最も大きいカテゴリーのひとつと言える。PIR深夜節電との組み合わせで56%の削減率を達成しており、運営コスト最適化を検討するオーナーにとって優先度の高い施工案件だ。
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