車体の塗装色・メタリック感・艶を正確に再現するには、演色性Ra95以上と適切な色温度設計が不可欠です。380㎡のディーラーショールームで実施した4ゾーン照明設計の全データを公開します。
自動車ショールームの照明は「明るさ」だけでなく色の正確な再現性が商談の成否を左右します。演色性Ra80の蛍光灯では、ホワイトパールが黄色みがかって見え、ダークブルーのメタリックが黒ずんで見えます。Ra95以上のLEDで5000K(昼白色)の光を使うと、太陽光の下で見る車体色に最も近い状態を屋内で再現できます。本記事では380㎡のシングルブランドディーラーショールームで実施した、4ゾーン・COB 24V・Ra95照明設計の詳細を解説します。
自動車ディーラーでは5000K(昼白色)が最も広く採用されています。理由は屋外の太陽光(晴天時 5500〜6500K)に近い色合いで、顧客が実際に屋外で見るイメージと一致するからです。4000Kでは黄色みが出て白色・シルバー系の塗装が「温かく」見えすぎ、実際の色と乖離することがあります。一方7000K以上の高色温度では青白くなりすぎてダーク系の色が際立たなくなります。
| ゾーン | テープ仕様 | 色温度 | 演色性 | 長さ | 消費電力 | 取付方式 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Zone A 展示フロア |
COB 24V 12W/m | 5000K | Ra95 | 32m | 384W | 天井コーニス(四周) |
| Zone B フォーカスステージ |
COB 24V 15W/m | 5000K | Ra95 | 16m | 240W | 正方形コーニス(360°) |
| Zone C 商談コーナー |
COB 24V 8W/m | 3500K | Ra95 | 22m | 176W | Tチャンネル(天井間接) |
| Zone D エントランス |
COB 24V 10W/m IP65 | 5000K | Ra90 | 12m | 120W | 壁面コーニス(IP65) |
| ゾーン | 消費電力(計算) | 安全係数(×1.2) | 採用PSU | 調光 |
|---|---|---|---|---|
| Zone A(展示フロア) | 384W | 461W | 500W×1台 | 0-10V調光 |
| Zone B(ステージ) | 240W | 288W | 300W×1台 | 0-10V調光 |
| Zone C(商談) | 176W | 211W | 250W×1台 | PWM調光(シーン切替) |
| Zone D(エントランス) | 120W | 144W | 150W×1台(IP44) | 固定点灯 |
| 合計 | 920W | 1,104W | 4台 | — |
天井の4辺にLEDテープを収めたアルミコーニスを設置し、天井面全体を一様に光らせる「洗い出し(ウォッシュ)」照明は、自動車ショールームで最も採用率の高い手法です。均一な天井面が車のボンネット・ルーフに映り込み、塗装の深みとメタリック感を最大限に引き出します。
展示車の配置図にコーニスラインを描き込み、各ゾーンのテープ長・PSU位置・配線ルートを確定。照度シミュレーション(DIALux 等)で床面照度・天井照度が均等になることを事前確認する。
既製品アルミコーニスまたは木工ボードで見切り材を製作。天井面との取付精度が照明均一性に直結するため、水平出しを厳密に行う。塗装仕上げはつや消し白(反射率80%以上)を推奨。
コーニス内側底面を脱脂後、COB 24Vテープを隙間なく貼り付け。コーナー部はL型コネクタで接続。配線はコーニス内部を通して天井裏へ引き込み、PSUに接続。コーニス内で熱がこもらないよう、密閉しない設計が望ましい。
PSUをキュービクル近傍または天井裏の点検口内に設置。Zone A・BはBMSまたは0-10V調光コントローラーと接続。展示時刻(開店中)と閉店後の自動スケジュール設定を行う(開店時100%・閉店後30%で防犯点灯継続)。
実車を展示した状態でコーニスの角度・テープの光量を微調整。車体への映り込みを正面・側面・斜め45°から確認し、「白い天井が均一に映り込んでいる」状態を目標とする。この作業が品質を左右するため、施主と立ち合いで確認することを強く推奨。
自動車ショールーム・高級雑貨店・ジュエリーショップなど、色の再現性が商品価値に直結する施設向けに、Ra95対応のCOB 24Vテープと定電圧電源を豊富にラインアップしています。