施工事例 — 自動車ショールーム

自動車ショールームのLED照明施工事例
Ra95・5000Kで車体色を正確に見せる
高演色性照明設計

車体の塗装色・メタリック感・艶を正確に再現するには、演色性Ra95以上と適切な色温度設計が不可欠です。380㎡のディーラーショールームで実施した4ゾーン照明設計の全データを公開します。

Ra95 高演色性 5000K 色温度 COB 24V テープ 天井コーニス照明 電力 44% 削減

お客様が試乗前に「この青、もう少し鮮やかだと思っていた」とつぶやいた。Ra80の蛍光灯の下では、ネイビーブルーのメタリックがほぼ黒に見えていた。Ra95・5000KのCOBテープLEDへ換装した翌週、同じ色の車を見たお客様が「きれいな青ですね」と即座に決断した。照明が変わると、車が変わる——そう実感した380㎡ショールームの施工記録。

自動車ショールームの照明は「明るさ」だけでなく色の正確な再現性が商談の成否を左右します。演色性Ra80の蛍光灯では、ホワイトパールが黄色みがかって見え、ダークブルーのメタリックが黒ずんで見えます。Ra95以上のLEDで5000K(昼白色)の光を使うと、太陽光の下で見る車体色に最も近い状態を屋内で再現できます。本記事では380㎡のシングルブランドディーラーショールームで実施した、4ゾーン・COB 24V・Ra95照明設計の詳細を解説します。

施設概要

施設面積
380
施設種別
自動車
ショールーム
展示車台数
8
総テープ長
82 m
演色性
Ra95
省エネ効果
44 %削減

なぜRa95が必要か——演色性と車体色再現の関係

Ra 80
一般的な蛍光灯・普及型LED
赤色成分が弱く、レッド・ワインレッド・ダークチェリーの彩度が低く見える。メタリックのきらめきが鈍くなり「くすんだ印象」になる。
Ra 95
高演色LED(ショールーム推奨)
赤・青・緑の全スペクトルを高精度に再現。パールホワイトの透明感、メタリックの輝き、ソリッドカラーの彩度が太陽光に近い状態で見える。

Ra値の仕組みと数値の読み方

色温度の選択:5000Kがショールームに最適な理由

自動車ディーラーでは5000K(昼白色)が最も広く採用されています。理由は屋外の太陽光(晴天時 5500〜6500K)に近い色合いで、顧客が実際に屋外で見るイメージと一致するからです。4000Kでは黄色みが出て白色・シルバー系の塗装が「温かく」見えすぎ、実際の色と乖離することがあります。一方7000K以上の高色温度では青白くなりすぎてダーク系の色が際立たなくなります。

4ゾーン照明設計

ショールームフロア照明マップ

Zone A:展示フロア(主要展示)
天井コーニス+天井周囲コーニスでベース照明。COB 24V 12W/m Ra95 5000K。車体上部に光を回す「洗い出し効果」でボディラインを強調。
Zone B:フォーカス展示(ステージ)
月替わりの主役1台を置くステージ。COB 24V 15W/m Ra95 5000Kで高輝度。車体全周360°を囲むコーニスで均一なハイライトを演出。
Zone C:商談・接客コーナー
テーブル周囲のコーニス間接光。COB 24V 8W/m Ra95 3500K(温白色)。展示エリアより落ち着いた色温度で、商談・契約に集中しやすい環境を作る。
Zone D:エントランス・受付
入口ガラス面周辺とカウンター下。COB 24V 10W/m Ra90 5000K IP65。屋外からの視認性を高めつつ、入店時の明暗差を緩和する移行ゾーン。
ゾーン テープ仕様 色温度 演色性 長さ 消費電力 取付方式
Zone A
展示フロア
COB 24V 12W/m 5000K Ra95 32m 384W 天井コーニス(四周)
Zone B
フォーカスステージ
COB 24V 15W/m 5000K Ra95 16m 240W 正方形コーニス(360°)
Zone C
商談コーナー
COB 24V 8W/m 3500K Ra95 22m 176W Tチャンネル(天井間接)
Zone D
エントランス
COB 24V 10W/m IP65 5000K Ra90 12m 120W 壁面コーニス(IP65)

電源・調光構成

ゾーン 消費電力(計算) 安全係数(×1.2) 採用PSU 調光
Zone A(展示フロア) 384W 461W 500W×1台 0-10V調光
Zone B(ステージ) 240W 288W 300W×1台 0-10V調光
Zone C(商談) 176W 211W 250W×1台 PWM調光(シーン切替)
Zone D(エントランス) 120W 144W 150W×1台(IP44) 固定点灯
合計 920W 1,104W 4台

車体を美しく見せるLEDコーニス照明テクニック

「天井コーニス」による360°洗い出し照明

天井の4辺にLEDテープを収めたアルミコーニスを設置し、天井面全体を一様に光らせる「洗い出し(ウォッシュ)」照明は、自動車ショールームで最も採用率の高い手法です。均一な天井面が車のボンネット・ルーフに映り込み、塗装の深みとメタリック感を最大限に引き出します。

コーニス照明の実装ポイント

⚠️ ショールームで避けるべき照明の失敗

施工ステップ

1

照明計画図(フロア平面図)の作成

展示車の配置図にコーニスラインを描き込み、各ゾーンのテープ長・PSU位置・配線ルートを確定。照度シミュレーション(DIALux 等)で床面照度・天井照度が均等になることを事前確認する。

2

コーニス(見切り材)の製作・取付

既製品アルミコーニスまたは木工ボードで見切り材を製作。天井面との取付精度が照明均一性に直結するため、水平出しを厳密に行う。塗装仕上げはつや消し白(反射率80%以上)を推奨。

3

LEDテープの貼り付けと配線

コーニス内側底面を脱脂後、COB 24Vテープを隙間なく貼り付け。コーナー部はL型コネクタで接続。配線はコーニス内部を通して天井裏へ引き込み、PSUに接続。コーニス内で熱がこもらないよう、密閉しない設計が望ましい。

4

PSU・調光コントローラーの設置

PSUをキュービクル近傍または天井裏の点検口内に設置。Zone A・BはBMSまたは0-10V調光コントローラーと接続。展示時刻(開店中)と閉店後の自動スケジュール設定を行う(開店時100%・閉店後30%で防犯点灯継続)。

5

車体搬入後の最終調整

実車を展示した状態でコーニスの角度・テープの光量を微調整。車体への映り込みを正面・側面・斜め45°から確認し、「白い天井が均一に映り込んでいる」状態を目標とする。この作業が品質を左右するため、施主と立ち合いで確認することを強く推奨。

白い天井面が車のボンネットに均一に映り込む——
それがショールーム照明の完成形。」
Ra95 + コーニス洗い出しで実現する塗装の「深み」と「艶」
「以前のHf蛍光灯ではネイビーブルーがほぼ黒に見えて、お客様に『もっと青い色だと思っていた』と言われていました。Ra95の5000Kに換えてから、メタリックのきらめきも色の深みも正確に伝わるようになりました。コーニスに映り込む天井が白く均一になっているのを見て、これが正解だとわかりました。」
失敗事例:「コーニス照明にSMDテープを使い、天井面にドット模様が映り込んだ」

SMDテープをショールームのコーニスに使用したケースがあります。LED素子のドット感がそのままボンネットの映り込みに現れ、「点々と光る帯」がボディに映り込んで不自然な仕上がりになりました。均一発光のCOBテープへの交換で解決しましたが、再施工コストが発生しました。ショールームのコーニス照明にはCOBテープが必須です。

省エネルギー効果

施工前(HF蛍光灯+スポット)
1,640W
Hf蛍光灯54W×24灯+ハロゲンスポット200W×2
施工後(COB 24V Ra95)
920W
COB 24V テープ合計消費電力
電力消費 約44% 削減(年間電気代節約額:約120,000円試算)

自動車ショールーム向け推奨仕様まとめ

2027年問題:ショールームの蛍光灯・HIDが製造終了——今が切替の好機

よくあるご質問

Q. 自動車ショールームに5000KとRa95が推奨される理由は?
A. 5000K(昼白色)は太陽光に最も近い色温度で、車体のボディカラーを屋外で見るのに最も近い状態で再現します。Ra95以上の高演色性と組み合わせることで、「展示場と納車後の色が違う」というクレームを防止します。
Q. 天井コーニス照明とCOBテープの組み合わせはどのような効果がありますか?
A. 天井コーニス照明はLEDテープを天井の折り返し部分に埋め込み、均一な間接照明として使う設計です。車体のボンネット・ルーフに白い天井が均一に映り込み、塗装の深みとメタリック感を最大限に引き出します。SMDテープではドット感が映り込むため、COBテープが必須です。
Q. 380㎡のショールームでのLED化の施工費目安と回収期間は?
A. 本事例(380㎡・82m施工)では電力44%削減を達成しました。一般的に80〜120万円の施工費で年間20〜35万円の削減(電気代+保守費)が見込まれ、3〜4年での投資回収が目安となります。詳細は現在の照明仕様とともにお問い合わせください。

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