施工事例 B-155

カーディーラー・自動車ショールーム
LED照明施工事例
Ra95・色温度可変・調光・47%省エネ

水銀灯・蛍光灯1,200㎡をCOBテープに全換装。Ra95超高演色と色温度可変制御で車両カラーを正確に再現しながら、年間43万円のコスト削減を実現。

47%
省エネ率
43万
年間削減額
3.4年
投資回収期間
Ra95
演色評価数
1,200㎡
施工面積

施設概要・導入背景

物件概要

施設種別
カーディーラー・自動車ショールーム
施設規模
1,200㎡(4ゾーン構成)
導入前照明
水銀灯・HID・蛍光灯
導入前消費電力
9,200W
導入後消費電力
4,876W実効
省エネ率
47%
施工費
148万円(税込)
年間削減額
43万円(電気代31万+保守費12万)
投資回収期間
3.4年

国内大手輸入車ディーラーのフラッグシップショールーム。展示台数は常時12〜18台で、ホワイト・シルバー・ブラック・レッドなど多彩なボディカラーを扱う。「照明の色が悪いせいで車の色が正確に伝わらない」「ホワイトが黄みがかって見える」というお客様からのクレームが年間数件発生しており、販売機会の損失につながっていた。

また、展示フロアに設置されていた水銀灯(HID 400W)は、法規制(水銀に関する水俣条約)に伴うフェーズアウト期限を迎えつつあり、代替照明への移行が急務となっていた。整備工場エリアの蛍光灯(FL40W×80本)も寿命末期を迎え、年間の球交換コストが12万円超に達していた。

これらの課題を一括解決するため、全ゾーン一括のCOBテープLED化を採用。展示フロアにはRa95・色温度可変(2700K〜5500K)COBテープを導入し、車両カラーに合わせた最適色温度設定を可能にした。

ゾーン別照明設計

カーディーラーは「展示の魅力」「接客の快適性」「整備の安全性」「移動動線」という4つの異なる照明要件を持つ。ゾーンごとに最適な仕様を設計した。

ゾーン 用途・場所 仕様 設計根拠
A展示フロア 車両展示エリア(主照明) COBテープ 12W/m×200m
2,400W / Ra95
2700K〜5500K可変
調光対応 / 600lx
車両カラー正確再現にRa95必須。朝〜昼は5000K(白昼光で自然な発色)、夕方〜夜は3500K(暖色でプレミアム感演出)に切替可能
B商談・ラウンジ 商談室・カーローンカウンター・ウェイティングラウンジ COBテープ 10W/m×100m
1,000W / Ra90
3000K / 調光対応
300〜500lx
書類確認・契約には500lx、ウェイティング演出には300lx。商談時間帯の明るさ調整で成約率向上を狙う
C整備工場 ピット・車両整備エリア COBテープ 12W/m×140m
1,680W / Ra85
防塵IP44 / 5000K
750lx
エンジンオイル・ワイヤーハーネス色識別に750lx必要。防塵IP44でオイルミスト飛散環境に対応。5000K高色温度で細部視認性確保
D廊下・駐車場 展示場内通路・洗車エリア・事務室廊下 COBテープ 6W/m×100m
PIRセンサー制御
Ra80 / 3000K
平均点灯率15%
人感センサーで無人時は10%低調光。洗車エリアは防水IPX4対応。廊下・通路の安全確保と省エネを両立

展示フロア(Zone A)の色温度可変制御は本案件の最大の特徴だ。車両販売において「本当の色が見たい」というお客様の要望は多く、屋外の自然光(5000〜6000K)に近い高色温度か、スタジオライクな中白光(4000K)かによって車両の印象が大きく変わる。COBテープの色温度可変機能(Dual Color)により、販売スタッフがスマートフォンアプリから自在に切り替えられる仕組みを構築した。

消費電力・省エネ効果の比較

ゾーン 従来電力 LED電力(実効) 削減電力 削減率
Zone A 展示フロア 4,800W
HID400W×12灯
1,800W
調光平均75%
3,000W 62.5%
Zone B 商談・ラウンジ 2,000W
蛍光灯40W×50本
850W
調光平均85%
1,150W 57.5%
Zone C 整備工場 2,000W
蛍光灯40W×50本
1,680W 320W 16.0%
Zone D 廊下・駐車場 400W
蛍光灯20W×20本
90W
PIR平均15%
310W 77.5%
合計 9,200W 4,420W実効 4,780W
総合省エネ率:47% 年間電気使用量削減:約11,500kWh(10時間営業×300日)

整備工場(Zone C)の削減率が低いのは、安全基準(750lx)を満たすための高照度維持が必要なため。一方、展示フロア(Zone A)は水銀灯HIDからCOBテープへの置換効果が大きく、それだけで年間電気代約20万円相当の削減効果を生み出している。

車両展示照明 品質チェック比較表

従来の水銀灯(HID)・蛍光灯と、今回導入したCOBテープの照明品質を8項目で比較する。車両展示において重要な指標を中心に検証した。

評価項目 水銀灯HID
(従来)
直管蛍光灯
(従来)
COBテープLED
(今回)
販売への影響
演色評価数(Ra) Ra60〜65 Ra75〜80 Ra95 低Raだと白・シルバーが黄みがかって見え、お客様の色イメージと乖離する
色温度可変 固定 固定 2700〜5500K 朝〜夜・車種別・イベント別に最適色温度を選択可能。プレゼンテーション演出に対応
フリッカー(ちらつき) ちらつきあり 100Hz 3840Hz 低フリッカーにより、ショールーム内でのスマートフォン撮影時に干渉縞・暗帯が発生しない
立ち上がり時間 約5分 約30秒 即時点灯 開店時の演出で展示フロアを即座に最適照度に。HIDのウォームアップ時間が不要
UV放射量 高(車内内装劣化) 中(蛍光灯由来) ほぼゼロ UV放射がないため、展示中の車両内装(シート・ダッシュボード・ウレタン)の劣化・変色を防止
熱放射(車両への熱影響) 高(塗装・内装に影響) 低(前方向放熱) COBテープは背面放熱設計のため、車両に向かう赤外線が大幅に低減。長期展示車両の品質保持
スマートフォン撮影品質 色かぶり発生 緑かぶり発生 自然な発色 お客様がSNSに車両写真を投稿する際の映え品質が向上。口コミによる集客効果
調光対応 不可 原則不可 1〜100% 商談中の演出(フォーカスライティング)や閉店後の警備灯として多段階調光を活用

特に「スマートフォン撮影品質」の向上は想定外の副次効果だった。導入後3ヶ月で、お客様がSNSに投稿した車両写真の枚数が約2.3倍に増加し、オーガニックな口コミ集客に貢献している。

技術的ポイント

Ra95 超高演色COBテープ

車両ボディカラー・内装素材の忠実な色再現に特化したRa95グレードを採用。特に白・シルバー・パール系ボディで従来照明との差が顕著。

Dual Color 色温度可変(2700〜5500K)

1本のCOBテープで暖白光〜昼白光を連続可変。専用コントローラーとスマートフォンアプリで販売スタッフが即座に切り替え。

フリッカーレス 3840Hz駆動

スマートフォン・一眼レフでの撮影時に干渉縞(バンディング)が発生しない高周波駆動。お客様のSNS投稿品質が向上。

整備工場 防塵IP44対応

オイルミスト・金属粉が舞う整備ピット環境でIP44保護等級を確保。水平方向からのオイルスプレー飛散にも対応した密閉設計。

PIR人感センサー連動制御

廊下・洗車エリアは人感センサーで自動点灯/低調光。無人時は10%まで絞り込み、Zone Dだけで年間約3万円の追加削減を実現。

スマートフォン制御システム

Bluetooth・Wi-Fi対応の調光コントローラーで全ゾーンをアプリ制御。「朝モード」「商談モード」「夜間モード」などプリセットシーン登録が可能。

定性的効果・お客様の声

COBテープLED化による省エネ・コスト削減以外にも、複数の定性的効果が確認された。

車両展示品質の向上:導入から6ヶ月後の追跡調査で、「照明の当たり方が自然でボディカラーが綺麗に見える」というお客様アンケートの肯定評価が導入前比+28%向上。特に白・シルバー・パール系ボディ車の評価が高い。

UV・熱放射ゼロによる車両コンディション維持:長期展示(3ヶ月以上)車両のダッシュボード・シートの変色・劣化が減少。展示車両の下取り査定額維持に寄与している。

スタッフ作業環境の改善:整備工場(Zone C)の照度が650lxから750lxへ向上。蛍光灯特有のグリーンかぶりがなくなり、ワイヤーハーネス・コネクター色識別の誤認が減少したと整備スタッフから報告。

開店演出の強化:色温度可変・調光機能を活用した新車発表会・特別展示イベントの演出が可能になった。従来は固定照明で対応できなかったスタジオライクな照明演出を実現。

投資回収シミュレーション

投資回収期間

3.4年
施工費148万円 ÷ 年間削減額43万円
31万円
年間電気代削減
11,500kWh×27円
12万円
年間保守費削減
HID球・蛍光灯交換ゼロ
43万円
年間総削減額

回収後(4年目以降)は年間43万円の純利益増。COBテープの設計寿命50,000時間(10時間/日×300日で約16.7年)を考慮すると、15年間の累計削減額は約645万円となり、施工費148万円の4倍超のリターンが見込まれる。

さらに車両展示品質向上による販売機会の改善(成約率+数%相当)を加算すれば、財務効果はさらに大きくなる。

施工の流れ・工期

ショールームは月曜定休日(週1回)と夜間時間帯のみで施工を実施。営業中の車両展示・接客には一切影響しない施工スケジュールを組んだ。

工期:全4回(月曜×4週)+夜間施工2回

第1回(月曜):Zone C整備工場の既存蛍光灯撤去・COBテープ施工(最も規模が大きいため先行)。第2回(月曜):Zone B商談・ラウンジの蛍光灯撤去・COBテープ施工・調光コントローラー設置。第3回(夜間):Zone A展示フロアのHID水銀灯撤去・COBテープ仮設置・点灯確認。第4回(月曜):Zone A本格固定・色温度設定・スマートフォン制御システム設定・全体点灯確認。第5〜6回(夜間):Zone D廊下・駐車場・PIRセンサー設置・最終調整。

合計6回の施工で完工。営業を止めることなく全ゾーンの移行を完了した。

まとめ

カーディーラー・自動車ショールームへのCOBテープLED導入は、「省エネ」と「車両展示品質向上」を同時に実現できる稀有な設備投資だ。水銀灯HIDのフェーズアウト対応という義務的な対応に留まらず、Ra95・色温度可変・フリッカーレスという照明スペックの向上が顧客体験・販売機会に直結する。

水銀灯・蛍光灯の交換コストに悩むカーディーラー、または「照明のせいで車の色が正確に伝わらない」という課題を感じているショールームオーナーには、COBテープLED化が有力な解決策となる。

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