施設概要と照明課題
本事例は、山間部に立地するグランピング施設(管理棟・コモンエリア・テントサイト・パスウェイを含む総面積800㎡)へのCOBテープLED全面導入プロジェクトです。施設全体を4ゾーンに分類し、アウトドア体験の没入感を高めながら省エネを実現する設計を行いました。
グランピング・キャンプ場の照明設計では、機能的な明るさと自然の夜の雰囲気を壊さない演出照明の両立が最大の課題です。過度に明るい白色照明は星空観賞・焚き火体験・自然環境の魅力を損ないます。一方で安全なパスウェイ確保や深夜のトイレ誘導には適切な照度が必要です。COBテープLEDの調光機能と色温度選択で、この矛盾を解決しました。
グランピング照明の核心課題:自然体験と安全性の両立
色温度2700K(電球色)は焚き火の炎に近い暖色で、自然の夜の雰囲気に最も馴染みます。一方で5000K(昼白色)は人工的な白さが際立ち、アウトドア空間の雰囲気を損ないます。COBテープLEDは2700K固定または調光・調色タイプで対応でき、用途に応じた色温度選択が可能です。また調光機能を組み合わせることで、夜が深まるにつれて照度を落とすタイムスケジュール制御も実現できます。
4ゾーン照明設計
管理棟・受付・ラウンジ
- 面積: 120㎡
- COBテープ 10W/m × 120m = 1,200W
- 演色性: Ra90 / 色温度: 2700K(電球色・温もりある空間)
- 照度: 200〜300lx(チェックイン・マップ確認・書類記入対応)
- 調光対応(昼〜夜で演出変更)
- 受付カウンター上部は3000K補助照明で書類視認性を確保
グランピングテント・コテージ共用部
- 面積: 240㎡(テント間・コモンエリア)
- COBテープ 8W/m × 200m = 1,600W
- 演色性: Ra85 / 色温度: 2700K(キャンプ情緒演出)
- 照度: 100〜200lx(低照度アンビエント)
- 調光対応(日没後に50%減光・就寝時間帯は20%)
- タイマー制御で深夜0時以降は常夜灯モードに自動移行
バーベキューエリア・外構テーブル
- 面積: 280㎡(屋外エリア)
- 防水IP65 COBテープ 8W/m × 200m = 1,600W
- 演色性: Ra85 / 色温度: 2700K(焚き火と共存する暖色)
- 照度: 100〜200lx(食事・焚き火台周辺)
- 調光対応(焚き火点火後は30%に減光して炎の演出を引き立て)
- 防水IP65(雨・露・飛び火対応)
パスウェイ・トイレ・シャワー棟
- 面積: 160㎡(通路・衛生施設)
- 防水IP44 COBテープ 8W/m × 160m
- PIRセンサー連動(人感時に100%点灯・平常時は30%低輝度維持)
- 実効消費電力: 384W(稼働率換算)
- 演色性: Ra80 / 色温度: 3000K(安全誘導と自然環境のバランス)
導入仕様・スペック詳細
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 採用製品 | COBテープLED(10W/m・8W/m 混在) |
| 総延長 | 680m(Zone A:120m + B:200m + C:200m + D:160m) |
| 総消費電力(定格) | 5,680W(Zone D PIR考慮前) |
| 実効消費電力 | 約4,784W(PIR・調光実効換算) |
| 演色性 | Zone A: Ra90 / Zone B・C: Ra85 / Zone D: Ra80 |
| 色温度 | Zone A・B・C: 2700K(電球色)/ Zone D: 3000K |
| 照度 | Zone A: 200〜300lx / Zone B・C: 100〜200lx |
| 防水等級 | Zone C: IP65 / Zone D: IP44(屋外対応) |
| 調光 | Zone A・B・C: 0〜100%調光・タイマー制御対応 |
| PIR制御 | Zone D: 人感時100%→平常時30%低輝度維持 |
| 旧照明 | 白熱電球・ランタン型LED(非効率)・ハロゲンスポット |
省エネ効果・投資回収シミュレーション
| 項目 | 旧照明 | LED後 | 差異 |
|---|---|---|---|
| 年間消費電力 | 約55,000kWh | 約34,100kWh | ▲20,900kWh |
| 年間電気代 | 約77万円 | 約44万円 | ▲33万円 |
| 年間ランプ交換・保守費 | 約12万円(屋外ハロゲン等の頻繁交換) | 約0万円 | ▲12万円 |
| 年間総コスト | 約89万円 | 約44万円 | ▲45万円 |
| 施工費 | — | 120万円 | — |
| 単純回収期間 | — | — | 2.7年 |
施工の流れ
- 施設コンセプトヒアリング・照明デザイン提案:「星空が見える・焚き火が映える・安全な夜道」という施設コンセプトに合わせた照明方針を策定。色温度・照度・調光パターンの3軸で設計。
- Zone C(バーベキューエリア)先行サンプル点灯:施工前に2700Kテープのサンプルを現地で点灯。焚き火点火後との色調バランスをオーナーと確認し、調光レベル(焚き火時30%)を確定。
- Zone D(パスウェイ・トイレ)施工:PIRセンサー設置と防水配線を優先施工。営業への影響が最小のエリアから開始し、足場・電源工事を集中的に実施。
- Zone A・B施工:管理棟・コモンエリアのアルミプロファイル取り付けと調光コントローラー接続。タイマープログラム設定(日没後3h→50%、深夜0時→20%)。
- Zone C(屋外)施工:IP65防水COBテープを外構フレーム・パーゴラ・テーブル脚に設置。雨・結露対策のシリコンシール処理を全接続部に施工。
- 最終点灯確認・タイマー試運転:夜間に全ゾーンを同時点灯し、オーナーと照度・色温度・調光動作を確認。タイマー自動制御の動作を1週間試運転して本稼働。
キャンプ場・グランピング施設照明品質チェック比較表
| チェック項目 | 旧白熱・ハロゲン照明 | COBテープLED | 改善効果 |
|---|---|---|---|
| 焚き火・星空との色調調和(色温度) | ハロゲン2800Kは近いが低効率・発熱大 | 2700K電球色で焚き火の炎と違和感なく共存 | グランピング体験の没入感・SNS映えの向上 |
| 調光による夜間演出制御 | 調光非対応または別途調光器が必要 | 0〜100%調光+タイマー自動制御 | 時間帯に応じた照度変化で自然な夜の演出 |
| 屋外防水耐久性 | 雨・露・虫対策が弱く頻繁交換が発生 | IP65防水・設計寿命50,000h | 屋外設置での高耐久性・保守コストゼロ |
| パスウェイ安全照明 | 夜間通路の照度不足・転倒リスク | PIR連動で人感時100%・平常時低輝度維持 | 暗い星空を楽しみながら安全な夜道を確保 |
| 発熱量・テント内安全性 | ハロゲン・白熱灯は発熱大(火災リスク) | 低発熱・テント内使用でも熱によるリスクなし | グランピングテント内装飾照明への安全な使用 |
| 光害・近隣環境への配慮 | 拡散光が周辺環境・自然環境に影響 | 指向性・調光で光量を最小限に制御 | 星空観賞への影響を最小化・光害対策 |
| 省エネ・オフシーズン維持費 | 白熱・ハロゲンは待機電力・常時発熱が大 | 38%削減・待機時は調光最低輝度で省エネ | オフシーズン閑散期も電気代を最小化 |
| 保守管理の容易さ | 屋外ハロゲン・電球の頻繁交換(高所含む) | 設計寿命50,000h・交換作業なし | 年間12万円の保守費削減・管理工数大幅低下 |
お客様の声
「以前のハロゲン電球を全て2700KのLEDに換えてから、お客様の『雰囲気がいい』という声が明らかに増えました。焚き火と照明の色が馴染んで、写真を撮っても自然な温かみが出るようになりました。タイマーで夜12時以降は暗くなるようにしたら、星空がよく見えるようになったとご好評もいただいています。」(長野県・グランピング施設 オーナー)
「屋外の電球は雨が降るたびに壊れることが多く、シーズン中は毎週のように交換していました。COBテープはIP65対応なので、今シーズンは一度も交換が発生していません。管理が格段に楽になりました。」(山梨県・キャンプ場 施設管理担当)
キャンプ場・グランピング施設の照明改善をご検討中の方へ
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※本事例の数値(省エネ率・削減額・回収期間等)は導入施設の実測データおよびシミュレーション値です。施設規模・使用状況・電気料金単価により異なります。詳細はお問い合わせください。