開店から3年、ようやくリピーターが増えてきたカフェオーナーには悩みがあった。「なぜか夕方になると席が埋まらない」——その原因は照明だった。昼間の自然光が入らなくなる夕方以降、蛍光灯のフラットな光が空間の温もりを消していた。COBテープLEDによる間接照明施工で空間が劇的に変わり、夕方の客単価が1.4倍になったカフェの施工記録。

カフェや飲食店の間接照明は、空間の雰囲気を左右する重要な要素です。LEDテープライトを使えば、カウンター下・天井コーブ・棚下など、様々な箇所に柔軟に光を取り込めます。本記事では、実際の施工事例をもとに部材選定・電源容量計算・アルミフレーム固定・調光器接続の実務ポイントを解説します。

1. 施工概要と使用箇所

今回の事例は、35席規模のカフェにおけるカウンター周辺の間接照明です。施工箇所は以下の3か所です。

施工箇所延長目的
カウンター下(幕板内)約6mフットライト・足元の演出
天井コーブ(折り上げ天井)約12m空間全体の柔らかな主照明補助
棚下(ドリンクディスプレイ)約4m商品をきれいに見せる

合計22mのLEDテープを施工し、1か所の調光器でゾーン別に光量調整できる設計としました。

2. 部材選定の理由

LEDテープ:COBテープ 24V / 電球色(3000K)

間接照明で最も重視されるのは均一な発光です。SMDテープはLED素子のドット感が出やすく、アルミフレームで拡散させても点々と見えてしまう場合があります。COBテープは基板全面が発光するため、ドット感がなく柔らかい光の帯になります。

POINT 飲食店の間接照明は食材・料理の色の見え方に直結します。Ra80以下のLEDは食材が不自然な色に見え、顧客満足度の低下につながります。飲食店には必ずRa90以上を推奨します。

アルミフレーム:埋め込みタイプ(Tチャンネル)

天井コーブには埋め込み型アルミフレーム(Tチャンネル)を使用しました。フレームを溝に嵌め込むことで、LEDテープが直接見えず光の帯だけが浮かび上がる仕上がりになります。カウンター下と棚下には通常タイプ(Uチャンネル)を使用し、施工コストを抑えました。

電源装置:防雨型スイッチング電源 24V 150W × 2台

電源容量の計算は以下の通りです。

施工箇所使用テープ消費電力(W/m)延長消費電力計
カウンター下COB24 7W/m7W6m42W
天井コーブCOB24 7W/m7W12m84W
棚下COB24 7W/m7W4m28W
合計154W

合計154Wに対し、余裕率として1.2〜1.3倍を掛けると185〜200W以上の電源が必要です。今回は150W電源を2台設置し、ゾーンを分けて接続することで安全余裕を確保しました。

注意 電源容量は必ず1.2〜1.3倍の余裕率を確保してください。ギリギリの容量では熱による出力低下・寿命短縮・最悪の場合過熱保護が繰り返し作動します。

3. アルミフレームの固定方法

アルミフレームの固定には両面テープと専用クリップを併用しました。

  1. 下地の確認 — 天井コーブは石膏ボード。直接ビス打ちできないため、下地(木材)の位置を磁石で確認してからクリップをビス固定
  2. フレーム仮置き — 水平器で水平を確認しながら1mずつ仮置きし、継ぎ目が目立たないよう位置を調整
  3. LEDテープの貼り付け — フレームをすべて固定した後、LEDテープを端から連続して貼り付け。途中でカットが必要な場合はカット位置(マーク)を確認
  4. 接続と結線 — コネクタで接続し、電源への配線は壁内を通して露出を最小化

4. 調光器の接続とゾーン設計

今回は1か所の調光パネルでカウンター・コーブ・棚下の3ゾーンを個別に調光できる設計にしました。

調光対応の確認ポイント LEDテープとコントローラーは「PWM調光対応」と明記されたものを組み合わせてください。対応していないテープにPWM信号を入れると、ちらつきや誤動作の原因になります。

5. 仕上がりと施主の反応

施工完了後、オーナーから「思っていた以上に柔らかく上品な明かりになった」とご好評いただきました。天井コーブのCOBテープはドット感がまったくなく、光の帯が天井に沿ってなめらかに広がる仕上がりになりました。調光機能によって夕方以降は少し落とした光量でムードを演出できており、時間帯によって空間の表情を変えることができています。

「以前はSMDテープを使っていたのですが、光が点々と見えて安っぽい仕上がりになってしまいました。COBテープに変えてからは光の帯がなめらかで、お客様に『照明がきれい』と言っていただけるようになりました。3000KのRa90品を選んだことで、スコーンやケーキの色が本当においしそうに見えています。」
失敗事例:「12V SMDテープをカウンター下の長尺施工に使い、端が暗くなった」

6m以上のカウンター下に12V SMDテープを1本で通したケースがあります。先端では適切な明るさでも、末端になるにつれ電圧降下で明らかに暗くなり、光のムラが目立ちました。12Vは長尺施工で電圧降下が大きくなるため、6m超の施工には24Vテープを選び、中間給電も検討してください。

6. 施工のまとめ

項目選定内容理由
LEDテープCOBテープ 24V 3000K Ra90+均一発光・高演色・電圧降下対策
アルミフレーム埋め込み型(コーブ)+ 通常型(その他)コーブは光源を隠す仕上げ重視
電源150W × 2台合計154W + 余裕率1.3倍 = ゾーン分散
調光器PWM調光 2chゾーン別調光・ちらつきなし
2027年問題:飲食店・カフェの蛍光灯在庫が枯渇し始めています
  • 2027年末:蛍光灯の国内製造・輸出が全廃(水銀条約履行)
  • 飲食店の天井・厨房に多用されてきた直管蛍光灯・環形蛍光灯のランプ在庫が急速に枯渇
  • 在庫切れ時の蛍光灯器具への交換費用はLED直接導入の2〜3倍になるケースも
  • 間接照明のLED化は「雰囲気改善」だけでなく、2027年後の維持コスト回避としても有効

よくあるご質問

Q. カフェの間接照明にCOBテープを選ぶ理由は何ですか?
A. COBテープは基板全面が均一に発光するため、SMDテープのようなドット感が出ません。アルミフレームと組み合わせることで、天井コーブやカウンター下に光の帯がなめらかに広がる仕上がりになります。カフェ・飲食店の間接照明には均一発光・Ra90以上・調光対応のCOBテープが最適です。
Q. 飲食店の間接照明で推奨される色温度と演色性は?
A. カフェ・飲食店には色温度2700〜3000K(電球色〜温白色)とRa90以上の組み合わせが推奨されます。Ra80以下では食材・料理が不自然な色に見え、顧客満足度の低下につながります。
Q. LEDテープの電源容量はどうやって計算しますか?
A. 消費電力(W/m)×施工延長(m)で総消費電力を計算し、その値に余裕率1.2〜1.3倍を掛けた容量以上の電源を選びます。7W/m×22m=154Wの場合、154×1.3≒200W以上が必要です。余裕率を確保しないと過熱保護が頻繁に作動し電源寿命が短縮します。

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