高速で飛ぶシャトルの追跡精度を左右する照明選定。フリッカーレス・高天井対応・均一照度設計で競技環境と省エネを両立した施工データを公開
バドミントンはシャトルが最大速度493km/h(スマッシュ)にも達する競技です。照明のちらつきは視覚系に大きな負荷をかけ、競技の質と安全性を直接左右します。LED换装はランニングコスト削減だけでなく、競技環境の改善にも不可欠な投資です。
天井高6mの民営バドミントンクラブ(8コート・1,200㎡)で、旧式蛍光灯ベースライトを全廃してフリッカーレスLEDスポーツ照明に換装。PIRセンサーによる空きコート節電と組み合わせ、大幅な省エネと競技照明品質の向上を同時達成した。
| エリア | 旧照明 | 換装後 | 照度 | 色温度 | センサー |
|---|---|---|---|---|---|
| コートエリア(8面) | 蛍光灯ベースライト 100W×64 | LEDスポーツ照明 50W×64 | 750lx | 5000K | PIR(コート単位) |
| 受付・ロビー | 蛍光灯シーリング 40W×8 | LEDダウンライト 12W×8 | 300lx | 3500K | 明暗センサー |
| 更衣室・シャワー | 電球型蛍光灯 60W相当×12 | LED防湿型 10W×12 | 200lx | 3000K | PIRセンサー |
| 倉庫・バックヤード | 蛍光灯 40W×4 | LED直管 12W×4 | 150lx | 4000K | PIRセンサー |
通常の蛍光灯は商用電源(50/60Hz)の周波数に連動して1秒間に100〜120回点滅しており、人間の目には見えないが視覚系への負荷は大きい。今回採用したLEDスポーツ照明はフリッカー率0.3%未満(IEEE Std 1789-2015 低リスク区分)の高周波PWM電源を採用し、シャトルの残像を限りなくゼロに近づけた。
換装後にプレーヤーアンケートを実施したところ、「シャトルが追いやすくなった」と回答した会員が87%に上り、目の疲れに関する苦情も換装前比で70%減少した。
8コート全てにPIRパッシブ赤外線センサーを設置。利用者がいないコートは5分後に30%減光し、退場から10分後に消灯する制御で、施設全体の平均点灯率を82%から51%に低下させることができた。特に閑散時間帯(平日昼間)の節電効果が顕著で、時間帯別電力費を38%削減した。
バドミントンの公式大会基準(JIS Z 9110)では競技面照度500lx以上が要求される。今回は高天井6mに対応した広角配光LEDを選定し、コート面照度750lx・均斉度0.7以上を達成。選定器具の垂直照度も350lx以上を確保し、ネット際の見えにくさを解消した。
バドミントンのシャトルは白色(または黄色)のため、色温度が低い電球色(3000K以下)では白飛びが起きやすく視認性が落ちる。5000K(昼白色)を採用することで、シャトルの白色コントラストが最も鮮明に見える環境を実現した。
回収後は毎年36万円の純削減が継続するため、10年間で総削減額は230万円超(施工費差し引き後)。さらに球切れ頻度の低下と高所作業コストの消滅が加わり、管理工数も大幅に削減された。