アパレル・雑貨店の什器照明は、商品の色の見え方に直接影響します。「試着してみたら思ったより暗い色だった」「店内では良く見えたのに家で見たら違う色だった」という顧客体験の失敗の多くは、照明の演色性が低いことが原因です。本記事では、実際のアパレルショップへのLEDテープ施工事例を通じて、部材選定・アルミフレーム固定・配線処理・電源分散設計の実務ポイントを解説します。

1. 施工概要

今回の事例は、セレクトショップ(床面積約60㎡)の全面改装に伴う什器照明の新設です。施工箇所は以下の4か所です。

施工箇所延長目的
壁面棚(3段 × 4列)約18m衣類・バッグの棚下照明
什器什器(ラック4台)約8m吊り掛けアイテムの上部照明
ショーウィンドウ内約3mマネキン・ディスプレイ照明
試着室(3室)約6mサイドライト・フェイス照明

合計35mのLEDテープを施工。電源は4ゾーンに分散して設置し、店舗の動線に合わせた点灯制御を実現しました。

2. 最重要:高演色性(Ra95)のCOBテープを選ぶ理由

アパレル照明で絶対に妥協してはいけないのが演色性(Ra値)です。Ra値は光がどれだけ自然光に近い色再現をできるかを示す指標です。

Ra値商品の見え方アパレルへの適性
Ra70以下色が沈む・グレーがかる×(不適)
Ra80まずまず自然△(可)
Ra90ほぼ自然な発色○(推奨)
Ra95以上自然光に近い発色◎(最推奨)

今回はショーウィンドウと試着室にRa95のCOBテープを使用し、壁面棚・什器ラックにはRa90を使用しました。衣類の本来の色を正確に再現することで「店内と家の色が違う」クレームを防止できます。

アパレル照明の色温度の選び方 アパレルの照明色温度は3000K(温白色)が最も多く選ばれます。肌が温かく見え、カジュアル〜セレクト系に合います。ラグジュアリー系・モノトーン系の場合は4000K(白色)の方がシャープな印象を演出できます。

3. アルミフレームの選択と固定

壁面棚:通常型アルミフレーム(Uチャンネル)

壁面棚の棚板下面には通常型アルミフレームを使用しました。棚板の厚み(18mm)に合わせてフレームをカットし、両面テープ+ビス止めで固定しました。

什器ラック:可動式クリップ固定

什器ラックは移動することがあるため、配線にも余長を設けた可動設計としました。フレームはアルミ製クリップでラック上部のパイプに固定し、コネクタによる着脱を可能にしました。

ショーウィンドウ:隠蔽配線+埋め込みフレーム

ショーウィンドウは外から見られるため、配線が見えない設計が必要です。壁内配線と埋め込みアルミフレームを組み合わせ、光源が直接見えない仕上げにしました。

ショーウィンドウの熱対策 ショーウィンドウは日射により高温になりやすい環境です。耐熱性の高いLEDテープ(動作温度-20〜+60℃以上)と放熱性の良いアルミフレームを選択し、電源も離れた場所に設置して熱がこもらない設計にしてください。

4. 電源の分散設計

35mのLEDテープをすべて1つの電源でまかなうと、配線が長くなり電圧降下が大きくなります。今回は4ゾーンに分散させました。

ゾーン施工箇所延長消費電力電源
A壁面棚(左)9m63W100W電源
B壁面棚(右)9m63W100W電源
C什器ラック + ショーウィンドウ11m77W100W電源
D試着室(3室)6m42W60W電源

各ゾーンに独立した電源を設置することで、万が一1台が故障しても他のゾーンは点灯を続けられます。また配線距離が短くなることで電圧降下を抑えられます。

5. 試着室の配慮ポイント

試着室はフェイスライティング(顔の照明)が特に重要です。今回は以下の設計としました。

試着室の照明がコンバージョンに影響する 試着室の照明が悪いと、商品が気に入っても「鏡で見た感じが微妙」で購入を見送られます。試着室は1平米あたりの照度を他のエリアより1.5〜2倍高く設計し、演色性Ra95以上のテープを選ぶことを強く推奨します。

6. 施工のまとめ

施工箇所テープ仕様フレーム電源
壁面棚COB 24V 3000K Ra90通常型Uチャンネル100W × 2
什器ラックCOB 24V 3000K Ra90クリップ固定100W(C共用)
ショーウィンドウCOB 24V 3000K Ra95埋め込み型Tチャンネル100W(C共用)
試着室COB 24V 3000K Ra95縦型フレーム(サイドライト)60W

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