2027年をめどに蛍光灯の製造・輸入が終了します。マンション・集合住宅の管理組合にとって「共用部のLED化」はいつかやらなければならない課題から、今すぐ計画すべき優先事項に変わりつつあります。
このガイドでは、廊下・エントランス・駐車場・階段など場所別のLED選定基準、電気代削減の計算方法、補助金活用のポイントを実務目線で解説します。
場所別 LED化の優先順位と使い分け
共用部のLED化には「器具交換型」と「テープ照明を追加する補助照明型」の2種類があります。それぞれ目的が異なるため、場所に合わせた選択が重要です。
廊下・階段
シーリングやブラケットをLED器具に交換するのが基本。人感センサー一体型を選ぶと深夜の電力消費を大幅に削減できます。
エントランスホール
居住者・来訪者が第一印象を受ける場所。ダウンライトやシーリングのLED化に加え、間接照明で高級感を演出するケースが増えています。
駐車場・駐輪場
防水性(IP65以上)が必須。蛍光灯比で最大65%の電力削減実績があります。防犯カメラ映像品質も向上します。
エントランス 間接照明
天井コーニスや壁面の間接照明にLEDテープ+アルミフレームを使用。高演色(Ra90以上)のCOBテープで空間の品質を向上できます。
廊下 足元照明
深夜の転倒防止・防犯目的で廊下の足元ラインにLEDテープを設置。人感センサー連動させると待機電力をほぼゼロにできます。
階段 踏み面照明
各段の踏み面にLEDテープを埋め込む安全照明。IP44以上の防塵防水品を使用し、段差ラインを視覚的に明確化します。
場所別 LED選定基準表
以下は共用部の場所ごとに推奨するLEDスペックをまとめた早見表です。管理会社への見積依頼時の仕様書としてご活用ください。
| 場所 | 推奨色温度 | 演色性(Ra) | 防水規格 | センサー | ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 廊下(屋内) | 3000〜4000K | Ra80以上 | 不要(IP20) | 人感推奨 | 深夜の節電効果が大きい |
| 廊下(屋外開放) | 4000〜5000K | Ra80以上 | IP44以上 | 人感推奨 | 雨風が入る環境は防水必須 |
| エントランスホール | 2700〜3000K | Ra90以上 | 不要(IP20) | タイマー制御 | 高演色で第一印象UP |
| 駐車場(屋内) | 5000〜6500K | Ra80以上 | IP44以上 | 在室検知 | 均一照度・死角なし |
| 駐車場(屋外) | 5000〜6500K | Ra80以上 | IP65以上 | タイマー+調光 | 防水・結露対策が最重要 |
| 階段 | 3000〜4000K | Ra80以上 | IP44(踏み面) | 人感推奨 | 踏み面照明で転倒防止 |
| エントランス 間接照明 (LEDテープ) |
2700〜3000K | Ra90以上 | IP20(屋内) | 調光コントローラー | COBテープで均一発光 |
LEDテープを使った間接照明・補助照明の活用法
マンション共用部でのLEDテープ活用は、主照明の補助・演出照明・安全照明の3用途に分類されます。適切な製品を選ぶことで、管理費を抑えながら上質な空間を実現できます。
エントランスの天井コーニス間接照明
COB LEDテープ 24V(高演色)
粒感のない均一発光で、エントランスの天井コーニスに設置すると高級ホテルのようなやわらかい光を演出できます。Ra90以上の高演色品を使用することで、エントランスホールの植栽や壁材の色が美しく見えます。
廊下・階段の足元ライン照明
SMD LEDテープ 12V(IP44 防塵防水)
廊下の巾木部分や階段の踏み面にアルミフレームとともに設置。人感センサーと連動させると、人がいないときは消灯・点灯を自動で行い待機電力をほぼゼロにできます。転倒防止と防犯を兼ねた実用的な設置方法です。
駐車場・屋外エリアの誘導照明補助
SMD LEDテープ 24V(IP67 防水)
屋外駐車場の区画ライン照明や誘導灯として使用できます。IP67の完全防水品を使用することで雨天時も安定して点灯します。24V安定化電源を用いることで長距離配線時の電圧降下を最小限に抑えられます。
電気代削減シミュレーション(20戸マンション試算)
20戸規模のマンションを想定した簡易試算です。使用環境や電力単価によって異なりますので、目安としてご参照ください。
※ 電力単価30円/kWh で試算。実際の効果は環境・使用状況により異なります。
補助金・助成金の活用
マンション共用部のLED化には、国・自治体の補助金を活用できる場合があります。申請スケジュールは年度ごとに変わるため、工事前に必ず最新情報を確認してください。
主な補助金・助成金(2026年度 参考)
※ 補助金の内容・申請条件は毎年変わります。工事前に最新情報を各省庁・自治体の公式サイトでご確認ください。
2027年 蛍光灯廃止への対応スケジュール
2027年末をめどにFHF型(Hf型)蛍光灯の製造・輸入が終了する予定です。現在使用中の蛍光灯はすぐに使えなくなるわけではありませんが、以下の点を考慮して計画を立てることをお勧めします。
| 時期 | 推奨アクション |
|---|---|
| 2026年 | 管理組合で現状調査・見積取得・補助金申請検討。総会での議案化。 |
| 2026〜2027年 | 補助金申請・業者選定・工事実施。廊下・エントランスを優先的にLED化。 |
| 2027年末以降 | 蛍光灯の市場在庫のみ流通。球切れ時の交換が困難になる。 |
| 2028年以降 | 在庫枯渇・高騰。LED化していない場合はコスト増大リスク。 |