導入前の課題
国内地方空港のターミナルビルで、開港以来20年以上使用してきたHf蛍光灯の全面刷新を検討していた。24時間365日稼働という特性上、ランプ交換のたびに高所作業・夜間作業を要し、年間保守費が膨らんでいた。
早朝・深夜など旅客が少ない時間帯も固定照度で点灯しており、電力のムダが大きかった。とりわけコンコースや通路は日中と深夜で必要照度が大きく異なるにもかかわらず、調光機能のない蛍光灯のままでは対応できていなかった。
4ゾーン設計と照明仕様
消費電力:576W実効(調光60%平均)
演色性:Ra90 / 色温度:4,000K
照度:500lx(早朝便)→ 150lx(深夜)
面積:400㎡
消費電力:800W
演色性:Ra90 / 色温度:4,000K
照度:400lx均一
面積:350㎡
消費電力:240W実効(調光30%深夜平均)
演色性:Ra85 / 色温度:4,000K
照度:300lx(日中)→ 100lx(深夜)
面積:300㎡
消費電力:72W実効(稼働率15%)
演色性:Ra80 / 色温度:4,000K
面積:150㎡
| ゾーン | 面積 | 旧消費電力 | 新消費電力(実効) | 削減率 |
|---|---|---|---|---|
| Zone A ロビー | 400㎡ | 1,800W | 576W | 68% |
| Zone B ゲート | 350㎡ | 1,400W | 800W | 43% |
| Zone C 通路 | 300㎡ | 900W | 240W | 73% |
| Zone D バック | 150㎡ | 500W | 72W | 86% |
| 合計 | 1,200㎡ | 4,600W | 1,688W | 63%削減 |
※実効電力は各ゾーンの調光率・PIR稼働率を加重平均した値。旧照明比で消費電力63%削減・省エネ率53%(設備全体費用ベース)。
時間帯連動調光スケジュール(Zone A・C)
| 時間帯 | Zone A 調光率 | Zone A 照度 | Zone C 調光率 | Zone C 照度 |
|---|---|---|---|---|
| 早朝便 05:00〜08:00 | 100% | 500lx | 80% | 240lx |
| 午前 08:00〜12:00 | 90% | 450lx | 70% | 210lx |
| 午後 12:00〜18:00 | 90% | 450lx | 70% | 210lx |
| 夜便 18:00〜22:00 | 80% | 400lx | 60% | 180lx |
| 深夜 22:00〜05:00 | 30% | 150lx | 20% | 60lx |
航空機の発着スケジュールと連動させ、便が集中する早朝・夕方便の時間帯に最大照度を確保。深夜便のない閑散時間帯は大幅に調光し、電力消費を最小化した。深夜の30%調光でも最低保安照度を維持し、警備員・清掃員の業務に支障のない明るさを確保している。
経済効果の内訳
| 項目 | 旧照明(年間) | 新照明(年間) | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 電気代(24時間稼働ベース) | 67万円 | 32万円 | 35万円 |
| ランプ交換・保守作業費 | 20万円 | 6万円 | 14万円 |
| 合計 | 87万円 | 38万円 | 49万円 |
施工費150万円 ÷ 年間削減額49万円 = 投資回収 3.1年。10年間累計削減額は338万円(施工費差し引き後)。COBテープの公称寿命約40,000時間(24時間稼働で約4.6年)。計画交換を2回行っても十分な長期収支優位を確保できる。
空港ターミナル特有の導入メリット
■ 旧Hf蛍光灯の問題点
- ✗ 深夜帯も固定点灯でムダな消費
- ✗ ランプ寿命8,000h → 年2〜3回交換
- ✗ 高所器具の交換に脚立・夜間作業が必要
- ✗ 演色性Ra70台で掲示物の色再現が低下
- ✗ 点灯まで10〜30秒の予熱時間
■ COBテープLED導入後の改善点
- ✓ 時間帯調光で深夜電力を最大70%削減
- ✓ 寿命40,000h → 約4.6年ぶっつけ稼働
- ✓ テープ交換は脚立不要の簡易作業で完了
- ✓ Ra90高演色で案内表示・サインが鮮明に
- ✓ 即時点灯(0秒)・停電復帰後も瞬時再点灯
特にPIR連動のZone D(トイレ・バックヤード)は稼働率15%まで圧縮でき、保守員・清掃員が通過する時だけ点灯する設計で大幅な電力削減を実現した。
COBテープ選定のポイント
Ra90高演色で案内サイン・掲示物の視認性が向上
空港内の搭乗口番号・フライト情報表示・商業テナントのディスプレイは、演色性が低いと色味がくすんで見え、視認性が低下する。Ra90の自然光に近い発色で掲示物の色再現が大幅に向上し、利用者の快適性と安心感が増した。
調光対応で便スケジュールに合わせた照度制御
0〜100%の無段階調光が可能なCOBテープを採用し、航空便の発着スケジュールに連動した5段階タイマー制御を実装。省エネルギー法のBEMS(ビル管理システム)と連携し、電力使用量の見える化にも対応している。
薄型テープで既存天井に低侵襲施工
旧器具を撤去後、天井凹部・溝にCOBテープをアルミチャンネルでマウントする工法を採用。ターミナル建築の外観を変えず、分割夜間工事で営業を止めずに全施工を完了した。
施工概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象施設 | 国内地方空港ターミナルビル(ランドサイド+エアサイド) |
| 床面積 | 1,200㎡ |
| 旧照明 | Hf蛍光灯(Hf32W・Hf86W 器具230台) |
| 新照明 | 調光COBテープ(12W/m・10W/m・8W/m・6W/m)+PIRセンサー |
| 施工方法 | 夜間分割工事(ターミナル運用時間外)・3週間で完了 |
| 調光システム | タイマー連動ディマー(5段階プログラム・BEMSオプション対応) |
| 施工費 | 150万円(材料費・工賃・旧器具撤去処分費含む) |
| 保証 | COBテープ3年・ドライバー電源3年・PIRセンサー2年 |
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